近頃はジュースなどでも定番のフレーバーとなった「シークワーサー」。
なんとなく「南国の柑橘系フルーツ」というイメージくらいはあるけれど、どんな果物なのか詳しいことは全く知らないという人も多いでしょう。
そこで今回は、そんなシークワーサーの生態や栽培方法、美味しい食べ方など、様々な観点から詳しく見ていきたいと思います。
シークワーサーってどんな果物?
シークワーサーは琉球諸島および台湾に自生するミカン科の植物。
変わった名前をしていますが、「シー」は沖縄方言で「酸い」、「クワス」は「食わし」という意味で、シークワーサーとはつまり「酸食わし」という意味になります。
その名の通り、とても酸味が強いのが特徴。
シークワーサーと言えば緑色で酸っぱいというイメージがありますが、じつは熟した実はオレンジ色で甘いんですよ。
ただ、通常はまだ熟していない緑色の時期に収穫をするので、「シークワーサー=緑色のフルーツ」というイメージが強いのです。
シークワーサーの歴史は琉球王国時代(15世紀から19世紀)にまで遡ります。
その時代、沖縄では芭蕉布と呼ばれる織物の生産が盛んに行われていました。
この芭蕉布を織り上げる際、シークワーサーの果汁で洗うと布が柔らかく肌触りも良くなることから、芭蕉布の生産には欠かせない存在だったのです。
その他にも様々な料理に使えるなど、とても使い勝手の良いフルーツだったので、多くの家で庭や畑に植えられていたそうです。
シークワーサーの栽培方法
沖縄の植物なので、沖縄以外では育てにくいかな?と思われるかもしれませんが、じつはある程度寒さにも強く、-5度くらいまでなら耐えることができるんですよ。
そうは言っても、やはりシークワーサーは暖かい気候を好むので、基本的には鉢植えで冬になると室内で育てるというのがおすすめです。
西日本などの暖地で育てる場合には地植えも可能ですが、日当たりがよく風が当たらない場所に植えるようにしましょう。
植え付け時期は霜や風がおさまる3~4月頃。
1~2年目は肥料を多めにやり、3年目以降は少し控えると実の付きが良くなります。
日がよく当たる方が果実の甘みが増すので、毎年3月頃には枝が込み合う部分を剪定してあげてください。
土が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。
収穫時期は8月から翌年の2月。
まだ青く酸っぱい果実を求めるならば8~9月頃、甘く熟した果実を求めるならば12月~2月に収穫します。
旬の時期と美味しい食べ方は?
シークワーサーは、どのような食べ方をするかによって旬が違います。
先ほども少し触れましたが、レモンの変わりに酢の物などに使う場合は8~9月、ジュースなどにする場合は10月~12月、生食用にする場合には12月~2月頃が旬となります。
それでは、ここからシークワーサーの美味しい食べ方を紹介していくので、参考にしてみてくださいね。
レモンやスダチの代わりに使う
まだ青い酸味の強いシークワーサーは、様々な料理に調味料として使うことができます。
焼魚や唐揚げにかけたり、醤油と合わせてオリジナルぽん酢を作ったり、酢の物に使ったり。
レモンよりもフルーティーでスダチよりも癖がない味です。
飲み物に使う
絞った果汁を水や炭酸水で割ったジュースや、大人ならば焼酎や炭酸水と合わせてサワーやカクテルを作るのもおすすめ。
沖縄では泡盛にシークワーサーを絞って飲んだりもするそうです。
他のフルーツや野菜と合わせてスムージーなどにすると、爽やかで飲みやすい味になりますよ。
スイーツ
熟したシークワーサーはスイーツにもぴったり。
ゼリーや寒天にするとより爽やかで涼し気なデザートになりますし、ジャムにしてケーキなどに混ぜるのもおすすめです。
シークワーサーについてのまとめ
シークワーサーに多く含まれている「ノビレチン」という成分は、「血圧上昇抑制」「血糖値上昇抑制」「動脈硬化予防」「脂質代謝改善効果」「基礎代謝アップ」「コレステロール値低下」などなど、様々な効果が期待できる成分なんです!
他の柑橘類にも含まれているのですが、シークワーサーの含有量は群を抜いています。
美味しくて、しかも体に良いシークワーサー。
自分でも栽培してみて、フレッシュな味を楽しんでみてはどうでしょうか。
(ライター もんぷち)