パンダイルカは、その愛くるしい姿から老若男女あらゆる層から根強い支持を得ている、水族館の人気者です。
今回は、そんなパンダイルカを見ることができる国内の施設を、その生態とともにみなさんにご紹介していきます。
パンダイルカってどんな生き物?
パンダイルカは、その名のとおり、パンダのような白黒模様が特徴的なイルカの仲間です。
パンダイルカという呼び名は正式名称ではなく、本来は「イロワケイルカ」と呼ばれます。
クジラ目マイルカ科に属しており、水族館のイルカショーでお馴染みのバンドウイルカやカマイルカとは近縁であるといえます。
パンダイルカの生態
パンダイルカは、最大でも全長1.5m程度と、イルカの中でもかなり小さな部類に入ります。
体重も平均40kg前後と、人間の子供とあまり変わりません。
イカなどの軟体動物や魚類、カニやエビなどの甲殻類を捕食します。
パンダイルカの生息域は限られており、南アメリカ大陸南端の海域と南インド用に浮かぶケルゲレン諸島周辺の海域でのみ生息しています。
非常に好奇心旺盛で、飼育下では様々なおもちゃを使って遊びまわったり、野生下でも海面を活発に飛び跳ねたり、船を追いかける姿などが頻繁に目撃されています。
パンダイルカと人間との関わり
パンダイルカは、南アメリカ大陸南端に位置するチリとアルゼンチンにおいて、カニ漁の餌として用いられていたという悲しい歴史があります。
しかし、それは1970~1980年代までの話で、現在はまれに海岸近くの漁網にかかることもありますが、漁の餌や食用として利用されることはなくなりました。
小ぶりな体型とジャイアントパンダのような白黒模様は高い人気があり、パンダイルカを目当てに水族館まで足を運ぶという方も少なくありません。
パンダイルカに会いに行こう!
パンダイルカは、ここ日本でも見ることができます。
現在、パンダイルカの展示を行っている施設は、宮城県にある「仙台うみの杜水族館」、三重県にある「鳥羽水族館」、そして神奈川県にある「横浜・八景島シーパラダイス」の3箇所です。
特に、横浜・八景島シーパラダイスには、「ドルフィンファンタジー」というイルカをテーマにした水族館があり、広々とした円柱水槽を用いた迫力のある展示を楽しむことができます。
シーパラダイスで会える! サクラとスカイ
現在、横浜・八景島シーパラダイスでは、2頭のパンダイルカが飼育・展示されています。
「サクラ」は5才の女の子で、「仙台うみの杜水族館」から引っ越してきました。後期心旺盛なおてんば娘です。
「スカイ」は2才の男の子で、「鳥羽水族館」から引っ越してきました。意外と神経質なやんちゃ坊主です。
2頭がそれぞれ違う水族館から引っ越してきたのには理由があります。
「仙台うみの杜水族館」と「鳥羽水族館」で繁殖に参加していない2頭を、横浜・八景島シーパラダイスが保有する広々とした飼育施設を利用して将来的に繁殖にさせようという狙いがあります。
このように、国内のパンダイルカを保有する施設同士で互いに連携し合い、中長期的な計画が進められています。
鳥羽水族館で会える! 赤ちゃんイルカのリオ
2016年8月5日、ララ(25才、♀)とカイ(19才、♂)との間に赤ちゃんが誕生しました。
産まれたときの体長は推定70cm、体重は推定7kgほどの元気な男の子です。
産まれた赤ちゃんの名前を募集したところ、1,000通を超える応募が集まりました。
そして、決定した名前が「リオ」です。
2016年のオリンピックの開催地であるリオ・デ・ジャネイロにちなんでおり、応募数も3番目に多かったとのことです。
鳥羽水族館には、他にも2頭のパンダイルカが飼育されており、リオを含めると5頭のパンダイルカがいる計算になります。
みなさんも、パンダイルカを見に、足を運んでみては如何でしょうか。
(ライター:國谷正明)