ペンギンといえばかわいい動物として人間から親しまれていますよね。
ところが、このかわいいペンギンを食べてしまうという、なんとも恐ろしい生き物が「ヒョウアザラシ」というアザラシなんです。
このアザラシはいったいどのような生き物なのでしょうか。
ペンギンを食べるヒョウアザラシはどんなやつ!?
ヒョウアザラシは、食肉目アザラシ科・ョウアザラシ属に属する鰭脚類です。
体長はオスが2.8メートルから3.3メートル、メスは2.9メートルから3.6メートルで、体重オスが300キロでメスは500キロと、オスとメスで違いがあり、オスよりメスの方が大きいというアザラシです。
細長い体型をしていて頭部が大きく、鋭い吻端(ふんたん。動物の口先・頭部等の先端)を持っています。
口が大きくてものすごくあんぐり!という感じで開くので、ペンギンのような大きい動物でも食べてしまうんですね。
ちなみに、ヒョウアザラシの捕食シーンがネットの動画にありますが、これは閲覧注意です。
あのかわいいペンギンが食べられてしまう動画を見ることに躊躇してしまう人もいるでしょう。
顎が頑く鋭い牙があります。腹は明色の毛で覆われおり、白と黒の斑点があるので、これが「ヒョウ」という名前の由来になっています。
前肢がよく発達しているので、泳ぐ速度も速いです。
恐ろしい!ヒョウアザラシのペンギンの食べ方
ヒョウアザラシは南極大陸付近の海洋・流水、孤島等に、群れを作らず単独で生息しています。
もちろん肉食で、主食はエビに似ていて大群を作って泳いでいる「ナンキョクオキアミ」です。
ほかにはイカや魚、そしてペンギンなどの鳥類を食べています。
このように、アザラシの中では唯一、恒温動物を食べています。
さらに、ほかのアザラシやオットセイなど、なんと同じ鰭脚類も食べるんだそうです。
自分と同じ種族を食べるというのはちょっとおどろきですよね。
では、ヒョウアザラシはあの大きいペンギンをどうやって食べるのでしょうか?
まず岩に擬態して待ち伏せをします。これがすごい狡猾ですね。
そして、やってきたペンギンの脚に噛み付いて、振り回しながら海中に引きずり込みます。
さすがに丸呑みはしませんが、硬い歯と丈夫なアゴで振り回しながら引きちぎって食べてしまうのです。
なんと、1日に15羽ものペンギンを食べてしまうこともあるという、大食漢なアザラシです。
また、食べる気がなくて捕まえたペンギンをわざと放し、それからまた捕まえるなどして殺すこともあるそうです。
このようにいろいろな動物を食べて性格も荒いので、「海のギャング」「南極の王者」などとも言われています。
ヒョウアザラシは人間まで襲う!
ヒョウアザラシと人間の関わり合いについてなんですが、このような「海のギャング」、なんと人間を襲ったこともあるようです。
1985年に、探検家が南極付近の氷の上を歩いていると、その氷が割れてヒョウアザラシが飛び出してきて、右脚を噛まれたのです。
その探検家は幸い仲間によって助けられたので海中に引きずり込まれることにはなりませんでした。
しかし2003年には、海洋生物学者が海中に引きずり込まれて溺死してしまうという事件が起こっています。
危険なので水族館では見られません
ではこのヒョウアザラシ、水族館で見ることができるんでしょうか?
残念ながら、日本の水族館では見ることができないようです。
まあ、南極大陸に生息していて性格も荒いので、見られない・見たくない・危険という感じで見ないほうがいい感じで、水族館では見れないでしょう。
危険なアザラシを見たいという、めずらしい人もあまりいないでしょうね!
映像作家がヒョウアザラシと遭遇したとき、危険な目つきと大きな口がとても怖かったと言っていますから、お子さんなんかもよくくる水族館でそんな生物はやはりどうかと思いますよね。
アザラシの固定観念を覆す「海のギャング」
ペンギンや同属のアザラシまで食べてしまうという「海のギャング」「南極の王者」ヒョウアザラシについてでした。
アザラシもかわいい動物として知られていますが、ヒョウアザラシはそんなイメージを覆すようなアザラシですね。
(ライター:nabex)