トンボというのは、日本ではかなりポピュラーな生き物ですよね。
秋になると田んぼなどでよく見かけるこのトンボを見ると、なぜか風情があったりしませんか?ところで、トンボというのはどれくらいの寿命をもっているのでしょうか。
今回はトンボの寿命について紹介してみましょう。
トンボの幼虫の期間も寿命に含める
トンボの幼虫は「ヤゴ」と言って、水の中で生活しています。
下あごがを曲げ伸ばして獲物を挟みとって捕食します。
成長していくと捕食する対象も変わってきます。
まずミジンコ・ボウフラを食べていますが、その後おたまじゃくしや小魚まで
食べるようになり、なんと食べ物がないときは共食いもするようです。
幼虫でいる期間は種類によって1ヶ月から数年という差があります。
いよいよ成虫になるというときは、植物等に登って
夜の間に羽化して、成虫となります。
トンボの成虫の平均寿命は!?
多くの種類の中、私たちがよく知るトンボと言えば、アキアカネやオニヤンマ、イトトンボなどでしょうか。
これらのトンボの寿命は1年もありません。
通常、多くのトンボたちが冬を越さずに死んでしまうのです。
成虫となったトンボは、どれくらい生きているのかというと、だいたい3ケ月ほどの寿命とされています。
もう少し詳しくみていくと、アキアカネやオニヤンマは孵化してから30~50日後には死んでしまいます。
イトトンボの中のアオイトトンボ科オツネトンボ、ホソミオツネトンボ、イトトンボ科のホソイトトンボはトンボの状態のまま冬を越します。
越冬と言ってもどこかに潜るわけではなく、木の幹に隠れたり、小屋の板の隙間などでじっとしているのですが、時折温かい日などには飛ぶこともあるようです。
これらのイトトンボの寿命は9~10か月だそうで、トンボの中ではかなりの長寿。
しかし、残念なことにトンボの中で自らの寿命を全うするものは少なく、ほとんどのトンボが事故や捕食によって途中で命を落としてしまいます。
つまり、実際の平均寿命は10日に満たないということがほとんどなのだそうです。
まあ、トンボには幼虫のヤゴ時代がありますから、ヤゴの期間を含めるともう少し長くなるものもいますが、アキアカネなどの通常の大きさのトンボはヤゴ時代を合わせても2~3か月伸びる程度。
ただし、3ヶ月といっても寿命をまっとうすることは珍しく、だいたいは事故・捕食で死ぬことになってしまうそうです。
因みにイトトンボのヤゴ時代は1か月程です。
それに比べてオニヤンマのヤゴ期間は5~6年、つまりオニヤンマはトータルするとかなりの長寿ということになるわけです。
ベッコウトンボでは、長ければ羽化して50日くらい生きるものもありますし、越冬をしたり「生殖休眠」をするトンボは寿命が長くなります。
ただし、これらの外的な要因を含めた平均寿命は10日に満たないということが多いそうです。
自然の世界は厳しいですね。
トンボの寿命に関するまとめ
トンボには多くの種類がいますが、そのほとんどが1年に満たない寿命です。
捕食や事故でその短い命さえも全うできないものが多いというのだから・・・・
私たちの良く知る、大空を自由自在に飛び回るあの姿は、トンボたちが一番輝いている時!?なのかもしれませんね。
子供の頃、無邪気に虫かごに入れて無意味にトンボの命を奪ってしまっていたことを今更ながら深く反省する次第です・・・・
(ライター ナオ)