クマンバチは体、羽音もとても大きいので思わずスズメバチか何かと一瞬勘違いしてしまうことがありますね。

「体が大きいハチだから危険」というのはある意味直感的には正しい判断だと思います。

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けれども実はクマンバチはその巨大なな体から連想されるほど危険なハチではありません。

体が大きく、ブーンという大きな羽音を立てて飛来するクマンバチに遭遇した事はありませんか?

正体不明の大型昆虫が接近し、ましてやそれが蜂の仲間であれば誰でも相当に驚き、警戒心を強めるでしょう。

 

体長2cmを超える大型の蜂クマンバチは、ミツバチ科の蜂で、花の蜜・花粉を主な餌としており、他の小さな昆虫を捕食する事もなくとても大人しく攻撃性の低い蜂です。

見た目が大きいので凶悪な肉食昆虫かと思われがちですが実はそうではないのです。

また、クマンバチ人間にはほとんど関心を示しませんが、まれにオス蜂が人間の方に向かって飛んで来たり、周囲をホバリングする事があります。

これは人間を警戒しているであるとか、攻撃態勢に入っているのではなく動くもの全てをメスかどうか確認しようとする、クマンバチのオスの典型的な習性です。

それを知っていても、このような大型の蜂が接近してくれば思わず怯んでしましますが、そこは安心してください、クマンバチも他の蜂と同様に、オスには産卵管が変化した毒針がないので刺す事は出来ません。

捕まえると、一生懸命さす動作をしますが、いかんせん針がありませんので刺せません(笑)

 

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営巣中のメスは刺す事がある

普段は大人しく、手で掴んだりしない限り滅多に人を刺すことがないクマンバチですが、やはり他の蜂と同様に営巣中のメスには近づかない方が良いようです。

クマンバチのメスは、枯れ木や朽木に穴を穿ってその中に産卵します。

蜂の巣といえばスズメバチやアシナガバチ、ミツバチのように一匹の女王蜂を過去ってコロニーを作り、集団で子育てをするイメージがありますが、クマンバチは違います。

 

交尾後のメス蜂は単独で巣をつくり、巣穴で幼虫を守ったり餌を運んで与えたりします。

他の蜂と違って、クマンバチには社会性がないという事ですね。

なのでスズメバチのように集団でワラワラと人間を襲ったりはしないので、営巣中のメスでもそこまでの危険性はありません。

クマンバチに刺されたら痛い?

もちろん、クマンバチは体が大きいので毒針もその分太いです。

ですから、刺されればミツバチよりも遥かに痛いですが、その毒性は弱いのでスズメバチやアシナガバチに刺されて「アナフィラキシーショック」と呼ばれるアレルギーを引き起こす確率は極めて低いです。

確率はゼロではありませんので、100%大事に至らないとは言い切れませんが、その確率の低さを考えれ交通事故に遭う確率の方が何千倍も高いです。

まあ、好きで痛い思いをする人はいないと思いますので、痛い思いをしたくなければ営巣中のメスには近づかない方が良いでしょう。

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クマンバチから蜂蜜はとれないの?

クマンバチはミツバチ同様に花の蜜などを運んでくるのですが、集団で巣を作らない為にまとまった量の蜜が集まりません。

従って養蜂には適していない蜂ですが、もしクマンバチにミツバチ同様の社会性があれば、体が大きい分集まる蜂蜜の量も多くなりそうですので、蜂蜜が取れたかも知れませんね。

因みに、ハチミツはミツバチだけからしか採れないと思ってます?

実はそうじゃないんですね。

詳細はコチラ!

■ミツバチ以外にハチミツを作る蜂はいる?

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■ジガバチやアメリカジガバチってどんな蜂?刺すの?

クマンバチは正式にはクマバチだった!

クマンバチは、正式には『クマバチ』といい、ミツバチ科クマバチ属に分類されるハチの総称です。

その実態は大型のハナバチであり、これにはおよそ500種類が属しています。

クマンバチの正体はキムネクマバチだった!

『クマバチ』のことを『クマンバチ』と称するのは一種の方言でもあり、場所によってはスズメバチのことを『クマンバチ』と呼ぶ地方もあります。

ただし、一般に『クマンバチ』といった場合には、北海道から九州まで、ほぼ日本全土に広く分布する『キムネクマバチ』を指すことがほとんどです。

したがって、この記事でも通例にしたがって、その代表種であるキムネクマバチを『クマンバチ』と称することにします。

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クマンバチの翅は小さすぎる!

