皆さんクロッカスという花はご存知でしょうか?

庭植えはもちろん、室内で涼し気に栽培されているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

今回はそんなクロッカスについてのお話です。

クロッカスの特徴

クロッカスはアヤメ科クロッカス属に分類される総称です。

耐寒性秋植えの球根植物で、原産地はヨーロッパ南部から地中海沿岸、小アジアです。

香辛料として使われるサフランと混同されることも多いクロッカスですが、サフランは秋に咲きます。

このことからクロッカスのことを春サフランということもあるようです。

 

サフランの香辛料は秋咲きのクロッカスのめしべを乾燥させたものということになります。

早春に咲き、球根は直径4㎝くらいで根生葉は革質の鞘に覆われていて、細長く、花の咲き終わった後に良く伸びます。

 

花はほとんど地上すれすれのところに咲き、黄色、白、薄紫、紅紫色、白に藤色の絞りなどがあります。

開花時の葉の長さは花の高さと同じか、低いくらいですが、花が咲き終わった後は一気に伸びて茂ります。

花後に茂った葉は球根に栄養を与え、その後枯れて休眠に入ります。

クロッカスの水栽培方法

クロッカスを水栽培で育てるときにはまず水栽培専用の容器を用意します。

時期としては9月下旬から11月頃が適しています。

 

よく太った球根を容器の中に入れ、水は球根の根が出る部分すれすれまで入れるようにします。

球根に水がつくと腐ってしまうので、このギリギリのラインが必要です。

 

最初は日陰で管理して、1か月ほどして根が十分に伸びてきたら、明るい場所に移動します。

その後は根の先端にかかる程度の水をこまめに交換します。

 

植えて最初の2週間は十分に乾季に触れさせることが大きなポイントになります。

1月の中頃までは屋外などの気温が15℃以下になる寒い場所に置くと花芽を十分につけます。

 

その後は風通しが良く、湿度のあまり高くない環境で管理するのがベストです。

春には花を咲かせますが、水栽培の場合は1年で消耗してしまうことも多い様ですが、地植えして2年ぐらい管理すると花を咲かせることもあるようです。

クロッカスの水栽培には通常透明なガラス製の容器が使われます。

 

水栽培が初めてで、よくわからないという人はクロッカス専用の容器があるので、それを購入すると安心です。

球根が一つだけ置けるものから、数個まとめて置けるものまで販売しています。

 

グラスやワインボトルなどでオリジナルの容器を作って楽しむのもクロッカスの水栽培の楽しみの一つでもあります。

こまめに水を変えることと、段階ごとの置き場所に気をつければ、比較的簡単に楽しむことが出来ます。

 

水栽培ではなく、庭植えや鉢植えなどで楽しむことが出来るのが、クロッカスのよいところ。

特に寄せ植えなどでも独特の存在感を放ち、また色々な色を混ぜて彩る花壇植えも可愛らしく、人気があります。

クロッカスの花言葉

クロッカス全般の花言葉は「青春の喜び」「切望」で、「青春の喜び」という花言葉は古くヨーロッパに春の訪れを告げる花とされてきたことに由来しています。

「切望」の花言葉は暖かい春を待ちきれずに早春に花を咲かせる様子から言われています。

 

クロッカスには複数の色があり、その花色によって花言葉も違ってきます。

紫色のクロッカスには「愛の後悔」、黄色には「私を信じて」という花言葉があり、これらはギリシャ神話からきていることが多いようです。

 

黄色や紫色のクロッカスの花言葉は美青年のクロッカスが羊飼いの娘、スミラックスと恋に落ちたお話からきています。

二人の結婚が許されなかったことで、2人は命を絶ってしまいます。

それを哀れんだ花の女神フローラが青年をクロッカスの花に、娘をスミラックスの花にかえたというもので、2つの花言葉の由来ともいわれています。

(ライター ナオ)