皆さんはフタモンアシナガバチという生き物を聞いたことがありますでしょうか。

実はこれ、まったく珍しい生き物ではありません。

 

きっと一度は見たことがあると思います。

今回はこのフタモンアシナガバチについて紹介し、危険性についても触れていきます。

フタモンアシナガバチの生態

名称にもあるように、フタモンアシナガバチはアシナガバチの一種です。

ハチの仲間でよく聞く種類と言えばこのほかスズメバチやミツバチなどがいます。

このうちミツバチに関しては別の分類をされるハチですが、スズメバチとアシナガバチは広い意味では同じ仲間とされています。

両者ともスズメバチ科に属しており、この中で細分化されています。

 

アシナガバチの中でもフタモンアシナガバチを含めて現在1000種以上もの数が確認されています。

日本に限定しても11種が存在し、一般的によく見ることのできる種類は3種ほどです。

 

フタモンアシナガバチはこのうちの3種であり、これらは細かい分類をすることなくまとめて「アシナガバチ」と呼ぶことが多いです。

そのためフタモンアシナガバチという名前を知る機会は少なく、見ることはあるものの知名度は低くなっているのです。

 

「フタモン」が名前にある理由は、外見によるものであり、お腹部分に2つの黄色い斑があるのが特徴です。

また比較的様々な環境に適応できる種のため、生息域は全国に広がり北海道においても南部であれば生息しています。

このうち市街地では特に見かけることが多く、一般家庭における庭で出現することも珍しくありません。

アシナガバチの種類のまとめ

ライフサイクルについて

フタモンアシナガバチは春から秋にかけては見ることがあるものの冬にはほぼ見なくなります。

基本的にオスは越冬できないということもあり、女王バチとなるメスが越冬し巣を作ることで次の世代へとバトンを渡していくのです。

 

冬を超えたメスは暖かくなりはじめる3月や4月に巣作りをしますが、巣の特徴として垂直な壁に横向きに作るとされています。

巣ができればすぐに産卵し、その後約1か月かけて孵化し成虫へと進化していきます。

6月から9月ころには繁殖が盛んに行われ、その後冬間近となる11月までは見ることができます。

危険性について

ハチに対しては危険なイメージを持っていることが多いです。刺してくることや、毒を持っている種類も多いからです。

攻撃的なものもおり、ハチによる怪我もよくあります。

 

スズメバチなどはこうしたイメージを生んでいる代表的な種で、危険性は高いといえます。ではフタモンアシナガバチについてはどうでしょうか。

実はアシナガバチはスズメバチと生態は似ているものの攻撃性はあまり持っていません。

 

こちらから刺激を与えるようなことをしなければ刺されることもほぼないと言われています。

このようにおとなしい性格で、重大な事故が起こる可能性は低いですが毒は持っているので注意は必要です。

 

アナフィラキシーショックが起こることも十分に考えられるので一度刺されたことがある人は特に注意が必要です。

フタモンアシナガバチに攻撃される可能性のある、いくつかのケースがあります。

 

気温が下がってくる秋の終わりころには、越冬のため暖かい場所を求めて布団などの洗濯物に紛れ込んでくることがあります。

このことに気づかず洗濯物を取り込もうとすると、知らず知らずのうちに刺激してしまい、危険を感じたフタモンアシナガバチが攻撃してくるといったパターンです。

この他好奇心旺盛な子供が触ろうとしてしまい刺されるケースもあるようです。

フタモンアシナガバチ危険性は低いが注意は必要

気づかないうちに刺激してしまうパターンは避けるのが難しいため、毎年家の近くでよく見かけるような人は日ごろの注意が必要でしょう。

この他、むやみに触ろうとしなければ特に危ない生き物ではないと言えます。

アシナガバチの種類のまとめ