クマンバチ(キムネクマバチ)は、体長が2センチ以上もあり、ずんぐりむっくりとした体型をしているのが特徴です。

クマンバチの全身は黒いのですが、胸部の毛だけは黄色であり、それがよく目立ちますので、シンボルデザインにもなっています。

クマンバチの翅は、身体の大きさに不釣り合いなほど小さく、全体が黒みがかっています。

クマンバチのオスとメスの見分け方は、顔を見ること!

クマンバチのオスとメスでは、頭(顔)の特徴が異なります。

オスではその複眼が丸く、大きくなっており、目の間には鼻に見えるような三角形の黄色味がかった毛が密生しています。

それに対してメスは、複眼は横長になっておりやや小さめです。顔全体が黒くなっており、目と目の間が広く開いています。アゴは大きく、頭はオスよりも大きめです。

クマンバチは4月から10月まで活動する!

クマンバチは成虫のまま越冬すると、晩春過ぎから活動を開始します。

クマンバチの寿命は一年ほどで、成虫は4月下旬から10月頃まで活発に活動します。

小さな翅の割りにその羽音はとても大きく、ブンブンと唸りをあげながら飛びます。

また、クマンバチの飛行はとても安定しているので、空中に静止するホバリングは得意なのです。

クマンバチはフジとニセアカシアの花のミツを好む!

クマンバチは、フジやニセアカシアの花を特に好み、これらの花によく集まります。

食性は他のハナバチ同様、花粉及び花のミツを集めて食します。

このとき、他のハチやチョウのように花の表面からミツを吸い取るのではなく、太い口吻を花の根元付近に突き刺して穴を開け、そこから直接ミツだけを大量に吸い取ります。

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フジの花はクマンバチ以外にミツを与えない!!

フジの花とクマンバチは特殊な関係にあります。

フジの花はそのミツを守るような構造をしており、花粉はその中に閉じ込められています。ですからチョウやミツバチなどは、そのミツを吸うことができないのです。

クマンバチがその太い口吻を使って、力ずくでフジの花弁をこじ開けることで、花柱と葯(やく=オシベ)が露出します。このなかば強引な破壊行為によって、クマンバチの胸や腹に花粉が接するので、フジの受粉が可能になるのです。

フジの花はその受粉をクマンバチに依存していた!

ですからフジの花にとってみれば、クマンバチに受粉を依存しているといえるのです。

その見返りとしてクマンバチにだけミツを与えていますので、花粉媒介の重要なパートナーといった方が適当なのかもしれません。

フジの花以外にも、パッションフルーツやユクノキなど、花粉の媒介をクマンバチに依存しているクマンバチ媒花と呼ばれる植物があります。

クマンバチのオスはメス探しに夢中!

クマンバチのオスは特定のナワバリを持ちます。そのナワバリ内では、空中でホバリングしながらひたすらメスが現れるのを待つのです。

ただし、クマンバチのオスはメスをなかなか見分けることができません。

ですから、ナワバリ内に飛び入って来た他の昆虫や鳥類などの後を追いかけまわし、しっかりと近づいてそれがメスかどうかを確認する習性があるのです。

誤解されがちですが、けっしてナワバリから追い払おうとしているわけではありません。

クマンバチの巣は列状の個室だった!

こうして、クマンバチのオスがようやくメス見つけるとすぐ交尾をします。

メスは交尾を終えると、枯れ枝などの中に巣を作り始めます。カミキリムシのように太い口吻を使って枝の中を掘り進んでいき、まずは細長い巣穴をつくるのです。

その後、細長い巣穴をいくつかに間仕切りして、列状の個室にしてしまいます。それぞれの部屋の中にミツと花粉を集めて団子状の食塊をつくり、1つずつ卵を産みつけていくのです。

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クマンバチの幼虫は部屋の中で成長する!

孵化したクマンバチの幼虫は、親が用意してくれたミツと花粉の団子状の食塊を食べながら、この個室の中で成長していきます。やがてサナギを経て、夏の間に羽化します。

しかし羽化して成虫になってもまだ未成熟なために一匹だけでは自立できません。この時期は『亜成虫』と呼ばれ、巣に残ったまま、親バチから花粉などをもらって過ごすのです。

クマンバチは親子で暮らす亜社会性集団を作る!

