どこからともなく現れる紙魚は、気味が悪いためにどうしたらいなくなるのか対策が求められているようです。
ラベンダーの精油が効くという話は本当でしょうか。
シミについて
シミは昆虫の一種です。現存する多くの昆虫は翅をもちますが、シミは翅がありません。
シミ目シミ科でよく見られるのはヤマトシミのようですが、種類が違ってもシミの姿や生態は似通っています。
シミは卵生ですが、古くから家の中で発見されるため一般家屋にあるものを餌としていると考えらえており、また実際にそのようなものを食べているようです。
特に古い本などから出てくる事が多いとされ、紙魚、という漢字が当てられています。
質のよい衣類にもつくようで、衣魚ともされたりします。魚がつくのは紙魚の移動の仕方が体をくねらせるようにするからだそうです。
シミの体長はだいたい1cmで、明るいところは苦手です。
急に光があたると意外に速く逃げます。体には鱗粉の様なものがある為、たまにきらりと光って見えます。
脚は全部で6本ですが、頭の部分に長い触角があり、全体的に細長い脚が多くある虫に見えます。
シミは変態をせず、脱皮を繰り返して7,8年程生きるといわれています。
紙魚の食べ物
紙魚を駆除するには、紙魚の食べ物になるものを家屋から出せばいいのではないかと考えられます。
紙魚の食べるものは多様です。成虫なら一年ほどは何も食べなくても生き延びます。
古書を食べるともいわれますが、小さい虫が本から出てくれば全て紙魚かというとそうでもない事もあるようです。
本といっても製本部分に使用される糊を好むともいわれます。
段ボールやでんぷんを好むとも、ほこりも食べるなどともいわれます。
昔からある掛け軸や和服、壁紙などを食べたり、最近では建物の配管の中や地下室などからも発見されるようです。また、小麦や穀類などの加害もあるようです。
人を噛む事も毒があるわけでも病気を媒介する事もないのですが、畳に置きっぱなしの家具の隙間から突如現れたりすることから、生態もわからず薄気味悪い生き物ですね。
紙魚の活動時期は、ほぼ一年中ですが気温が7度以下になると、活動しないようです。
紙魚対策について
紙魚を屋内で活動させないために、アロマテラピーに使われるラベンダーが効くのではないか、という話があります。
ラベンダーはシソ科のラベンダーの花と葉から抽出された精油です。
箱や瓶に記載された商品名を見ると、ラベンダーの精油にはいろいろなものがあります。
ポピュラーなのは真正ラベンダー(lavandula angustifolia)という種類かもしれません。
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単にラベンダーと書いてある場合も多いと思います。
主成分は酢酸リナリルなどです。ラベンダーの精油には300種を超える成分が含まれており用途が多彩です。
ラベンダーは痩せた土地や山岳に自生し、主な産地はフランス、ブルガリアなどです。産地や精油の抽出時期により香りや成分に大きな違いがあります。
アロマテラピーで使用される精油は、日本国内で販売している場合今のところ雑貨扱いになっています。
その為、販売方法や効能などの表記は明確ではない事があります。単にアロマオイル、とされている場合は合成香料である場合もありますので、精油を使用したい場合はその植物の学名が記載されているかどうかを見るといいかもしれません。
また、精油をカタカナ表記にすると、アロマオイルではなくエッセンシャルオイルとなります。
ラベンダーが紙魚に効くのか?
確かにラベンダーには虫避けに効く成分も含まれてはいます。
それらが紙魚に対してどの程度影響を及ぼすかは、はっきりとはわかりません。
紙魚は見た目が気持ち悪く、一度見てしまうともっといるのではないかと気になる場合も多くあると思います。
その気持ちを多少なりとも落ち着かせるために、家具と壁の間の掃除を念入りにした際にコットンに2、3滴たらしたものを置いてみるというのは対策にはなると考えられます。
あるいは紙魚が出そうな部屋の壁にドライにしたラベンダーをかけて、更に精油を数滴垂らすという、あたかもインテリアの一部のようにしてみるといった方法も考えられます。
虫避けにはリナロールという成分も効果があるようなので、ゼラニウムも加えるとよりいいかもしれません。
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紙魚に効くかもしれない精油について
精油には防虫効果のあるものがいくつかあり、中には着色するものもあります。
色の濃い精油が白いハンカチなどに付くとそれこそシミになりますから、よく確かめてから使ってください。
防虫効果のある精油はヒバ、ローレル(月桂樹)、スパイクラベンダー、レモンユーカリ、レモングラスなど沢山ありあます。
この中でシミになるかもしれないのは、ローレルです。香りも独特です。
あとは虫避けとしておすすめなのは、クローブとベチバーです。
これらは粘度が高く着色する事もあり香りも強いものですが、比較的香りが長持ちするタイプの精油です。
また、精油で虫避けスプレーを作る場合、香りが長持ちする種類のものを入れると持続時間は多少長くなります。
一番揮発するのが早いのは柑橘系です。ラベンダーも香りの持ちはまぁまぁですが、合成のものと比べてしまうとかなり早く香りがなくなります。
その為、せっかく作ってみても意外に沢山スプレーしてしまい、あっというまになくなってしまうという事もあります。
その為にベースとなる重めの香りとして、ヒバ、ローレル、あるいはクローブ、ベチバーなどもおすすめです。
また、ゼラニウムも意外に重めの香りです。女性の方にはいいかも知れません。
虫避けスプレーの作り方は検索すると沢山出てくると思います。
虫避けが目的の場合、無水エタノール10ml、精製水90mlに対して10~20滴くらいです。
遮光瓶に入った精油は、多くの場合一滴が0.05mlになるようにできています。
スプレーの濃度は1.0%が目安です。全体量が50mlの場合は10滴、100mlの場合は20滴です。
濃度が高ければよいものでもありませんから、好みや体調で加減してください。
紙魚のような虫を発見してしまった場合、それが紙魚かどうかすぐに判断する事が難しく違う虫である事もなくはないようですから、衣替えや大掃除の時に虫避け対策として精油を使ってみるのも一つの手かも知れません。
虫避けとして精油を用いる場合、揮発性があるので定期的に追加するとよいと思います。
紙魚対策について
ラベンダーの精油が紙魚対策にとてもよく効くかどうかは何ともいえないところです。
紙魚の生態がはっきりせず、具体的に何が紙魚にダメージを与えるか特定しにくい事もありますし、精油の持つ作用はすぐに分かりにくい場合、または効果に気付きにくい面があるからです。
ラベンダーの香りは一般に鎮静作用に優れるとされますが、高濃度で使用すると人や状況により覚醒効果をもつ事もあります。
アレルギー体質の方には良くない場合もあります。
精油のように100%天然由来のものは、効能や効果が一般化できにくいものです。
紙魚については、まず部屋の掃除をこまめにしておく事が一番の対策になるでしょう。
(ライター:おもち)