最近では栽培も広く行われるようになり認知度も上昇したアケビですが、見た目は一見すると風変わりな果物です。
色は紫で実が熟したアケビは外側の皮がパカッと開いています。
料理としても利用されていて、その歴史は意外と昔から続いています。
食用以外にも、ツルを使った工芸品なども作られています。
これは人工的に栽培をするようになったことによる生産数の向上のおかげでなしえたことであります。
そこで注目度を上げてきたこのアケビの栽培方法や、その美味しい食べ方などを紹介していきます。
アケビの生態
アケビは日本や朝鮮半島、中国に自生しているアケビ科の植物です。
その中でも、日本に存在しているほとんどは「アケビ」と「ミツバアケビ」という2種類です。
四国では「アケビ」のほうが多く流通していますが、「ミツバアケビ」のほうが栽培の面においても優位で全国的には広く出回っています。
「ミツバアケビ」は北海道から九州まで様々な地域に分布しており特に東北地方で多いです。
アケビは実が特徴的な果物ですが、ツル性の植物であるということも着目すべきポイントです。
このツルが非常によく成長するためカゴなどを編むのに利用されることもあります。
アケビは春になると淡い紫色をした花が咲きます。
そして秋には伸びたツルにバナナをもう少し丸々とさせたような形状の実が現れます。
大きさは10㎝ほどで、ここからさらに熟していくと皮が割れ、内部から果肉が見えるようになります。
この実が開く様子からアケビは名付けられたとされています。
この果肉は半透明で内部に黒い種が含まれていて、果肉には甘みがありますが、この種は逆に苦みが強いことが知られています。
アケビと日本人との歴史
現代においてリンゴやグレープほど定番の果物ではありませんが、アケビは昔から一部の地域では親しまれており、体力のつく食べ物として食されていました。
さらにツルの利用も行われており乾燥させたものは薬として、頭痛薬や腎臓炎への効果が期待されていました。
特に山形県では盆栽としての楽しみ方や、柵にツルを絡ませることで日よけとして利用もされていたようです。
西暦1000年頃にもアケビを食していたことの記録が残っているほど歴史のある果物ですが、一つの実に対して食べられる部分が少ないことや、種が多くて食べにくいなどという理由から人気は伸び悩んでいました。
ところが山形県において品種改良が行われ、栽培方法なども工夫がなされ質の良いアケビが多く生産されるようになりました。
このことがきっかけで今では各地で栽培が行われるようになり多くの人が食べるようになりました。
栽培方法
アケビを栽培するには種類の違う株を複数個植える必要があります。
1個だと受粉率が悪いのです。
アケビは基本的に乾燥に弱いため採取したものは湿り気のある状態で保管をしましょう。
種をまくのは秋ごろとし、冬には苗を地植えか鉢に植えます。
地植えをするには日光が良く当たる場所を選んで、腐葉土やたい肥を混ぜておきます。
その後においても乾燥は禁物で、特に根付くまでの間は土が乾いたらすぐに水を与えてあげましょう。
またアブラムシ等の害虫も駆除してメンテナンスをしっかりと行いましょう。
旬と美味しい食べ方
アケビは9月から10月の秋ごろに実が大きく成長し旬を迎えます。
アケビはビタミンCやカリウムの含有長が多く疲労回復や高血圧、脳卒中の予防に効果があります。
調理法としては様々な楽しみ方があり、実のゼリー状の部分はデザートにもなります。
皮は実の部分に比べて少々苦みがあります。
炒め物や揚げ物、煮物にも利用されていて、味噌炒めにして食べたり、胡麻和えにして食べたりもします。
アケビは栽培方法の周知とともに全国に広まった果物!
アケビの栽培に関して、現状はほとんどが山形県によるものですが、今ではスーパーに並ぶこともあるほど広がったアケビです。
食卓に出てくる機会も増えてくることとなるでしょう。
ライター yuki_1