昆虫の中には、まるで宝石やガラスのように美しいものがたくさんいますね。
昆虫ならではの美しさを持った種類も多いです。
その中に、美しい織物である「ビロード」の名を付けられた虫がいます。
それが「ビロードハマキ」。
ビロードは、滑らかでツヤがあり高級感漂う本当に美しい織物です。
そんな織物の名前が付けられているのですから、どんな美しい虫なのか期待大ですね。
私は虫全般が苦手なのですが…。
虫嫌いな人でも、美しい虫を見るだけなら平気だという人は多いですし、このビロードハマキも平気かもしれません。
というわけで、ビロードハマキはどんな虫なのか、生態などについて詳しく見ていきたいと思います。
ビロードハマキってどんな虫?
ビロードハマキはハマキガというガの仲間で、本州・四国・九州に生息しています。
しかし、羽を閉じている状態では、一見するとなんの虫なのかよくわかりません。
ちょっとカメムシのようにも見えるし、頭がどっちにあるのかすら不明です。
羽には黒地に白色の細かな斑紋がたくさんあり、羽の先だけが鮮やかなオレンジ色をしているのが特徴です。
でもこれ…ビロードっぽくない。
ビロードのようなツヤや滑らかな輝きは皆無です。
確かに鮮やかではあるけれど、美しいというよりは気持ち悪い・禍々しいという感想が先に出てきてしまいます…。
茶色い色味の多い日本のガの中ではかなり派手ですが、これは完全なる名前負けなのではないでしょうか。
斑紋はオスよりもメスのほうが大きいです。
一般的に、ビロードハマキの画像を検索して出てくるのはメスが多い感じがしますね。
オスの方は斑紋が小さい分、あまり禍々しさはありません。
どちらかというと、黒地に細かいラメが入っているようにも見えて少しきれいです。
もしやビロードハマキという名前はオスの方を見てつけられた名前なのでしょうか?
ビロードハマキの大きさは3.5~6cmほどで、同種の中では最大です。
見た感じ、1~2cmくらいの小さい虫かと思ったら、かなりでかいですね。
こんな禍々しくて大きなガが飛んで来たら、思わず叫んでしまいそう。
灯りに寄ってくる性質があるので、夜懐中電灯などを持って歩いていたら近くに飛んでくるかもしれませんよ。
ビロードハマキの幼虫
さて、そんな美しくも禍々しいビロードハマキですが、当然赤ちゃんの頃は幼虫です。
もしかして、赤ちゃんの頃からあんなに派手な見た目をしているのでしょうか。
実はビロードハマキの幼虫はとても普通。
全体的に緑がかった白っぽい体で、これと言って目立つカラーリングではありません。
まぁ美しい蝶にしろなんにしろ、幼虫時代は大抵が保護色で目立たない色合いです。
幼虫は素早く逃げることができないので、できるだけ見つからないような色合いになるのは当たり前ですね。
ビロードハマキの幼虫は、シイやカシなど様々な広葉樹に棲んでいます。
ハマキガは、幼虫が葉を巻いてその中に潜むことからその名前が付けられました。
ですので、ビロードハマキの幼虫も広葉樹の葉っぱを巻いてその中に潜んでいます。
くるっと葉っぱが丸まっていたら、ちょっと中を覗いてみてください。
きっとそこには幼虫がいるはずです。
もしかしたら、他のガの幼虫かもしれませんが…。
ビロードハマキ まとめ
期待したほどの美しさは無かったビロードハマキですが、目立つ虫としてはかなり高位にランクインするのではないでしょうか。
実際に見るとギョッとしますし、一度見たら忘れられないですね。
大量発生することもあるそうですので、もしかしたらビロードハマキが大量に飛び交う幻想的(?)な光景を見ることができるかもしれませんよ。
(ライター名 もんぷち)
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