キンセンカ、よく聞く名前ですが、この花を思い浮かべることはできますか?

今回はキンセンカについて詳しくお話していきます。

キンセンカの特徴

キンセンカはキク科キンセンカ属に分類される植物です。

別名はカレンデュラ、ポットマリーゴールド、また冬しらずなどと言われることもあります。

原産は地中海沿岸で、北アメリカ、中央アメリカ、南ヨーロッパなどで栽培されています。

 

南ヨーロッパには15種類ほどが分布していると言われ、春咲きの一年草として扱いますが、宿根草タイプの花は冬を越すので、冬しらずの名前で市場に出回っています。

かつてはキクと同じ扱いをされ、仏花のイメージの強かったキンセンカですが、ガーデニングブームの中、現在は寄せ植えや花壇にも利用されています。

 

草丈は30~90㎝程になり、開花の時期は3~6月です。

葉は長さ5~18㎝の単葉で、しばし荒い毛が生えています。

キンセンカの花

花茎1㎝程のものから10㎝ほどのものまでさまざまなタイプがあります。

オレンジ色や黄色の花を咲かせ、金の盃という意味でつけられた名前の通り、鮮やかな色で人目を惹きます。

花容は一重や八重、または中心に黒のスポットのあるものまで多彩。

日本では観賞用として花壇に植えられることが多い花です。

キンセンカの利用

ヨーロッパでは原種がハーブの一つとして扱われ、食用にもなります。

また、キンセンカを使った軟膏は火傷やニキビなど幅広い皮膚のトラブルの治療薬として使われたり、花びらはサフランの代用品として使われることもあります。

キンセンカの栽培

キンセンカは日当たりのよい場所で育てます。

日当たりの悪い場所は花付きが悪くなります。

 

耐寒性は強い方ですが、寒風や霜には弱く、葉先が枯れてしまうので注意が必要です。

霜の心配がある場合は室内に取り込むか、防寒対策が必要です。

 

植え付けは秋で、ポット苗をプランターに植えます。

寒さの厳しい地域では春になってから植え付けるようにした方が無難です。

 

プランターに植え付ける場合の目安は65㎝のプランターに4株くらい。

花後に枯れてしまうので、一度植え付けたら植え替えの必要はありません。

 

水は土の表面が乾いてきたらたっぷりと与えるようにして、肥料は植え付けの時に緩効性の肥料を混ぜ込んだ土に植えつけるようにし、鉢植えの場合はその後10日に1回くらいの液体肥料を与えるようにします。

 

あまり窒素分の多い肥料を与えるようにすると花付きが悪くなったり、病気になったりするので注意が必要です。

花は3~6月に開花します。

 

花が終わった後の花がらはこまめに摘むようにします。

種を取りたい場合は花をそのままにし、種を採取します。

 

キンセンカの種は寿命が長く、5年経った種でも発芽します。

ただし、発芽率は年々落ちてくるので、採取した種はその年に蒔くのが良いでしょう。

 

ウドンコ病や害虫、ヨトウムシなど風通しが悪いと発生しやすい病気がいくつかあります。

ウドンコ病は葉の風通しが悪いと茎、蕾に小麦粉をまぶしたようなカビが発生します。

 

株と株の間を詰めすぎると風通しが悪くなるので注意が必要です。

ヨトウムシは夜になると土から這い出してきて、葉や茎を食い荒らす虫です。

 

夜に懐中電灯などを照らして株をまんべんなくチェックし、見つけたら捕殺するのが確実です。

オルトランなどの殺虫剤も有効ですが、あまり大きくなったものには無効です。

キンセンカの花言葉

キンセンカの花言葉は「別れの悲しみ」「悲嘆」「寂しさ」「失望」などで、これらの花言葉はギリシャ神話からきていると言われています。

許されない恋を怒った王が自分の娘を殺したことを後悔し、空を見つめていたところキンセンカに姿を変えてしまったという神話で、プレゼントなどには向かない花のようです。

(ライター ナオ)