独特の形が印象的な鶏頭。

色とりどりの系統が咲き誇る姿は見ごたえがあります。

古くから日本画にも描かれてきた鶏頭について詳しくお話します。

鶏頭の特徴

鶏頭はヒユ科セロシア属に分類される一年生植物です。

原産地はアジア、アフリカの熱帯地方と推定され、日本には奈良時代に中国を経由して渡来しました。

草丈は30~90㎝程になり、茎は木質化していて硬いのが特徴です。

葉は長い楕円形で互生し、葉の先端は尖っていて、付け根の部分も細くなります。

鶏頭の花の季節

鶏頭の花は赤や黄色を基調としますが、橙、紫、ピンクなどの様々な園芸種があり、どれも7月~11月にかけて花穂が出来、花を咲かせます。

花弁はなく、萼片が5枚、雄しべが5本あります。

赤い鶏頭の花穂の先端が広がっている様子が鶏のとさかに似ていることから名前が付いたと言われています。

鶏頭の種類

鶏頭の属するセロシア属は60種類ほどがあり、園芸用として栽培されるのはこの中の一種、アルゲンテアと呼ばれる品種です。

園芸品種が多く、大きく5つのタイプにグループ分けされ、ノゲイトウグループはとさかにならず、花穂は細長い円錐形で枝分かれして沢山の花穂をつけるものが多く、トサカ系クリスタータグループは最も鶏頭らしい花穂の形をした種類です。

個体差が多く、トサカの程度は様々。

 

久留米ゲイトウグループはトサカ状の花が折り重なるように固まって球状になるタイプで分枝はほとんどしません。

プルモーサ系羽毛ゲイトウグループはフサフサした円錐形の柔らかな花穂が特徴で、羽毛の長いものから短いものまであります。

キルドシー系ヤリゲイトウグループは羽毛が玉状に固まって咲くタイプです。

鶏頭の育て方

鶏頭は移植を嫌うので花壇や鉢に直接まくか、ポットなどに蒔いて育苗してから根鉢を崩さないよう注意して植え付けます。

嫌光性の種なので軽く覆土して発芽まで新聞紙などをかぶせて光が当たらないようにしておくと良いでしょう。

 

植えつける時には根を切らないように注意します。

植えつけの土は一般の草花用培養土や赤玉土と腐葉土を7:3の割合で配合した土等を用い、少量の苦土石灰を混ぜておくようにします。

 

肥料は庭植えの場合ほとんど必要ありませんが、鉢植えでは本葉3~4枚の頃から蕾が出るまで月3回くらい液体肥料を施します。

陽当たりと水はけの良い所であれば土質は選ばず、肥沃なところでは葉が大きく茂りすぎるので痩せた土地で硬く小さ目に育てた方が見栄えがします。

種の発芽適温は20~30℃で、4月下旬~8月頃まで種を蒔くことができます。

 

遅く蒔くほど草丈は低くなり、生育の適温は15~30℃で品種によっては草丈や株張り、分岐の程度がかなり異なるので場所やスペースに応じて選ぶようにします。

立ち枯れ病や灰色カビ病、連作障害等に注意が必要で、日当たりや水はけがよくないと立ち枯れ病や灰色カビ病が出やすくなります。

また、連作障害も出るので数年ごとに場所を変えるのが安全です。

 

鶏頭の花は寄せ植えなどにすると生え方にバリエーションがあり、とても綺麗です。

色や高低差、花の形などを考えて開花した時の様子を色々と考えて植える楽しみがあります。

 

ぜひ試してみて下さいね。

また、切り花は洋風のアレンジメントなどにもピッタリですよ。

鶏頭の花言葉

鶏頭の花言葉は「おしゃれ」「気取り屋」「風変り」「個性」「色あせぬ恋」等があります。

鶏頭の花は真っ赤なトサカを持ち、胸を張って歩く雄鶏のように見えることから「おしゃれ」や「気取り屋」という花言葉が生まれたと言われています。

また、ドライフラワーなどにしてもあまり色あせないところから「色あせぬ恋」という花言葉も生まれています。

(ライター ナオ)