ラナンキュラスという聞きなれない植物をご存知でしょうか。

今回はラナンキュラスについてのお話です。

ラナンキュラスの特徴

ラナンキュラスはキンポウゲ科ラナンキュラス属に分類されるヨーロッパや西アジア原産の草丈20~60㎝程になる植物です。

早春から春の鉢花として出回る球根植物で、薄い紙のような花びらが幾重にも重なって咲くさまは美しく、見ごたえがあります。

花の色は赤やピンク、オレンジ、白、黄色などと豊富で、大輪種では直径15㎝程になるものもあります。

ラナンキュラスの種類

ラナンキュラス属に分類される植物は世界に500種類ほどあると言われていますが、そのうちラナンキュラスの名前がつく植物はラナンキュラス・アシアティクスの一種類だけで、園芸品種のもととなった原種がこのアシアティクスです。

アシアティクスという名前の意味は「アジア産の」という意味ですが、実際にはヨーロッパにもトルコやシリア、イランなどの中近東まで分布しています。

アシアティクスの花の大きさは30~50㎝程で、花弁は基本的に5枚の一重咲きです。

色はオレンジやピンク、白色、黄色などがあります。

 

最近の品種にはアメリカや日本で品種改良されたものが多く、ビクトリア・ストレインは1960年代後半にアメリカの改良種を日本で更に改良した品種。大輪で花色が豊富なのが特徴です。

 

ドリーマーは1970年代後半の品種です。

いくつかの球根から咲く花の数が多く、茎が長いので切り花に向いています。

 

他にはアレキサンダーレッドという、まるでバラを思わせるような八重咲のボリュームのある花びらが魅力の種類や清楚なイメージが素敵なシンプルな白い花を咲かせるラナンキュラスアーサーホワイト。

 

花びらにきめ細かな縁が入るパステルピコティーという品種もあります。

また、丈夫な性質でグランドカバーなどでも利用されるラナンキュラスゴールドコインは、小花ですがギュッと詰まった光沢のある花びらがとても可愛い品種です。

 

ラナンキュラスゴールドカップはランナーで増えていくタイプでカラフルでとても見栄えのする品種です。

少し前の16~19世紀にかけての品種は大きく4つの系統に分けることができます。

 

トルコ系はトルコ宮廷で改良された品種群でその後16世紀にはヨーロッパへ導入されていたと言われています。八重咲の種が多いのが特徴です。

ペルシア系は18世紀初めトルコからヨーロッパに導入されたものを改良した品種。

 

開花の時期が遅く、弱い性質で、草丈が低いものが多いです。

現在栽培されている園芸品種の大元となっている系統。

 

フレンチ系葉18世紀後半から19世紀にフランスで改良され、のちにオランダで再び改良された草丈が高い中輪咲きの種類です。

ピオニー系はフレンチ系から改良された品種で花は大輪です。

次にもっと詳しく、具体的な品種名と共にラナンキュラスを見ていきたいと思います。

ラナンキュラスの栽培方法

ラナンキュラスは北風の当たらない日向で管理します。

耐寒性はあまり強くないので、1~2月の寒い時期は防寒することをお勧めします。

冬の間は蒸れないように管理します。

 

植え付けの時期は10月ころできゅうこんはかるくしめらせたつちに植えます。

植えて4~5日くらいは土の表面が乾いてきたらたっぷり水を与えます。

 

開花中も同様に水やりをし、5月下旬に花が終わり、葉が黄色くなってきたら乾燥気味に管理して、すべての葉が黄色くなったら水やりをストップします。

 

肥料は元肥に緩効性の化学肥料を施し、その後は定期的に液体肥料を与えるようにします。

追肥は3月末頃でやめて、葉が全部枯れて球根だけになった時に球根に余分な肥料分がいかないようにします。

 

灰色カビ病には注意が必要です。

特に開花期にかかりやすいので、花がらはこまめに取り除くのが良いでしょう。

 

また、アブラムシやハモグリバエにも注意が必要です。

種で増やすときは10月に種を蒔きます。

分球の場合は5~6月で、掘り上げた後は球根を洗浄して陰干しします。

(ライター ナオ)