何だか美味しそうな名前のするコスモス、チョコレートコスモス。

今回はそんなチョコレートコスモスについてのお話です。

チョコレートコスモスの特徴

チョコレートコスモスはキク科コスモス属の多年草です。

高さは40~50㎝程になるメキシコ原産の花です。

1902年から栽培が始まり、日本には大正時代に渡来したと言われています。

原種のチョコレートコスモスは野生下では絶滅したとされています。

 

葉に切れ込みは無く、コスモスの印象とはだいぶ異なりますが、フラワーアレンジメントや花束に多く使われています。

チョコレートコスモスの花

チョコレートコスモスの花は8~10月にかけて咲きます。

黒紫色で一重咲き、花からはチョコレートのような香りがするのが特徴ですが、香り自体はそれほど強いものではありません。

 

花弁の質感はビロードのようで、とても上品な花びらを8枚咲かせます。

近年、キバナコスモスとの交配種であるストロベリーチョコレートが開発され人気になりました。

チョコレートコスモスの種類

香りが強く、最も黒に近い花で高冷地の栽培に適したコスモス・アトロサンギネウスやキバナコスモスとの交配で誕生した赤花の交配種、ノエル・ルージュ、オレンジ色がかすり状に混じった花色が珍しい交配種のキャラメル・チョコレートは切り花にも向いています。

 

コスモス・アトロサンギネウスに最も近い姿の交配種のショコラは栽培がとても簡単でコンパクト。春から秋まで咲きます。

チョコレートコスモスの栽培

チョコレートコスモスの生育期である4~11月は日当たりのよい戸外で管理するのがベストです。

 

原種のチョコレートコスモスは7~9月まで半日陰で管理するのが良く、日当たりと風通しが悪いと徒長して花付きが悪くなり、うどんこ病が発生しやすくなります。

 

12から3月の休眠期は地上部が枯れてなくなり、鉢植えは凍らない場所で庭植えの場合は株元をマルチングするなどして凍結させないように管理します。

 

球根を乾燥させると枯れてしまうので、冬の間も彫り上げずに管理すると春になれば再び新芽が出てきます。

 

水やりは4~11月、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにして12~3月は少々乾燥気味に管理します。球根を完全に乾かすと枯れてしまうので、注意が必要です。

 

肥料は5~10月に緩効性の化学肥料を与えます。原種の場合は7~8月は肥料を与えずに育てます。

 

ウドンコ病とアブラムシ、ホコリダニなどがつく場合があります。

ウドンコ病は4~11月に発生しやすく、特に春と秋に多発。株が蒸れると発生しやすいので、風通しの良い場所で管理し、液体肥料をこまめに葉面散布し発生を抑えましょう。

 

アブラムシの発生は4~11月。

見つけ次第防除しましょう。

 

ホコリダニは高温乾燥が続くと発生して、新芽を委縮させるので、多発した株は切り戻すのが賢明。

 

水はけの良い有機物に富んだ用土が適します。

植え付けの適期は5~8月で、庭植えする場合は日当たりのよい場所を選びましょう。

 

鉢植えにする場合は6号鉢以上の大きな鉢に植え付け、4~5月になったら植え替えをします。

 

交配種は5~8月で、原種のチョコレートコスモスは5~6月に行います。先端の芽を2節に切り、鹿沼土などの挿し木用の土にさします。

 

分球する場合は茎に球根が繋がった部分に芽があるので、少し伸びた目を確認して分割します。

分球した切り口から腐りやすいので上級者向けの増やし方になります。

 

8月中旬には根元から10~20㎝の高さで切り戻しをし、出来るだけ各枝に緑の葉が残るようにしましょう。

 

花柄摘み、花茎切りは5~11月に行います。

花がらや咲き終わった花茎はウドンコ病の原因になるのでこまめに取り除きましょう。

(ライター ナオ)