その名のとおり、お団子のように丸々とした体つきをしたダンゴウオですが、はたしてわたしたちでも飼育は可能なのでしょうか。
今回は、そんなダンゴウオの飼育方法についてみなさんにご紹介していきます。
ダンゴウオの生態
ダンゴウオとは、カサゴ目ダンゴウオ科に属する魚の総称です。
ダンゴウオの代表格ともいえるフウセンウオや、アクアマリンふくしまのマスコットキャラクターとして有名なナメダンゴ、横綱団子魚の異名をもつダンゴウオ科最大種ランプサッカー、北海道や東北などで食用魚として人気の高いホテイウオなど、現時点でおよそ30種ものダンゴウオが確認されていますが、いずれも北半球の寒冷な海域に生息する海水魚です。
10~60㎝と大きさは種類によって様々ですが、全長に対してヒレが小さく、また底生性で浮袋をもたない為、ダンゴウオの仲間は総じて泳ぎが下手であるという特徴があります。
野生下、飼育下を問わず、吸盤のように変化したお腹のヒレで岩に張り付きじっとしている姿がよく観察されます。
ダンゴウオを入手する方法
ダンゴウオは海水魚に強いアクアリウムショップなどで販売されていますが、日本沿岸の海域にも少なからず生息しているため、野生個体を採取することも可能です。
ダンゴウオは冷たい水温を好むため、12~2月の厳冬期。
さらには夜間に活発に活動する習性があるので、太陽が沈んで暗くなってから探しに行けば、それほど苦労せずに見つけることが出来るでしょう。
真冬の夜にダイビングなんて危険きわまりない! と思われる方も多いかもしれませんが、わざわざ海の中を潜らなくても潮だまりで見つけることができます。
中潮から大潮の時間帯を見計らって採取に赴くのがおすすめです。
とはいえ、真冬の夜の海が危険であることには変わりありませんので、探しに行く際には十分な装備を整えた上で細心の注意を払うように心がけてください。
また、ダンゴウオをショップで購入する際ですが、一万円前後と価格も比較的高く入荷も決して多くないため入手は比較的困難です。
何軒ものショップに電話で問い合わせるなどして根気強く探す必要があるかもしれません。
ダンゴウオの飼育に必要なもの
まずは水槽ですが、ダンゴウオは小型種であるとはいえ水量が多いほど水質が安定しやすいので、最低でも30cmキューブほどの大きさは用意したいところです。
続いて濾過設備を用意します。
外部濾過やオーバーフローなど、十分な容量のある濾過設備を準備してください。
手軽さを求める方には、濾過設備と一体化した小型のオーバーフロー水槽がおすすめです。
底砂は必要ありませんが、ダンゴウオの隠れ家となる岩やライブロック、鑑賞用の照明などがあるとベターです。
飼育水は市販の人工海水を使用します。
ダンゴウオの水温管理
ダンゴウオを飼育する上で最大のネックとなる点が、水温管理です。
ダンゴウオの飼育に適した水温は15~20℃です。
冬場はまだしも、真夏にこの水温を保つことは容易ではありません。
エアコンと強力な水槽クーラーを併用するか、1℃単位で温度調節が可能な小型の温冷庫を使うと良いでしょう。
勿論、電気代にはそれなりの覚悟が必要です……。
ダンゴウオの餌
ダンゴウオは肉食性です。
野生下では小型の甲殻類などを捕食しています。
冷凍餌には餌付きにくいため、生きたヨコエビやイサザアミなどをショップから都度購入して与える必要があります。
しかし最近ではダンゴウオ向けの人工フードを販売しているショップもあり、そちらを利用するのもひとつの手かもしれません。
ダンゴウオの飼育方法まとめ
ショップでの入手は困難。厳冬期の夜間に潮だまりでの採取が可能。
ダンゴウオは冷水魚。
強力な水槽クーラーか小型の冷蔵庫を用意する。
ダンゴウオは肉食性。
活き餌か専用の人工フードを与える。
ダンゴウオの寿命は1~2年前後だといわれています。
短い付き合いかもしれませんが、たっぷりと愛情を注いで飼育してあげてください。
(ライター 國谷正明)