アントシアニンをたっぷりと含んだブルーベリー。

家庭で栽培しやすい品種もあり、家での収穫を楽しんでいる人も多いようですが、ブルーベリーには寄ってくる虫も沢山います。

花の蜜を頼りに寄ってくるハチなどの益虫はもちろんですが、害を及ぼすし、中にはブルーベリーに致命的なダメージを与える害虫もいるので、栽培している人は注意が必要です。

子供達と一緒にブルーベリー栽培を楽しんでいる方はできれば農薬を使いたくない、と思っている方も多いはず。今回はそんなブルーベリー害虫の対策と共に、ブルーベリーによってくる虫について詳しくご紹介します。

コウモリガ

コウモリガはチョウ目コウモリガ科に分類される蛾の一種です。

北海道から九州までの日本、対馬、屋久島などに生息し、日本以外では朝鮮半島、ロシア、中国東北部に分布しています。

 

特徴は大きさが開帳時40~120㎜で、さなぎの体長は40~70㎜で終齢幼虫は80㎜程です。

幼虫がブルーベリーの茎の中に入って芯を食べてしまいます。入り口の外には糞が積もっていたりするので注意深く観察していると発見できます。

 

コウモリガは飛びながら1000~3000程の卵を空中で産卵します。

孵化した幼虫は1年間はいタドリ等の雑草についてその後樹木へ移動するので、予防としては周辺の雑草などの草刈りを細目に行うことです。

また、茎の地際にアルミホイルや新聞紙を巻きつけたり、接ぎ木用のテープを巻き付けて防除している人もいるようです。

シンクイムシ

シンクイムシは鱗翅目のうちの果実や野菜、樹木の芯を食べる主にメイガ科などの幼虫を指す俗称です。

幼虫の体長は12㎜程で、植物の幹や果実などの中に入り食害します。

 

多くの種類がいて、種類ごとにつく植物なども変わってきます。

ヤマメやイワナ、ニジマスなどの渓流釣りの釣り餌としても使われることの多い虫です。

 

発生時期は4~11月頃で、一年のうちに数回繁殖をしますが、最も大量に発生するのは夏頃です。

予防として寒冷紗などでブルーベリーを覆ったり、成虫が卵を産みつけやすい葉の裏を細目にチェックしたり、込み合った葉をすくといった対策も有効です。

カイガラムシ

カイガラムシはカメムシ目ヨコバイ亜目カイガラムシ上科に分類される昆虫の総称です。

日本に分布する代表的なものはハカマカイガラムシ科、ワタフキカイガラムシ科、コナカイガラムシ科、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科等があります。

 

樹液を吸って樹勢を低下させるだけでなく、排泄物からスス病を引き起こします。

幼虫は6月頃に発生します。

 

枝についたカイガラムシは発見の都度手で取り去って駆除しましょう。

一般的には休眠期に石灰硫黄合剤やマシン油乳材で繁殖を抑える防除が一般的。

イラガ

イラガはチョウ目イラガカニ属する昆虫及びその総称です。

幼虫は7~8月頃に発生し、多い年には10月頃に再び現れることもあります。

 

体長は25㎜程で足が短くずんぐりした体に多くの棘を持っています。

卵は葉の裏に産み付けられ、幼虫もそこにいることが多いので普段から注意して葉裏を見ることが必要です。

コガネムシの幼虫

コガネムシの幼虫は5月以降発生します。

根を食害するので最悪の場合はブルーベリーの木が枯れてしまうこともあります。

 

コガネムシの幼虫には椿油粕やインテリアバークなどの効果があるようです。

成虫は葉を食害しますので、いずれにしても早めの対策が必要です。

 

他にも害虫としてハマキムシやアザミウマ、マイマイガの幼虫やアメリカシロヒトリ、キバラケンモン、尺取虫などが挙げられます。

益虫として上げられるのはマルハナバチやクロマルハナバチ、キムネクマバチ、ハナアブ、ガガンボ、ナミテントウなどです。

(ライター ナオ)