カマキリはちょっとした草むらの中にも普通に見られる馴染みの深い昆虫です。
しかし良く観察するとその異形の眼差しと大きな二本の鎌は見る者によって恐ろしげにも美しげにも感じさせる不思議な魅力を持っています。
カマキリは草原では最強の暗殺者
他の昆虫を狩るのに充分に強力な鎌を武器に持っているカマキリですが、その戦闘スタイルは基本的には暗殺であり、草原ならば緑色、山林ならば茶色と保護色によって周囲の風景と同化し、相手が射程距離に入った途端に2本のカマで襲い掛かります。
ネズミをも捕食する大型のカマキリ
昆虫類だけではなく、時には小型の哺乳類をや爬虫類を捕食する事もあり、不意を突かれた相手は大きな鎌で体を固定され、なす術も無く食べられてしまいます。
哺乳類vs昆虫と聞くと、どうしても哺乳類が昆虫を捕食するイメージが湧きますが、実はそうと決まったわけではありません。
小型のヘビを捕食しようとするカマキリ
爬虫類と昆虫の関係は大部分が爬虫類が捕食者となるケースが多いですが、カマキリは小型の哺乳類や爬虫類を捕らえて食べる事もあるようです。
不意打ちを喰らったヘビは必死でもがき、何とか難を逃れましたが、あと一歩でカマキリに食べられてしまうところでした。
たまたま運が良かっただけでしょう。
カマキリは最強の肉食昆虫、スズメバチをも捕食する
スズメバチは時には人間をもその毒針によって命の危険にさらす、最強最悪のプレデターです。
カマキリはそんなスズメバチすら捕食する事がある数少ない昆虫です。
だが反撃されるとあっさり殺られるカマキリ
そうは言っても、カマキリは攻撃力は高いものの、カブトムシなどの甲虫と違って体表は柔らかく、装甲が薄いその体は防御には適していません。
スズメバチへの先制攻撃に失敗し、反撃を喰らった場合はあっけなくやられてしまいます。
カマキリとスズメバチは共に大型の肉食昆虫で、お互いに捕食しあう関係にありますが、カマキリの武器は何と言ってもその名前の由来となっている大鎌です。
この自慢の鎌でスズメバチを後方からフックし、身動き出来なくさせてから体節の継ぎ目に噛み付いてゆっくり仕留めます。
一方でスズメバチの武器は巨大な大顎と強力な毒針です。
正面から向き合えば同クラスの大きさの昆虫はあっという間にやられてしまいます。
テクニックのカマキリとパワーのスズメバチ、バトルが発生すれば必ずどちらかが殺されます。
カマキリの戦闘スタイルは背後からの暗殺ですので、正面から向き合っての戦いでは装甲が薄い為、圧倒的に不利です。
初撃でスズメバチを固定出来ずに背後に回りこまれ、あっという間に食べられてしましました。
カマキリがスズメバチを倒す事が出来るのは、背後からの先制攻撃によりスズメバチの大顎と毒針の攻撃を封じる事が出来た時だけです。
心情的には害虫であるスズメバチではなく、人間に馴染み深いカマキリを応援したいところではありますね。
因みに、アニメ「みなしごハッチ」のカマキチおじさんも主人公の「ハッチ」を助ける為にスズメバチとの戦闘で命を落としています。
■ 真夏の樹液を巡る戦い「スズメバチ」vs「カブトムシ」vs「ミヤマクワガタ」
カマキリは子どもたちのヒーローか悪役か!?
