オブリザタムという花をご存知でしょうか?
名前を聞いたことがなくても、花屋さんなどで一度は見たことがある人も多いかもしれません。
今回はそんなオブリザタムについて詳しくお話していきます。
オブリザタムの特徴
オブリザタムはラン科オンシジウム属の植物の一種です。
コスタリカ、パナマ、コロンビア、ペルーに分布している常緑性の多年生草本、着生植物です。
着生植物に特有の偽鱗茎(茎の節と節の間から出る貯蔵器官)は扁平な卵形をしていて、縁には稜があり、長さは5~10㎝程。
偽鱗茎の先端には1枚の葉があり、長さは10~35㎝程の蝶楕円状舌形をしていて、革質です。
オブリザタムの花
オブリザタムの花の時期は春で、花茎は長く直立しています。
長さは50~100㎝に達し、花茎はよく分岐して多数の花をつけます。
花は小さくて径が2㎝ほど、花弁も細く、新弁は扇形をしていますがさほど平がらず、花の地色は淡黄色でその上に栗褐色の斑紋が入ります。
花が小さく色も形も地味ですが、個々の花が多数集まる姿がカスミソウにも似ています。
香りがあり、開花期間も長いのも特徴です。
オブリザタムの栽培
オブリザタムは直射日光が苦手です。
風通しの良い明るい日陰で管理すると良いでしょう。
土の代わりに基本、ミズゴケを使います。
水やりはミズゴケが乾いてきたら、霧吹きでたっぷりと全体に水を与えます。
春と秋は成長期なので、根元にもたっぷりと、それ以外の季節は根から水を吸い上げる力は弱いので、根だけにやっていると乾燥してしまいます。
そういう時は、葉全体に霧吹きで湿らすのが良いでしょう。
真夏は一日2回、朝と夕方、冬は2週間に1回程度で大丈夫です。
春に新芽が伸びてきたら、液肥をあげます。
冬は生育が止まっているので一切肥料を与えません。
オブリザタムはラン科の植物の中では比較的耐寒性があります。
5~10℃の気温があれば、越冬されることが出来ますので、室内で上手に管理してみてください。
植え替えや移植は3~4月に行います。株分けもこの時期が最適です。
カイガラムシやアブラムシがつくことが稀にあるので、見つけ次第早めに駆除するのが良いでしょう。
オンシジウム属
オブリザタムの属するラン科のオンシジウム属は非常に多いラン科の属の中でもとりわけ種類の多い属で、その数は役400種類を超えると言われています。
樹上で着生生活を営み、洋ランとしても広く親しまれているのです。
オブリザタムはその400種のうちの一つで、オンシジウムの中では小さな花をつける種類です。
オンシジウム属の花ではオンシジウムも有名です。
オンシジウは華やかな黄色い花をつけ、花も比較的長い時期咲き続けるので、切り花としても良く利用されます。
初心者でも栽培しやすく、種類も小型で香りのよいものから、大型でボリュームたっぷりに開花するものまでいろいろあるので、様々なタイプの花を楽しむことが出来ます。
オンシジウム・トゥインクルはクリーム色の花をつけてバニラの香りがする小型の交配種で、大変育てやすく、よく増えます。
細かな花を稲穂のようにつけ、開花することに葉花の重みで枝が垂れ下がるようになり、人気のある品種です。
オブリザタムのまとめ
オブリザタムはラン科オンシジウム属の植物の一種
コスタリカ、パナマ、コロンビア、ペルーに分布している常緑性の多年生草本、着生植物。
ラン科のオンシジウム属は非常に多いラン科の属の中でもとりわけ種類の多い属で、その数は役400種類ほどある。
花は小さく色も形も地味ですが、黄色の2㎝程の花が密集すると黄色のカスミソウのような雰囲気で、切り花としても人気がある。
耐寒性があるので比較的栽培しやすい。
(ライター ナオ)