大海原を泳ぐヘビ、「ウミヘビ」。

確かにヘビは水中が得意そうな見た目をしているし、泳いでいてもなんら違和感はないのですが…

 

一つ疑問なのが「呼吸はどうしているのか?」ということですよね。

ヘビは爬虫類なので肺呼吸だけど、もしかしてウミヘビだけは特別にエラ呼吸も出来るようになっているとか…?

今回はそんなウミヘビの生態や呼吸の方法について、まとめていきたいと思います。

ウミヘビの生態

ウミヘビは海中での生活に適応したヘビで、主に熱帯から亜熱帯の暖かい海に生息しています。

(ウナギの仲間で、「ウミヘビ」という名前のものもいますが、ここでは爬虫類のほうについて記していきます。)

陸上のヘビと違うのは尾の形で、泳ぐのに適した縦に平べったい形。

体を横にくねらせてこの尾で水をかき、水中を自由に泳ぎます。

 

ただし、水中生活に特化しすぎた体になったため、陸上に打ち上げられるとそのまま動くことができずに死んでしまう種類もいるんですよ。

ウミヘビの仲間はほとんどが毒を持っており、咬まれるととても危険。

 

それもそのはず、ウミヘビは猛毒で有名なコブラの仲間であるとも言われているのです。

特に海中で咬まれる場合が多いので、毒により体が動かなくなり、そのまま溺死してしまうこともあります。

 

もしウミヘビに咬まれたら、すぐさま陸や船上に上がるようにしましょう。

基本的にはウミヘビは臆病で大人しいので、こちらから近づいたりちょっかいを出したりしない限りは咬まれることはありません。

 

ただし、好奇心旺盛で自ら近づいてくるウミヘビもいるので、近づいてきた場合は即逃げましょう。

日本では南西諸島周辺にのみ分布していましたが、近年では温暖化の影響で九州や四国などでも目撃されるようになりました。

 

ごく稀に潮に乗って千葉県近くまで現れることも。

ウミヘビは浅い海に棲んでいるものが多いので、海水浴などの海遊びの際には十分注意しましょう。

どうやって呼吸している?

ウミヘビは爬虫類なので、当然肺呼吸です。

エラがあっても不思議ではない感じもしますけど、エラ呼吸ではありません。

 

時々海面に顔を出して、息継ぎをする必要があります。

潜水時間は約30分から1時間。

 

人間なんて数分が限界ですから、すごいですよね。

なぜこんなに長時間潜っていられるのでしょうか。

 

その秘密は、ウミヘビの皮膚にあります。

実はウミヘビ、「皮膚呼吸」だけでも、潜水に必要な酸素の5分の1を取り入れることができるのです。

なんと羨ましい!

 

さらにヘビは人間とは違って変温動物ですから、体の中で熱を作り出す必要がなく、代謝される酸素の量もはるかに少ないのです。

そのため、海面で2~3回呼吸をするだけでもこんなに長時間潜っていられるのです。

人間には決して真似できない芸当ということですね。

 

沖縄などに行くと、海上でウミヘビが息継ぎをする場面に出くわすこともあるそうです。

しかし問題となるのが産卵の時。

 

親は息継ぎで呼吸ができても、卵となるとそうはいきませんよね。

そこで、ウミヘビは陸に上がって卵を産みます。

 

ただ初めに少し記したように、ウミヘビの中には陸上では活動できない種類のものもいます。

そういった種はどうやって卵を産んでいるのでしょう。

答えは「卵を産まない」です。

 

正確には、卵をお腹の中で孵化させる「卵胎生」という仕組み。

こうすることで、卵が溺れてしまうのを防ぐことができるのです。

ウミヘビについてのまとめ

太古の昔、生き物は海中から陸上へと上がって肺呼吸へ進化しています。

そこからまた海へと帰り、海中に適した進化を遂げていく。

 

生き物の不思議やロマンを感じざるを得ませんね。

人間もいつか、海中に適した進化をする人が出てきたりするのでしょうか。

(ライター もんぷち)

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