カマキリが食餌する姿は、これぞいかにも肉食昆虫という感じがしますので、最高に絵になるものだと思っています。
あの大きな鎌でガシっと獲物を捕らえ、大アゴを使って頭からムシャムシャと食べますので・・お~!食べてる、食べてる!と思わず喚声を上げてしまいます。
私はカマキリを見るとワクワクしてきます。
あの逆三角形の頭とにらみつけるような恐ろしい目、鋭い鎌を折りたたんでの独特のファイティングポーズ・・昆虫最強の狩人は、どこにいても存在感抜群です。
意外と家の近辺でもよく見かけますし、子どものころはよく捕まえました。
虫カゴではなく、ゲージに入れて飼っていました。
捕まえてきたバッタなどを投げ込むと、コーナーに追い詰めて捕らえ、その食いつく姿を飽きずに観察していたものです。
このカマキリのエサやりは、男の子にはとても人気で、私がカマキリを飼っていることを知ると、友だちもよくいろいろなムシを捕まえてきては、みんなでその食餌のシーンを観察して楽しみましたっけ・・。
そんなカマキリですが、あの鎌で攻撃されるとかなり痛いですよね。
捕まえるときは鎌の裏あたりを背中からつまむのですが、器用に鎌をねじって、真後ろにある指を攻撃してきます。
チクチク痛いのですが、慣れてくれば、しばらくは辛抱できるようになります。
でも初めてカマキリを触った子どもなら、絶対に驚いて放してしまうことでしょうし、痛さで泣き叫ぶかもしれません。
捕まえると体をねじったり、他の脚を回したりしてすごく激しく抵抗します。
チクチクした痛さと暴れるのを押さえ込んで平気な顔をして捕まえているのも、男の子にとってはちょっとしたヒーローです。
私もカマキリを平気で捕まえることができるように、けっこう練習をしました。
何にせよ、あのころからカマキリは、昆虫界最強の悪役でしたから(笑)
カマキリは昆虫界最強!?
昆虫で最強という言い方には、語弊があるかもしれません。
よく昆虫をはじめ強そうなムシ同士を戦わせたことがあります。
でも、それって今考えるとおかしなことですよね。
そもそもムシたちは好き好んで格闘しているわけではありませんし、肉食性草食性の違いもあれば、攻撃に優れる種や防御に徹する種もいます。
カマキリの鎌がいかに強大な武器であっても、カブトムシなどの甲虫には歯(刃)が立ちません。
かといって縄張り争い以外でカブトムシやクワガタがカマキリに襲いかかることもありません。
実際にインターネットの投稿画像では、カマキリ対○○のような動画がアップされていて、途中で逃げてしまうことも多いので、あまり強くない印象を与えてしまっています。
しかし待ってください!そもそもカマキリが狩りをするのは生きるため、食餌をするためですから、無用な殺し合いなどはしません。
カマキリの狩りの基本スタイルは、待ち伏せですから、倒しやすい獲物を狙うのが当然です。
自分より大きな相手や強く反撃されるような相手で、その捕食が不利とわかればどんな動物であろうとも無理に闘うことなく、逃げるものなのです。
ですから私の感覚では、スズメバチの攻撃性や獰猛性も捨てがたいですが、狩りをしてその相手を食べてしまうということを考えれば、カマキリは昆虫で最強の存在だと信じているのです。
カマキリは隠れ上手な暗殺者
カマキリは漢字では蟷螂と書き、またひらがなで表記することもあります。
肉食昆虫の代表格であり、小型の昆虫はほとんどすべてその餌食になります。
カマキリは恐怖の捕食者であると同時に、多くの天敵がいます。
クモや鳥類などが挙げられ、捕食される機会も多いのです。
特に幼体では成虫が捕食するような小型の昆虫などにも逆に捕食されてしまいます。
擬態を得意として、草むらなどに潜んで獲物を待ち伏せします。
海外の種には花びらそっくりなハナカマキリや落ち葉によく似たカレハカマキリなどの種もいますが、それらはほぼ擬態のためそういった体色をしています。
しかしカメレオンのように自らの意志で変色することはできません。
獲物を見つけ、鎌脚を構えてから振り下ろすまでの時間は0.05秒といわれますので、秒殺どころではありません。
そしてその威力、破壊力は強大なものなのです。
カマキリは実はゴキブリの親戚だった!?