このようにクマンバチは成虫になってもしばらくの間は巣を離れず、母親を中心とした家族での同居生活を送るので、これを『亜社会性』と呼んでいます。

これはミツバチなどに見られる高度に発達した社会性集団である『真社会性』への中間段階と考えられています。

またクマンバチのメスは、ナワバリ意識があまり強くないので、自分の巣の周囲であっても他の個体を積極的に追い払うことはしません。したがって、複数の集団(親子)の巣が1カ所に密集することもよくあるのです。

クマンバチを誤解していませんか!?

クマンバチは身体が大きくて、その羽音がブンブンと、大きく唸りをあげて聞こえるがために、獰猛なハチであるという印象を人々に与えています。

しかしそれは大きな誤解なのです。

クマンバチの性質は極めておとなしく、温厚であり、けっして危険なハチではありません。

クマンバチはおとなしくて平和主義のハチだった!

クマンバチの屋外での活動は、ひたすら花の蜜を集めて飛び回っているだけです。その際、ヒトや他の昆虫を攻撃したりすることはおろか、肉食ではありませんので捕食したりすることなどはけっしてありません。

また前述したようにフジやニセアカシアなどの花では、クマンバチ以外、その蜜を得ることができませんので、他の昆虫と競合して闘ったり、追い払ったりするようなこともありません。平和主義者なんです。

また、クマンバチのオスはナワバリを持ちますが、それはメスを得るためのもので、それ以外では他の個体と激しいナワバリ争いをするようなことはほとんどありません。

クマンバチはオスが活躍している!

ミツバチやスズメバチの働きバチ(すべてメス)と異なり、クマンバチではオスが活発に活動しており、私たちが遭遇するのもオスである場合が多いのです。

ハチの持つ毒針は産卵管が変化したものです。したがって毒針を持つハチはメスだけなのです。クマンバチのオスは毒針を持ちませんのでヒトを刺すことはけっしてありません。

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クマンバチのメスは刺すこともあるが…

また毒針を持つクマンバチのメスであっても、積極的にヒトを刺すようなことはありません。むやみに巣に近づいたり、個体を追い詰めたりしない限り、通常反撃してくることはなく、ヒトを刺すことはほとんどないのです。

万が一、クマンバチのメスに刺されたとしても、その毒は弱く、激痛を伴って腫れあがるなどといった重症になることはありません。

ただし、ハチの毒素はタンパク質由来ですから、アレルギーの激烈な反応として、アナフィラキシーショックを起こすことはあります。これは毒の強さと無関係に起こりますので注意が必要です。

クマンバチが飛べるのは謎だった!

クマンバチのあの大きなずんぐりむっくりした身体に対して、ついているその翅はその飛翔に見合わないほど小さなものです。

これについて、かつて『航空力学的には飛べる形態ではない』とされ、クマンバチや似たような体型のマルハナバチの飛翔は、生物学上の大きな謎とされていました。

自分自身が飛べると信じれば飛べるのだ!

このクマンバチの飛行の謎が解けず、説明できないある学者は、苦し紛れに

『クマンバチは自分自身が飛べると信じているから飛べるのだ』

などと精神論、根性論のようなものまで持ち出すほどでした。

したがってクマンバチは、不可能を可能にする動物の象徴とされており、スポーツチームなどのキャラクターやマスコットに採用されていることがよくあります。

レイノルズ数と空気の粘稠!

現在では、クマンバチの飛行の謎は、空気の粘稠を考えたレイノルズ数を用いることで、その飛行能力を理論的に証明することは可能だといわれています。ただし、まだその全容が解明されたわけではありません。

ここでいう空気の粘稠とは、ヒトにおける空気と水の抵抗力の違いのようなものです。

ヒトが感じる空気と水の違い!

ヒトは手足を動かした場合に、空気の抵抗を感じることはほとんどありませんし、空気が手足に絡みつくような粘稠を感じることはありません。ですから手足を泳ぐように動かしても空気中を推進することはできません。

ところが水中では、抵抗が大きく粘稠を感じることができますし、実際に手足を動かすことで泳ぐことができます=推進力が得られるということです。

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クマンバチが飛翔できる理論とは?

小さな動物においては、ヒトが水中で感じるのと同じように、空気の粘性を利用することが可能なのだそうです。これがレイノルズ数を用いた理論なのです。

ですから、クマンバチの身体のサイズに見合わないような小さな翅であっても、それを羽ばたかせることによって、翅の周りに空気がまとわりつくように存在します。それによって空中を飛翔することが可能である…つまりクマンバチは翅を使って空中を泳ぐように飛んでいるということになるのです。

社会性昆虫って?

