石~~焼き~~芋~~♪の声が道路から聞こえると思わずその声を聞いただけで何となくほっこりと暖かい気持ちになるもの。
冬に一度は聞く、日本の文化です。
そんなさつまいもについて詳しくお話しします。
さつまいもの特徴
さつまいもはヒルガオ科サツマイモ属の植物です。
原産地は南アメリカ大陸、ペルー熱帯地方とされています。
花はピンク色で朝顔に似ています。鈍感な短日性なので本州などの温帯地域では開花しづらく、品種や栽培条件によっては稀に開花する程度です。です。
さつまいも栽培の歴史
サツマイモは大航海時代にイタリアのコロンブスが1498年にベネズエラを訪れて以降、1519年にはポルトガルのマゼランがスペイン船隊を率いて南端のマゼラン海峡を発見し、16世紀に頻繁に南アメリカ大陸にやってきたスペイン人やポルトガル人によって東南アジアに導入されてフィリピンから中国を経て1597年に宮古島へと伝わりました。
17世紀の初めころには琉球、九州、その後八丈島、本州へと伝わり、アジアにおいて外来植物とされています。
現在、日本における主産地は鹿児島県、茨城県、千葉県、宮崎県、徳島県が全国トップ5でこのうち上位の4県で全国の8割の生産量を誇っています。特に鹿児島県は全国の生産量の約4割弱を生産しています。
鹿児島県ではでんぷん原料用としての作付けも多く、台風などにも強いサツマイモは広い範囲で生産されています。
沖縄や奄美群島、トカラ列島、小笠原諸島のサツマイモに関する苗や生塊根などの持ち出しはイモゾウムシやサツマイモノメイガなどの害虫の拡散を防ぐため国内間でも検疫が行われています。
世界的にみると最も生産量が多いのは中国で全生産量の75%ほどもあります。次いでナイジェリア、ウガンダ、インドネシア、ベトナムとなっています。主食となる芋類の中ではジャガイモ、キャッサバに次ぐ生産量です。
さつまいもの旬の季節
サツマイモには多くの種類があり産地も様々なので旬の季節は9~12月ということになります。
鹿児島県などでは晩夏に収穫され秋に市場に出回りますが、関東地域では晩秋に収穫し、冬になってから市場に出回ります。
収穫直後は甘みがのらないので1ヵ月以上熟成されたのちに市場にだされます。
産地ごとの旬と生産量は鹿児島県が9~11月で295100t、茨城県が12~2月で165500t、千葉県が10~1月で105200tです。
さつまいもの種類
普段あまり品種を気にすることはないかもしれませんが、実は市場に出回っているサツマイモには多くの種類があります。
紅あずまは全国的に最も作付け面積の広く、大量に生産されている品種で1985年に品種登録された比較的新しいさつまいもです。東日本では焼き芋や蒸し芋といえば紅あずまを使うことが多いようです。
特徴は紫色のかかった濃い赤色の皮、実は黄色く繊維質が少なめです。ほくほくしてねっとりしているのが人気の秘密のよう。
次に生産量が多いのはコガネセンガンで芋焼酎の需要が高まるのに比例し作地面積が拡大している品種です。品種の歴史としては古く1966年に品種登録されています。生鮮品としての扱いはほとんどなく、主に焼酎の原料として使われていることがほとんどです。適度な糖度とでんぷんの含油量に加えて香り高いのがポイントです。
他にも高系14号、シロユタカ等、最近人気の品種としては紅あずまの品種の中でも優良なものを選んで育成された品種の紅こがねもあります。
鳴門金時や安納芋などはブランドサツマイモとして有名です。鳴門金時はほくほくとしている甘いタイプの昔ながらの味わいで、安納芋は蜜がたっぷりと入った糖度の高いねっとりとした食感が人気の話題の品種です。
(ライター ナオ)