山菜やキノコの時期、ヒグマやツキノワグマに襲われたという事件は毎年のように報告されます。
それだけ私たちの生活に身近な存在の熊ですが、彼らにはとって天敵はいないのでしょうか?
熊の特徴と生態
熊は食肉目クマ科を構成している動物の総称です。
世界にはそれぞれの地域に8種類の熊が生息しています。
日本には北海道にヒグマ、本州にツキノワグマの2種類だけが生息しています。
最大種はホッキョクグマで体長は200~250㎝、体重は300~800kg。
次いで大きいのがヒグマです。ヒグマの体長は100~280㎝、最大重量は780kgほどです。
最小種はマレーグマで体長は100~150性んち、体重は27~65kgほどしかありません。
一般的に密に生えた毛皮と短い尾、太くて短い4本の肢があり、イヌの7倍もの臭覚を持っていると言われています。
頭部は大型で目や耳は小型で丸みを帯びていて、視力は弱い種類が多く、顎が発達しています。
長く湾曲した出し入れできない鉤爪があり、この爪は物を引き裂いたり、掘り起こすのに適しています。
木登りや穴掘りに優れた形状をしていて、マレーグマ属以外は肉球を除いた足裏が体毛で覆われています。
熊は主に山岳地帯や森林に生息、ホッキョクグマだけは氷上に生息しています。
秋期に豊富に栄養をとって、冬期に冬ごもりを行う種類もいます。
冬眠中の熊は体温が下がり、呼吸や心拍数が減り、エサや水を口にしなくなり、排泄や排尿もしなくなります。
食性は雑食で植物傾向が強い種類と動物傾向が強い種類がいます。
ホッキョクグマやヒグマなどは動物食傾向が強く、ジャイアントパンダやメガネグマは植物傾向です。
成獣のメスは7~8ヵ月の妊娠期間を経て約1~4頭の子供を出産します。
熊の天敵
熊の天敵は熊自信と言われています。
他の動物に捕食されることはありません。
メスの熊は子育て中とても凶暴になります。
巣穴や子熊に近づくあらゆる生物に対して、身を挺して子熊を守ろうとし、攻撃的になります。
ヒグマはとくに共食いをすることも知られており、成獣のヒグマが幼獣のヒグマを襲って捕食してしまうことが知られています。
ツキノワグマの生態
ツキノワグマは本州の45%の地域に生息しています。
ツキノワグマは胸の部分が白く月形やV字型の模様が入っているのが特徴ですが、中には模様のないものもいます。体長は110~130㎝、体重はオスで80㎏、メスは50㎏程度。
1967年に宮城県で捕獲されたツキノワグマで220㎏という記録も残っています。
牛のように反芻器官が発達しているわけでもないクマは、柔らかいものを好んで食べるようで、季節によって食性が変わっていきます。
春には柔らかな植物の新芽や葉っぱ、夏にはアリやハチ、サワガニなどの昆虫や甲殻類、ハチミツなどもたべるようです。そして秋になるとドングリや甘い果実などを食します。
特にブナ類には脂質とたんぱく質が豊富に含まれていて、ブナの実は好まれるようです。
逆に繊維質で硬い植物は避ける傾向にあります。
クマの食性の調査では、およそ90種類ほどの植物や昆虫を食べていたというデータも残っています。
時には鹿などの死骸も食べるそうです。
ツキノワグマは夏は高度3,600mほどの高地まで移動しますが、冬になると低地に降りてきて冬を越します。
熊の特徴と天敵に関するまとめ
世界にはそれぞれの地域に8種類の熊が生息している。
日本には北海道にヒグマ、本州にツキノワグマの2種類だけが生息している。
食性は雑食で植物傾向が強い種類と動物傾向が強い種類がおり、ホッキョクグマやヒグマなどは動物食傾向が強く、ジャイアントパンダやメガネグマは植物傾向。
熊の天敵は熊。ヒグマの成獣は幼獣を共食いすると言われている。
(ライター ナオ)