サスペンスドラマやミステリー小説でおなじみの毒物と言えば、「トリカブト」ですよね。

あまりそういったジャンルに詳しくない人でも、名前を聞けば「危ない毒を持った植物のことだな」と分かるほどに有名な毒植物です。

 

実はトリカブト、テレビや本の中だけの珍しいものではなく、その辺に生えていたり花屋で売っていたりもするんですよ。

そんな身近な植物だったなんて知らなかった人も多いのではないでしょうか。

 

トリカブトについて詳しく知っておかなければ危険を回避することはできません。

ですので今回はトリカブトの種類や実際に起きた事件などについて紹介していきたいと思います。

トリカブトの種類

トリカブトは日本三大有毒植物の一つと言われており、国内では約30種類が自生しています。

代表的な種類が「ヤマトリカブト」と「ハナトリカブト」。

ヤマトリカブトは中部地方から東北地方にかけて分布しており、低めの山野で生育するため目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

単にトリカブトというと、このヤマトリカブトを指すことが多いようです。

 

8月~10月に青や紫のかわいい花を咲かせますが、花が咲いていない状態のものはヨモギなどの野草と見分けがつきにくく、誤食してしまう事故も起こっているので注意が必要です。

ハナトリカブトは園芸用の品種として売られている品種です。

 

こちらも7月~9月にかけて青や紫の花を咲かせます。

園芸用と言っても、その毒性は自生しているものと同様にとても危険。

花壇や鉢に植えているものを誤って食べることは無いと思いますが、取り扱った後にはしっかりと手を洗うなどして、万が一にも毒が体内に入らないように気を付けてくださいね。

 

その他の品種も基本的に見た目や毒性に大きな違いはありません。

花の色は白や黄色など様々ですが、花が咲いていればトリカブトだと見分けることはそう難しくないでしょう。

トリカブトの毒性

トリカブトは植物全体に毒があり、特に根の毒が強いと言われています。

含まれているのは「アコニチン」という毒で、摂取してしまうと呼吸困難、嘔吐などの症状を引き起こし、ひどい場合は臓器不全や心停止に陥り死に至ります。

採集時期や場所によって毒の強さは多少異なりますが、致死量は0.2グラム~1グラムと少量なのでどっちにしろかなり危険。

即効性のある毒なので、摂取量が多ければ口にしてから数十秒で死亡することも…。

噂にたがわぬ恐ろしさですね。

 

しかもトリカブトの蜜や花粉でも中毒を起こす可能性があり、養蜂家もトリカブトが生えている近くではハチミツを採集しないなどの対策をしているそうです。

こんな恐ろしい毒植物がその辺に生えているかもしれないんだから怖い。

トリカブトの毒による事件

トリカブトの毒による殺人事件は、テレビや本の中だけの話ではありません。

1986年、実際にその毒を利用した恐ろしい殺人事件が起こっているのです。

 

この事件の犯人は3回結婚しており、その3回とも妻を不可解な症状で亡くしています。

既にお分かりかと思いますが、犯人はトリカブトの毒を使って3人の妻を殺害していたのです。

動機は保険金目当て。

 

しかもクサフグの毒を混ぜて使用したことで、トリカブト毒の特徴である「即効性」が見られず、事件は難航。

もう少しで完全犯罪になってしまうところだったそうです。

トリカブト まとめ

トリカブトはとても身近な植物です。

それゆえに痛ましい事件や事故もたくさん起こっています。

 

みなさんもトリカブトを見かけた際には、取り扱いに十分注意してくださいね。

間違っても人の口に入るような事件や事故を起こさないように…。

(ライター名 もんぷち)

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