クマバチというミツバチを知っていますか?
クマバチはクマンバチともいわれ、スズメバチと混同されがちですが、実際は日本固有のミツバチ。
今回はそんなクマバチについて詳しくお話ししていきます。
クマバチの特徴
クマバチはミツバチ科クマバチ属に属する昆虫の総称ですが、北海道から球種にかけて広く分布しているキムネクマバチのことをいうこともあります。
体長は2㎝ほどで、ずんぐりとした体形をしています。
胸部には細く細かい毛が多く、全身が黒くて翅も黒色です。
胸部の毛は黄色いので良く目立ち、体の大きさの割には小さい翅を持っています。
翅はかすかに黒く、メスは顔全体が黒くて複眼は切れ長です。
額は広く、顎も大きいので全体に頭が大きい印象を受けます。
オスは複眼が丸くて大きく、狭い額に黄白色の毛が密生していて、全体に小顔の印象です。
クマバチの生態
クマバチの活動期間は晩春から中秋頃までで、寿命は1年程度です。
大きな音を立てて安定した飛行をします。
食性は花の蜜や花粉で、初夏~秋にかけては様々な花を訪れます。
丈夫な頸と太い口吻を生かして花の根元に穴を空けて蜜だけを得る盗蜜も良く行い、この頑丈な頸はクマバチの特徴的な形態のひとつです。
藤はクマバチの特に好む花です。
とても硬い構造をしており、その固さで蜜を守っています。
クマバチが花に止まって蜜を飲もうとすると初めて固い花ビラが開いて隠れていた花柱と葯が出てきてクマバチの胸部や腹部に接します。
これらの花はクマバチ媒花とも呼ばれ、トケイソウ科のパッションフルーツやマメ科のフジ、ユクノキなどがこれに当たります。
オスは縄張りを形成します。
縄張り内では低い位置でホバリングし、近づく虫を全て追跡してメスのクマバチかどうかを確かめます。
初夏、メスが太い枯れ枝や木造家屋の垂木などに細長い巣穴を掘り、中に蜜と花粉を集めます。
蜜と花粉団子を幼虫1匹分ずつ丸めて産卵して間仕切りをするので、一つの巣穴に一列に複数の個室が並ぶような形になります。
夏のうちに羽化する子供は未成熟で亜成虫と呼ばれます。
これらの亜成虫はしばらく巣に残って親から花粉などをもらい生活をします。この時、巣の入り口にいると、天敵の侵入を妨げる効果があり、通常の単独性のハナバチなどには見られない成虫同士の同居蛾成り立っています。
これは亜社会性と呼ばれ、ミツバチやマルハナバチなどの真社会性につながる社会性への中間段階を示すものだと考えられています。
クマバチの危険性
クマバチは体が大きく、羽音も大きいので獰猛な種類として扱われることが多いのですが、性質はとても温厚。
ひたすら花を求めて飛び回り、人間にはほとんど関心を示しません。
オスは比較的行動的ですが、針がないので指すことはありません。
メスは毒針を持ちますが、メスがさすのは人間が巣に近づいたり、個体を驚かしたりする場合だけで、例え刺されたとしても重症化することはありません。
しかし、アナフィラキシーショックにだけは注意が必要です。
クマバチの種類
クマバチの種類には以下のようなものがあります。
先ほど紹介したキムネクマバチ、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチ、オガサワラクマバチ、タイワンタケクマバチ、。
人間とクマバチの関わり
大形の体に似合わない小さな翅は研究者たちの興味をひいてきました。
航空力学的には飛べるはずのない形であるのに、飛べているとされて長年、その飛行方法については大きな謎でした。
現在はそれが空気の粘土を計算に入れることで解決され、証明されていますが、そんな過去もあって「不可能を可能にする」象徴となってきた経緯があります。
実際スポーツチームや会社のシンボルマークとして使われることもあります。
(ライター ナオ)