カマキリは世界でおよそ2千種いると言われていますが、まだ研究が進んでいないのが実情です。
したがってこれだけ有名で人気がある割に、その生態の深いところまではほとんど知られていません。
日本には、オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどがいますが、国内にどのように分布しているかとか、いったい何種類のカマキリが生息しているのかということについても、ほとんどわかっていないのです。
カマキリはカマキリ目に分類される昆虫ですが、そのほかの分類法もあります。
それは網翅目に属するというものです。この仲間にはゴキブリとシロアリがいます。
実はカマキリは系統的にはゴキブリ類から派生してきたようで、色や形が似ているバッタやキリギリスなどの直翅目とはかなり遠い関係なのです。
そう言われてみれば、平べったい背中と腹の感じはよく似ていますし、翅の付き方やその飛び方も似ています。
卵鞘(らんしょう)を作るという特徴も同じです。
直翅目はバッタやコオロギなど、跳躍ができるように後脚が発達(跳躍肢)していますので、前脚が発達したカマキリとは決定的に違うのです。
カマキリのあの鎌は、昆虫ですから脚6本のうちの前2本が変化したものです。
ザリガニのはさみも強烈ですし、クワガタのはさみも魅力的ですし、カミキリムシの大アゴも楽しめますが、やはり糸でつるした道具を使ってカマキリの鎌とたわむれるのが最高に面白かったです。
カマキリは飛ぶのか?
カマキリの種は、ほとんどがオスよりもメスのほうが大きく強いのです。
幼虫と成虫では、見た感じはほとんど同じで、翅の長さが違う程度です。
カマキリの翅は4枚あります。
退化した種もいますが、きちんと残っていても、多くのカマキリは飛ぶのが苦手ですので、それほど遠くまで飛べません。
メスに至っては体の重さもあり、ほとんど飛べません。
したがって翅はもっぱら体を大きく見せる威嚇のために使用されています。
カマキリの頭はぐるりと回転できるほど柔軟です。これは頭と胸の境目が比較的柔らかく連結しているためです。
またカマキリは夜目が利くので、夜間にも獲物を襲うことがあります。こんなのに付け狙われたら本当に生きた心地がしません。
カマキリに寄生する恐ろしいやつ ハリガネムシ
カマキリには、寄生虫がつくことが知られています。ハリガネムシといい、カマキリ(特にハラビロカマキリ)やカマドウマなどのおなかに寄生します。
ハリガネムシの生態はよくわかっていませんが、実はすごい寄生虫なのです。
体長数センチから1メートルに達する個体もありますが、太さは1~2ミリ程度で、ミミズなどのように、身体に伸縮性がありませんので、文字通り針金のような感じの細長いムシ(類線形動物)です。
糸くずのような卵塊から孵化した幼生は、水中に棲息するカゲロウやユスリカなどの幼虫や水棲昆虫に捕食されますが、その腸内を進んで腹腔内に居場所を見つけると、シストと呼ばれる殻(被嚢)を作ってその中で休眠状態に入ります。
カゲロウやユスリカが成虫になり、それをカマキリなどが捕食することで、その体内に入り成長します。
成虫になったハリガネムシは水中で生活しますので、産卵期になると宿主を水辺へと誘い込みます。
このとき特殊な生理活性物質(たんぱく質)を宿主の脳に注入して、宿主を水中に飛び込むように操作するのです。
遠隔操作するのですよ!
こうしてハリガネムシは見事、寄生された宿主の腹から出て水中に戻るのです。
ハリガネムシに寄生されたカマキリの腹に水を掛けると、ハリガネムシが出てくることがあります。
ハリガネムシが脱出したカマキリは、生殖能力を奪われて衰弱してしまいますので、淡水魚や水棲昆虫に食べられてしまうこともあります。
カマキリの好物
カマキリは肉食性で、生きて動く獲物しか食べません。そして自分より小さなものには食いつく習性があるのです。
したがってハチやバッタ、トンボなどの昆虫類をはじめ、大型の種では、小型のヘビやカエル、トカゲなども自分より同等以下であれば食いつき、捕食します。
また獲物が少ない環境下では、共食いをすることもあります。
カマキリのお手入れ
カマキリの狩りは、基本的には待ち伏せです。
草むらや葉の陰などに隠れて、獲物が通るのを待ち構えています。ヒメカマキリなどの種では獲物を追いかけるものもいます。
食餌が終わると、前脚である鎌や上半身などを丁寧に掃除する姿をよく見かけます。
きれい好きなのか、それとも血のニオイを残さないようにして、次の狩りの準備をしているのでしょうか。
また脚の先端の部分も手入れを怠りません。丁寧に体の隅々までなめるように手入れをしている姿をよく見ます。
ファイティングポーズなのか、祈っているのか?
