ムカデは赤い頭と黒い胴体、黄色い脚という特徴的な配色をしていて、本州から沖縄にかけて生息しています。
体長は80~150㎜、大きいものだと20㎜になるものもいて、一節に一対の脚がついています。
田舎暮らしの日常では、ムカデが布団の中に入っていたとか、天井からポトリと落ちてきたとか、風呂場の排水溝から侵入してきた・・ということをよく聞きます。
なにより凶暴で攻撃的で、ヒトによく咬みつき、しかも毒を持っていて咬まれたところが腫れあがって激しく痛む・・などと自らの経験談を語られれば、その容姿もさることながら、ムカデに対する恐怖感、嫌悪感は増すばかりです。
私が初めてムカデを見たのは、まだ子どもの頃、自然豊かな山間部にある親類の家に泊まりにいったときです。
その家の縁側を色鮮やかな紐のような何かがモゾモゾと横切って行くのを見つけました。あれは何かと問うと、ムカデだよと教えてくれたのです。
親類のオジサンは火箸でそれを捕まえると、一升瓶を持って来させ、その中にムカデを器用に入れて閉じ込めました。
中にはドロっとした液体が入っており、ムカデはその中で体をくねらせてもがいていました。
「ムカデには咬まれると腫れあがるくらいの強い毒があるけど、こうして油の中に漬けておくと、何にでもよく効く薬になるんだよ」と教えてくれました。この家では、ムカデが出現することがさして珍しいことでないのだそうです。
当初はお泊まりが嬉しくて、テンションが最高潮に上がってはしゃいでいた私ですが、その一件を目撃すると、もう興奮も一気に醒めてしまい、シュンとなってしまいました。
そしてまだモゾモゾと動き回っているムカデを詰めた瓶の中を覗きこみながら、またあとで出てくるのでは?もし咬まれたらどうしよう・・という不安と恐怖を覚えていたのです。
結局その晩は、無理を言って二階の部屋に換えてもらいましたが、それでも安心できず、朝まで熟睡できませんでした。咬まれたわけではありませんが、私にとっては、おぞましい記憶のある動物なのです。
ムカデの家の中への侵入経路
ムカデはちょっとした隙間から家の中に入ってきます。
基本的には肉食系のムカデはエサを求めて徘徊するのですが、家の中にカビなどが生えていたりすると、そのカビの周りにダニなどが生息し、そのダニを狙いにやってくるのです。
暖かい湿度の高い場所を好み、またゴキブリなどを補食しますので、ちょっとした隙間を見つけては、えさの多い家の中に容易に侵入してきます。
特にお風呂場や洗面所、台所などがお気に入りの場所といえます。
また、ダニを目当てにやってくるゴキブリなんかもムカデにとっては好物。
こうして、家の中に食べ物の気配を感じるとムカデは侵入してきます。
人が気づかないような空気の流れを察知し、基礎部分の換気口やキッチン、洗濯機の排水溝の隙間や洗面所など。
あらゆるところにムカデの侵入口は存在するんです。
ムカデの侵入を防ぐには?
ムカデの侵入を防ぐには、外部からムカデの侵入を防ぐために隙間を塞がなければなりません。
でも、完璧に全部の隙間を塞ぐのは難しい場合もあります。
そんなときはムカデ退治用の粉などを家の周りに散布しておくのがお勧めです。
ムカデの動きの活発になる5~6月頃から撒いておくと安心です。
シロアリ駆除の薬を撒いておくと、他の虫の侵入も防げるので、エサを求めてムカデが侵入するのを同時に防ぐことが出来るようです。
家の中でムカデをみつけたら
それでもどこからか入ってきてしまったムカデがいたら、被害に合う前に退治してしまいましょう。
素手でムカデをつかむなんてことはもってのほかです。
原始的な方法としては、新聞を丸めてたたいたり、熱湯をかけたり、洗剤をかけたるというやり方があります。
ムカデが現れた場所にもよりますが、ケースバイケースで最適な方法を選択しましょう。
後は、市販の凍結殺虫剤でやっつけるやり方。
凍ってしまったらティッシュや新聞紙でとって捨てましょう。
ムカデについてのまとめ
ムカデの侵入口はいろんな隙間にある。
家の中の虫を減らせばムカデも入ってこない。
予防には家の周りにシロアリ駆除の薬を散布すると効果的。
退治する時は素手では触らないように!
万が一、ムカデに噛まれた場合にはステロイドの軟膏を!
皆さん、この季節くれぐれもご用心を!
(ライター ナオ)