どこか懐かしい香りが漂う金木犀。
日本人には馴染みの深い金木犀ですが、あの黄色い花はいつ頃咲いているのかご存知でしょうか?
金木犀の特徴
金木犀はモクセイ科モクセイ属に分類される小高木です。
中国南部原産で日本には江戸時代に渡来しました。
成長すると10mほどにまでなり、日本では観賞用として公園や庭先などでよく栽培されています。
金木犀の花
金木犀の花は9月中旬~10月下旬に小さいオレンジ色の花を無数に咲かせます。
花が咲いている時のみ強い香りを放ちますが、開花してからは1週間ほどしか花はもちません。
しかし、品種によっては2分咲きのものや四季咲のものがあり1年のうち数回花を楽しむこともできます。
雌雄異株ですが日本には雄株しかありません。花は雄しべが2本と不完全な雌しべを持っています。
花は芳香を放ち、同じ科のギンモクセイよりも強い香りです。
金木犀の香り
金木犀の香りの主成分はβーイオノン、リナロール、y-デカラクトン、リナロールオキシド、cis-3-ヘキセノール等があり、そのうちy-デカラクトンはモンシロチョウの忌避作用があることがわかっています。
金木犀の種類
金木犀は同じモクセイ科に約30種類ほどがあると言われ、そのうち代表的な品種をご紹介します。
ギンモクセイは金木犀の元となった品種で、金木犀に似ていますが金木犀がオレンジ色の花を咲かせるのに対して、ギンモクセイは白の花をつけます。
また、香りも金木犀程香りが強くなく、葉に切り込みがあるのも特徴です。
ウスギモクセイは薄い黄色の花をつけるギンモクセイの園芸品種です。
ぽつぽつと花が日荒木、弱めの香りが特徴です。関西以南には自生も見られ、金木犀と違い雌株も存在していて、果実を実らせます。
シキザキモクシは真夏を避け、1年を通して何度も花が咲く品種です。
オレンジの小さな花が枝の付け根に咲き、爽やかな香りを放ちます。
背丈も大きくなく、花木全体が綺麗な緑色をしていることからよく生け垣などに使われます。
金木犀と同じく日本で栽培されているのは雄株のみ。
ヒイラギモクセイはギンモクセイとヒイラギの雑種と言われていますが、正確にはわかっていません。
葉は硬くて分厚く緑がギザギザしていて1枚4㎜程の花びらを4枚付けるのが特徴です。
秋に花を咲かせ、香りは僅か。
人家の生け垣や公園の庭木として日本各地で植栽されています。
ヒイラギは日本の関西から東アジアに広く分布し、3~6㎜位まで生長する常緑小高木です。
晩秋から初冬に白の花を咲かせ、良い香りがします。
葉は硬く、縁にギザギザした鋭いトゲが9個程度あるのが特徴です。
木が年老いると棘はなくなり、雌株だけでありながら、稀に黒く熟した種子をつけます。
リュウキュウモクセイは琉球列島や台湾、中国南部に分布する常緑の高木で6月に白い花が咲きます。
ヒイラギとギンモクセイの雑種とみなされていて、弱い香りを放ち。温暖地の生け垣などによく利用されています。
金木犀と人間の関わり
金木犀は主にわきとして観賞用に植えられています。
花冠は白ワインにつけたり、茶に混ぜて桂花茶と呼ばれる花茶にしたり、蜜煮にして桂花醤と呼ばれる香味料に仕立てたりします。
鶏卵の色を金木犀の花の色に見立てて名づけられた卵料理も多くあります。
金木犀の花言葉
金木犀の花言葉の謙虚、謙遜は小さくつつましい花の咲き方に由来しています。
また、気高い人は季節の変わり目に降る秋雨の中で潔くすべての花を散らせるところから。
また陶酔という花言葉は金木犀の強い香りに由来します。短い花の期間にその香りに酔いしれるという意味が込められているようです。
(ライター ナオ)