カマキリが獲物を狙うときには、体を4本の足で支えて左右の鎌を折りたたみ胸につけるようにして独特のファイティングポーズをつくって構えます。
その状態で獲物を待ち伏せ、一気に捕らえるのですが、その際体を左右に動かすことがあります。
ボクシングの選手そっくりでな動きでもあります。
これは獲物との距離を測るためとも、風の動きに合わせてチャンスをうかがっているともいわれています。
カマキリのファイティングポーズが合掌しているように見えるということで、地方によっては『オガミムシ(拝み虫)』と呼ばれることもある。
エサが背中に乗っている!?
カマキリは交尾中にメスがオスを食べてしまう『共食い』をすることで有名です。
自分よりも小さなものに襲いかかる習性がありますので、大きなメスが小さなオスを食べるのです。
オス同士、メス同士でも、虫カゴなどの狭い劣悪な環境では、やはり共食いを始めてしまうことがあります。
交尾中のメスはオスを刺激するためにその頭部に咬みつくようです。
種によってはそうしないとオスが精子を出せないものも存在しますが、それはあくまでも例外的なもので、ほとんどの種では、食われてしまうことはそれほどありません。
オスはメスに頭部を食われても、そのまま交尾は続けることが可能なのです。
しかし、すばやいオスは、食われる前にさっさと交尾を済ませて逃げ出してしまいます。
メスは卵ができてから交尾期を迎えるので、交尾期に特別食欲が旺盛になるわけではないようです。
むしろ交尾期以前のほうが、食欲旺盛のようです。
ですからオスがメスに食われるのは、メスにとっては単純にエサが背中に乗っかっているという程度のことのようです。
カマキリの命がけの交尾
そうは言っても交尾するオスにとっては、やはり命がけの行為であることには変わりありません。
まともにメスの正面から行けば確実に襲われますので、背後からそっと忍びより、じっと様子を伺い、油断した隙にメスに飛びつき、鎌脚で押さえつけて交尾をします。
うまく押さえつけられると無事に交尾を終えることができますが、後ろに回した頭でがぶりとかみつかれれば一巻の終わりなのです。
交尾を終えたオスは、すぐにメスから離れて逃げていきます。
メスはオスを嫌っているわけではありませんが、オスとして認識しているわけでもありません。
メスは交尾期になるとフェロモンを出し同種のオスにそれを知らせます。
それによってオスはメスに近づくのです。しかしメスは、自分のじゃまさえしなければお構いなしで、交尾中も自由に行動します。
というより食餌中を狙ってオスは交尾を仕掛けることが多いのです。
ですからたまたま空腹時であれば、そばにいるオスに咬みつき捕食してしまうということになるのです。
カマキリの一生
カマキリの幼虫は卵鞘と呼ばれるスポンジ状の卵の塊から孵化します。
卵鞘はカマキリ独特の形態をしていて、泡立った粘液に包まれています。
これにより暑さ寒さや乾燥から守られ、外敵や外からの衝撃からも保護されるのです。
卵鞘は種によって、また同種でも環境によって大きさはマチマチです。
晩春になると、この塊の中で孵化した前幼虫は、脱皮しながら卵鞘を這い出し、数十から数百にも達する幼虫がゾロゾロと出てきます。
幼虫は翅がありませんが小さいながらも成虫とよく似た形態をしています。
幼虫はダニやアブラムシなどを補食しますが、アリなどに狙われることになります。
一つの卵鞘から成虫になれるのは、昆虫最強とも言える肉食でありながら、わずかに数匹程度と言われています。
終齢幼虫は木の枝や草の葉の陰で羽化して成虫となります。
このような蛹(さなぎ)にならないで、成虫になる様式を不完全変態と呼ばれます。
そうして秋までの数ヶ月ほどの成虫生活を送り、前述した厳しい交尾を経て生涯を閉じます。
カマキリの卵は、雪に接することがないといわれています。
メスはその年の雪の降り積もる高さを予測し、それ以上の高い場所に卵を産むといわれているのです。
しかし最近の研究では、そういったことではないことがわかってきました。
カマキリは勇気のあるムシ!
