モウセンゴケは日本に自生する食虫植物の一種です。
わりあいメジャーなので、日本を代表する食虫植物といってもいいかもしれません。
画像や本物をみると、どこかで見たような気がするなと思うのではないでしょうか。
ところでモウセンゴケに花は咲くのでしょうか?
モウセンゴケの特徴
モウセンゴケの種類は120種ほどあります。栄養の少ない湿地帯などに分布し、オーストラリアや欧州などほぼ世界中に自生しています。
日本では尾瀬ヶ原などの観光地でもモウセンゴケを見ることができます。
日本に自生しているとされるモウセンゴケ科モウセンゴケ属は4つほどだとされます。
ホームセンターなどでみかけるモウセンゴケは多くの場合、ドロセラ、という表記がついています。
モウセンゴケはモウセンゴケ科モウセンゴケ属の植物で属名のdroseraは露の多い、という意味だそうです。
生息地や種類によって姿かたちや生態が異なるモウセンゴケですが、日本で見られる一般的な姿は次の通りです。
モウセンゴケの葉は放射状に密生しています。まだ小さいうちは茎まで赤っぽく見えます。
茎についている葉の様な部分から赤い線状の毛が出ており、そこには露の様なものが見えます。
葉のような部分は丸く厚みがあるようにみえます。
赤いものは花ではなく獲物を捕らえるための繊毛です。露は甘い香りを出すといわれる粘液です。
モウセンゴケの花は6月から8月ころに咲きます。
モウセンゴケの茎はくるくる丸まっていますが10cmほどの花茎をまっすぐ伸ばし、10~15mmほどの小ぶりの白い花を下から順番に咲かせます。
5片の花弁の花です。ややバラ科のリンゴの花を思わせる姿です。東海地方などのモウセンゴケの花はピンク色のようです。
モウセンゴケの捕食と花
モウセンゴケは粘液につられて近寄ってきた昆虫を捕虫葉とよばれる部位で捕らえます。
大きい虫は約1週間ほどかけてゆっくり消化します。
捕えてから消化吸収に至るまでは、じっと見ているとスローモーションの画像を見ているように見えます。
昆虫も一応翅を動かしたりして逃げようとしているように見えますが、モウセンゴケの赤い繊毛が虫に向かってゆっくり曲がり、徐々に動かなくなります。
モウセンゴケの動きはゆっくりなのですが、それが奇異な感じですね。
餌にならないものを入れても反応しないので、何か別のものがモウセンゴケに捕食されてしまうことはありません。
モウセンゴケの粘液中にはタンパク質を分解する酵素が含まれており、消化したのち繊毛を通じて栄養素を吸収します。
モウセンゴケはトンボを好むといわれます。消化には時間がかかることもあるようですが栄養価が高いのでしょうか。
モウセンゴケの発芽
モウセンゴケは意外にも種子植物です。種子は1mmほどで水分のあるところだと発芽します。
緑色の小さい茎や赤い繊毛がのびてくる発芽の様子はとても綺麗です。
食虫植物の種類
食虫植物の獲物の捕らえ方には3つのタイプに分けられます。
モウセンゴケやムシトリスミレのように甘い香りと粘着液でとらえるもの、ハエトリソウは罠仕掛け、ウツボカズラは落とし穴タイプです。
どれに引っかかっても、昆虫は逃れることはできずにじわじわ消化されて栄養をとられることになります。
また、寒冷地に生息するもの、温帯性のもの、熱帯性のもの、塊茎性のものなどにもわかれます。
どこにでも生息できる植物のようです。モウセンゴケは栄養の少ない土壌でも育ちます。
種子も根もあり光合成も行いますので、昆虫を捕食しなくても生育は可能ですが、不足分を昆虫で補っているものと考えられています。
自生するモウセンゴケ
日本に食虫植物が自生している、というとちょっとびっくりしてしまいますね。
見た目は明らかに植物ですが、生態は動物のようです。
毛氈苔、と苔がつく名前ですが、苔ではなく被子植物であり種子植物の一種です。
そしてモウセンゴケの花は意外に可憐です。
(ライター:おもち)