「モンクロシャチホコ」という蛾をご存知ですか?
モンクロシャチホコは幼虫がとても厄介なんですよ。
人間にとっては毒もなく、刺されることもありませんが、桜の木にとっては大害虫です。
そんな「モンクロシャチホコ」の生態について調べてみましょう。
モンクロシャチホコとは?
「モンクロシャチホコ 」とは、チョウ目シャチホコガ科に属している蛾です。
日本では北海道、本州、四国、九州に生息しています。
モンクロシャチホコの幼虫は、体に刺激を受けるとしゃちほこのように体が反るので、それが名前の由来になっているそうです。
モンクロシャチホコの成虫の大きさは、開張時でオスは48~50mm、メスは50~52mmです。
ベージュのような体の色をしていて、青色とえんじ色の模様があります。
モンクロシャチホコの成虫は、見る角度によって背中の模様が人の顔に見えることから「人面蛾」とも呼ばれています。
モンクロシャチホコの成虫は口が退化しているので、何も食べません。
モンクロシャチホコの幼虫
モンクロシャチホコの幼虫は、桜の木の葉っぱを食い尽くす害虫です。
夏に桜の木に付いている毛虫はほぼ、モンクロシャチホコです。
その他にはアンズ、ナシ、リンゴ、シラカバ、カエデなどの葉っぱも食べます。
モンクロシャチホコは大食いなので、1本の木の葉っぱがなくなるぐらい食べてしまいます。
6~9月に発生し、被害をもたらします。
卵から生まれたばかりのモンクロシャチホコの幼虫は赤褐色です。
成熟した幼虫の体長は約50mmで、黄色の毛がたくさん生えている茶色や黒色の毛虫です。
越冬するために、秋になると木から地面に降りてくるんですよ。
この幼虫はコーヒー豆のような糞をするので、木の下や周りが汚れます。
モンクロシャチホコの駆除方法
モンクロシャチホコの幼虫は桜の木などの葉っぱを食べます。
しかもとっても大食いなので、桜の木をまるまる1本、すべての葉っぱを食い尽くします。
6~9月頃、モンクロシャチホコの幼虫が動き出す前に薬を撒きましょう。
オルトラン水和剤、ディプテレックス乳剤、カルホス乳剤などを薄めて使用してください。
モンクロシャチホコの幼虫が木の枝先で集まっている場合は、枝を切り落とすのもアリです。
モンクロシャチホコは美味しいの?
実は、モンクロシャチホコは食べられるそうなんです。
昆虫料理研究家の方やその他一般の方が、インターネット上で紹介しています。
モンクロシャチホコは食べると「桜の香り」がするそうです。
皮は弾力があります。
中身はジュージーで、肉汁が美味です。
蟹のエキスのような感じだそうですよ。
毛が意外にも気にならないそうです。
モンクロシャチホコの料理方法
モンクロシャチホコを生きたまま獲ってきます。
そのモンクロシャチホコをそのまま軽く茹でたら下ごしらえは完了です。
(軽く茹でたものは冷凍保存できます)
焼いたり、揚げたり、炒めたりして食べてください。
味付けすると、モンクロシャチホコの毛に味がよく絡みます。
毛が気になる方は、少し毛を焙るといいそうですよ。
醤油と砂糖で甘辛くしたり、ぽん酢で食べてもOKです。
モンクロシャチホコの生態について まとめ
モンクロシャチホコの生態について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
モンクロシャチホコの幼虫である毛虫は、桜の木の葉っぱを食べてしまう害虫です。
ですが、モンクロシャチホコの幼虫は食べられるということがわかってビックリしました。
しかも桜の香りと旨みが口の中で広がって、とっても美味だと評判です。
見た目は黒くて毛だらけの毛虫なので、食欲などわかないのですが、やはり何事も見た目ではわからないことがたくさんありますね。
(ライター 雲呑)