ことわざに【蟷螂(とうろう)の斧】というものがあります。
自分の無力を棚に上げて、強大なモノに立ち向かっていく場合に使いますが、勇猛果敢な意味ではあまり使われません。
むしろ無駄な抵抗という意味合いが強いです。
元々は中国春秋時代(紀元前6世紀)の斉国の君主であった荘公が出かけた際、その馬車の前に一匹のカマキリが道の真ん中にいて鎌を振りかざしていたという故事に基づいています。
こういったことからカマキリは勇気のあるムシとして扱われることもあります。
カマキリの飼い方
カマキリの飼育は、それほど難しいものではありません。
ただし共食いする可能性があるので、複数の個体を一緒に飼うことは避けた方がよいということと、生きて動く物しか補食しないので、そういうエサを用意しなければなりません。
ライフサイクルが一年周期ですので、越冬はしません。
長く生きても、せいぜい11月くらいまでのうちに死んでしまいます。
エサはムシなどであれば何でも食べますが、生きて動くものでないと食いつかないのです。
私が以前、カマキリを飼っている時に弱って死にかけたバッタをゲージに入れました。
そのとき、カマキリは鎌でバッタを突っついて生きているか確認していました。
また死んだミンミンゼミを糸でしばって、カマキリの目の前でぶらぶらさせて動かすと食いつきましたので、生きている動物しか食べないのではなく、動く生き物しか食べないのでしょう。
ダンゴムシやヤスデのように丸まって動かなければ、見逃してしまうのだと思います。
もし人間よりも大きなカマキリに出くわしたら、死んだふりが有効だと思います(笑)
かまきりのそっくりさんたち!
カマキリによく似た仲間を紹介しましょう。
一つは、カマキリモドキという昆虫で、これはカゲロウの仲間です。
上半分はカマキリにそっくりです。頭部は逆三角形で前脚はカマキリ同様の鎌になっています。
これで小型の昆虫などを捕食します。
大きな違いはカゲロウの仲間ですから翅が大きく、よく飛び回ることです。
日本には数種が生息しています。
もう一つはミズカマキリです。
その名の通りカマキリそっくりの水棲昆虫です。しかしタガメやタイコウチ、アメンボ同様カメムシ目に属します。
体長は4~5センチほどで、尾に体長と同程度の長さがある2本の呼吸管を持ちます。
飛行能力が高く、よく飛んで水辺を移動します。
ただし遊泳能力は低く、水中での動きは鈍いのです。
ですから陸上のカマキリ同様水草の陰などで待ち伏せをして、鎌で一気に捕らえます。
カメムシ目は長い口吻を持ちますので、カマキリのように獲物にかぶりつくのでなく、獲物に口吻を刺し、消化液を流し込んで肉を溶かし、それを吸うという体外消化を行います。
この食餌は数時間から大きな獲物だと十数時間もかかります。
このように明らかに種類が違うのに、同じような形態を持つものを収斂進化(しゅうれんしんか)といいます。
哺乳類であるモグラと昆虫であるオケラの前足が、土を掘るのに適した形態でよく似ている場合などを指します。
さらに不思議なことに、カマキリの仲間なのですが、その最大の特徴である鎌を持たないカマキラズという昆虫が存在します。
カマキリ目カマキラズ科に属し、南米などに生息していますが、日本にはいません。
しかしカマキラズというちゃんとした「和名」がつけられているのです。
(投稿者:オニヤンマ)