皆さんは「秋の麒麟草(アキノキリンソウ)」という植物を知っていますか?
なんだか変わった名前ですね…別名「アワダチソウ」とも呼ばれるので、そちらの方を聞いたことがある人は多いかもしれません。
小さく黄色い花を咲かせる植物で、名前の通り秋の花ですが、どことなく菜の花にも似た雰囲気がありますね。
今回はそんなアワダチソウについて、生態や雑学などをまとめていきたいと思います。
アワダチソウの生態
アワダチソウは日本の固有種であり、国内では北海道から沖縄まで広く分布しています。
ただし、山地から高山にかけての草地や土手などで育つので、目にしたことがない人も多いかもしれません。
草丈は20~80㎝ほどで、茎の先に小さな黄色い花を穂状にたくさんつけます。
「アワダチソウ」という名前は、花がまるで泡立つように咲くことから(または、酒が発酵して泡立つ様子に似ていることから)名付けられました。
ちなみに、「秋の麒麟草」という名前は、初夏から夏にかけて咲く「麒麟草」という植物に似ていることから来ています。
さらに英名では「ゴールデンロッド」と呼ばれているそうで…なんだか魔法使いの装備みたいな名前でカッコいいですね!
RPGで言えば、結構レベルが上がらなければ装備できない、レア武器という感じがします。
「秋の麒麟草」という名前からも分かるように、開花時期は8月から11月にかけての秋の間。
秋の野花を代表する植物です。
自生している多年草というだけあって、日本の気候に適応しており、栽培もさほど難しくありません。
日当たりの良い場所でさえあれば、暑さにも寒さにも強く、良く育ちますよ。
また、古くは観賞用としてだけではなく、薬としても利用されてきました。
その他にも食用として食べることもでき、若苗の葉を天ぷらやおひたし、和え物などにして食べることができます。
「セイタカアワダチソウ」とは別物
みなさんがよく耳にするのは、「アワダチソウ」よりも「セイタカアワダチソウ」ではありませんか?
セイタカアワダチソウは繁殖力が強く、身近な河原や野原などで頻繁に目にしますよね。
同じものだと思われがちですが、じつは両者は近縁種ではあるもの、別の植物なのです。
セイタカアワダチソウは北アメリカが原産であり、かつて日本に切り花用として導入されてから、その繁殖力のすさまじさで帰化した植物です。
アワダチソウとの違いは、名前の通りその草丈。
アワダチソウが80㎝ほどまでしか成長しないのに対し、なんと1m~2mにもなるのです。
また、よく似てはいるものの、花や葉の付き方も違うので、見比べれば別種であることはすぐにわかりますよ。
花粉症の原因であると思われることも多いですが、それは「ブタクサ」と似ているために起こった勘違いです。
ブタクサは花粉を飛ばしますが、セイタカアワダチソウは虫により受粉を行うので、花粉を飛ばしません。
よって、花粉症の原因ではないのです。
アワダチソウの花言葉
花言葉は「警戒」「用心」「要注意」。
全部同じような意味ですね…。
とても可愛らしい花ですが、あまり人への贈り物には向いていなさそうです。
相手がこの花言葉を知ってしまったら、気分を害してしまう危険性アリですね。
スパイなどが危険を知らせるために秘密のメッセージを込めるような場面では活躍するかも?
現実ではまずそんなシチュエーションは皆無ですが。
アワダチソウについてのまとめ
日本の固有種であり身近な植物であったアワダチソウですが、近年ではセイタカアワダチソウの知名度が高すぎて、あまりスポットを浴びない存在になってしまいました。
今一度、その美しさを見直してみてはいかがでしょう。
栽培まではしなくても、散歩やハイキングなどに行った際に、意識して探してみるのも楽しいかもしれませんね。
(ライター もんぷち)