家庭内において害虫とされる代表的なものとしてゴキブリがよく挙げられますが、実はもう一つ家庭内に潜んでいる害虫として紙魚という虫がいます。
紙魚の生態
ビジュアルも紙魚が嫌われている大きな理由で、これが家の中で現れることに嫌悪感を持つ人は多いです。
ゴキブリにも負けていない嫌われようですが、出現率がやや下がるため知名度はそれほどではありません。
しかし、精神的な面では同様に害虫として扱われているものの、毒や病気を運ぶこともなくその実害はそれほどでもありません。
害があるとすれば、その名称の由来でもある、紙を食べる性質にあるでしょう。
紙を食べるということは障子や本を食い荒らしてしまうこと、さらに衣類にもかじりつくことがあります。
さらにその動きはすばやく、うねうね移動するのでこれらの性質を合わせて「紙魚」と名付けられたそうです。
数ミリから1センチほどの大きさのものが多いですが、紙魚の成長は脱皮をすることで行われています。
また紙魚は無変態と呼ばれる生物で、これは成長の段階ごとに体の形態がほとんど変化しないことを意味します。
そのため紙魚は脱皮をすることでサイズだけが徐々に大きくなり、しかも成虫後も成長が続くため一生脱皮を続けるのです。
紙魚が現れる季節
多くは夏場に現れます。その理由は紙魚が湿気を好み、また気温も高いほうが過ごしやすいためです。
湿気と暖かさがそろえば繁殖もしやすく、出現率も高くなってくることでしょう。
主な季節は夏ですが、条件さえそろえば年中現れる可能性もあり見たくない人は対策が必要となります。
一匹見つかれば大量に潜んでいるかも
紙魚の生命力と繁殖力は強いです。ゴキブリにも同様のことが言われており、一匹見つけたころにはすでに多くのゴキブリが潜んでいると考えられています。
紙魚についてもこれと同じように考えたほうがいいでしょう。
しかし紙魚と他の虫との大きな違いは寿命の長さです。
ゴキブリであれば約1年が寿命と言われ、毎年世代交代していると考えられますが、紙魚は7年や8年近くは生きるとされ、放っておくとますます増えていってしまいます。
しかも恐ろしいことにしっかりと予防をしてもすでに発生した個体については1年ほど食事をしなくても生き延びることができるため自然に死んでしまうことも少ないと言えます。
紙魚対策
見慣れていない人が発見した場合そのショックは大きいと思います。
動きの速さもあるため捕まえにくく、できれば発生前から予防をしていきたいところです。
紙魚への対策もゴキブリと似ているところは多いです。
湿気や気温の高さの他、暗い場所を好む性質も同じだからです。
基本的な予防策としては掃除をしっかりと行い清潔さを保つこと、そして湿気を取り除くことです。
特に生息場所となりやすい書棚やタンス、押し入れなどは湿気やほこりもたまりやすいので注意が必要です。
冷蔵等の家電は熱がこもりやすく掃除もしにくくゴミが放置されがちです。
このような場所もしっかりと掃除するようにしましょう。
あとは餌となる紙類、段ボールや紙袋は捨てるようにすると良いでしょう。
それでも出てきたときには殺虫スプレーで十分に効果が期待できるのでそれらを常備しておくと安心です。
またバルサン等の殺虫剤も効果があるようなので心配な人は使用してみても良いでしょう。
一匹でも紙魚を見つけたら覚悟が必要
絶対とは言えませんが、一匹でも見かけてしまった場合その他いくつかの紙魚がいる可能性は高いです。
ですがその段階からしっかりと予防を行えば以降の出現を抑えられるかもしれません。
本や衣類を傷つけられないためにも普段からの掃除を心がけるようにすると良いでしょう。