社会性昆虫とは、ハチやアリ(ハチ目=膜翅目)、シロアリ(ゴキブリ目=網翅目シロアリ科)のように、集団で巣を作って活動をし、その中で女王や働きバチなどの役割に応じた階層を作り、社会的な構造を備えている昆虫のことを指します。

その社会の多くは、一匹の女王から生まれた子で構成される家族集団になっていますので、血縁関係のまったく無いもので構成されるヒトの社会とは大きく異なるものです。

真社会性昆虫の定義

以前までは、社会性昆虫の定義は、働きアリや兵隊アリなどといった分業的な階層の有無で判断されていました。現在の定義では、生殖能力のない不妊の階層が含まれているかどうかが重視されており、これに該当するものを真社会性昆虫と呼んでいます。

E.O.ウィルソンによる真社会性の定義は、

①不妊カースト(生殖能力のない階層)があること

②複数の世代が同居していること

③共同して幼い個体の養育がされていること

となっています。

昆虫だけでない!真社会性生物とは?

この定義にしたがえば、ハチ、アリの一部とシロアリの他にも、アブラムシの一部も真社会性昆虫に該当することがわかりました。アブラムシの集団にも、不妊カーストが存在することが発見されたのです。

また昆虫以外でも、エビ類のテッポウエビや哺乳類のハダカデバネズミもこれに該当することがわかりました。これらは昆虫ではないので、真社会性生物と呼ばれるようになりました。

真社会性の前段階としての亜社会性昆虫とは?

この真社会性昆虫に対して、その前段階であると考えられているのがクマンバチなどに見られる亜社会性昆虫です。

亜社会性では、その役割や階層が明確に分かれておらず、血縁関係にある親子が共同生活を送る小集団というべきものです。親が育児行動をして子を育て、子は成虫になった後も巣を離れずに一緒に暮らし続けるというものです。

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もう一つの前段階…側社会性とは?

また、血縁がない個体どうしが集団をつくるものを側社会性といい、こちらも真社会性の前段階と考えられています。

コハナバチでは、同一の入り口を持つ巣を複数のメスが作ります。

またアシナガバチ類では、複数の女王アリによる巣が作られることがあります。

これらは、巣を構成する個体どうしに血縁関係がまったくないこともあるのです。

クマンバチはクマのようなハチのこと?

日本各地では、その地方の方言においてここで言う『クマンバチ(クマバチ)』以外の昆虫のことを『クマンバチ』と称することがあります。その由来として、クマのように大きいとか、獰猛だということになります。

それは『スズメバチ』であることが多いのですが、『マルハナバチ』のことであったり、場合によってはハチではない『ウシアブ』のことであったりします。

また特定の種のことでなく、大型のハチのことをすべて『クマンバチ』と呼んでいる場合も見受けられます。

ヒトは本能的にクマンバチを危険な昆虫と感じてしまうのか?

そもそもクマンバチの性質が誤解されて、毒を持ちヒトに危害を加える昆虫であると危険視されるのも、スズメバチのイメージと混同されているからなのです。

確かにスズメバチは攻撃的で、ヒトに危害を加えるとても危険なハチです。それを『クマンバチ』と呼ぶ地方もありますので、どうしても混同されがちになります。

またクマンバチの大型の身体と、低音でうなるような羽音を持つために、ヒトが本能的に危険な昆虫だと感じてしまうことも否めません。

クマンバチとスズメバチはまったく違うけれど…

外見上、クマンバチとスズメバチではハッキリと異なりますので、両者の区別がつかないということはまずありません。

しかし、大きな羽音を響かせて近づいてくれば、ヒトはパニックを起こしてしまいがちで、スズメバチと見誤ったり、確認することなく逃げ回ってしまうのかもしれません。

このクマンバチの羽音については、スズメバチなどの羽音に近づけることによって、小型の哺乳類や鳥類から危険なハチだと誤認させることができるという説があります。

これらの小型の動物たちは、その危険性を本能的に察知しているのか、スズメバチを避ける傾向にあるようです。すなわち、クマンバチの羽音はこれらの天敵から身を守ったり、むやみに巣に近づかせないという効果があるというのです。

大型の昆虫の種には、『クマ』をつけて呼ぶ!

クマンバチはハチ目の中で最大種というわけではありませんが、大型の種に対して『クマ』をつけて呼称することはよくあります。

代表的ものとして、同じ昆虫の仲間にクマゼミがいます。

この他にもクマゲラ(キツツキ目キツツキ科クマゲラ属)など、その分類上の最大種などに『クマ』をつけて呼ぶことがあります。

(ライター オニヤンマ)

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