クマバチは地域によってクマンバチと呼ばれることもある、よく見かけるハチです。
体が大きく針も持っているためその危険性が気になるところです。
特に毒性について、いったいどれくらいの強さなのかが重要になってきます。
クマバチの生態
クマバチはハナバチの一種です。ハナバチとは、蜜を吸って蓄えるハチのことを指します。
そのため知名度の高いもので言うとミツバチもこのハナバチに含まれており、クマバチとは仲間と言えます。
生物学上の分類においてもクマバチはミツバチ科に属しており、生態もやや似ているところがあります。
ミツバチと似た種類でありますがサイズ感は全く異なっており、体長は3センチほどにもなるので遭遇した場合には少し怖さを感じることもあるでしょう。
体は全体的にずんぐりしており黒っぽいです。日本には全国的に生息しており、5月から10月ころにかけて花の近くで見かけることが多くなります。
カスミザクラやフジ、ニセアカシアの花の近くに現れることが多く街中で見ることもそれほど珍しくありません。
またハナバチは、花の蜜を吸うだけで花に対して不利益を与えているということではありません。
クマバチを含むハナバチは通常、蜜や花粉を食すため初夏から秋にかけて様々な花を訪れることになりますが、このとき体に花粉が付着することによって運搬の役割を果たしていることが多いです。
そのため花にしても受粉を手伝ってくれるという利益が得られます。
しかしクマバチはその体の大きさに伴って蜜を吸う力も強いため、場合によっては花粉の付着しない花の根本から穴を開けて食事をすることもあるので必ずしも植物に利益をもたらしているというわけでもないようです。
クマバチの毒性
スズメバチを代表に、ハチには危険なイメージを持っていることが多いです。特にクマバチは体の大きさに加えて飛行時の音が大きく、恐怖心が煽られます。
しかしその性格は実は温厚でスズメバチのような危険性はありません。
人間に対して襲い掛かってくることなく花を探して飛び回っていることがほとんどで、農業者からすると益虫としての扱いがされます。
オスに関しては行動が比較的活発で、交尾のためメスを求めているときには確認のため近づいてくることがありますが、オスには針もないため全く心配することはありません。
メスに関しても毒針を持っているものの毒性は弱くそれほど危険な虫とは言えないでしょう。
注意が必要なことは過去に刺されたことがある場合です。体質によってはアナフィラキシーショックを起こす可能性がないとは言い切れないのです。
アナフィラキシーショックが起これば呼吸困難や失神、嘔吐など様々な症状が現れるのでハチに刺された経験があれば病院で診てもらう必要があるでしょう。
基本的に人に攻撃してくることはありませんが、こちら側から刺激すると向かってくることはあります。
毒性があまりないと言っても体の大きさに見合った針を持っているので刺されると単純に痛いです。問題は針が体に刺さったまま抜けた場合の対処法ですが、無理に触ると奥に進んでしまって取りにくくなり最悪体内に入り循環してしまうことがあるのでピンセット等で抜いて綺麗に洗い流しましょう。
クマバチは毒性の弱い穏やかな性格
クマバチに対しての認識は、刺されたときにやや注意する程度で、大きなミツバチという感覚で良いでしょう。
ポイントは過去に刺されたことがあるかどうか、そして針をちゃんと抜くこと、むやみに刺激をしないことです。
オスであれば針もなく、ホバリングしていることが多いので危険なく観察もしやすいと思います。
こうして観察してみると見た目や大きさだけでその性質は判断できないということが分かることでしょう。