フェンネルは胃腸をすっきりさせる効果がある事から、ハーブティーなどに利用されています。
ハーブといわれる草本植物の中でも、古くから利用されていたもののひとつだそうです。
フェンネルの栽培に関する話です。
フェンネルについて
フェンネルの原産は地中海地方といわれています。
欧州南部からアジア西部には古くから自生していたようで、古代ローマやエジプトなどで強壮用や健胃効果などの為既に栽培されていたようです。
健胃効果というのは胃腸によい、という意味です。耐寒性もあり、比較的育てやすい植物です。
フェンネルは、葉や花、種類によっては根株まで利用できるハーブでもあります。
葉は柔らかく明るい黄緑色で人参の葉のように細かく密集しています。
香りが強く、ウイキョウともいわれます。
魚料理によく使われる気がしますが、和名のウイキョウ(茴香)は魚類の香りを回復させる、という由来があるようです。
栽培用として流通しているフェンネルの種類は、スィート・フェンネル、フローレンス・フェンネル、ブロンズ・フェンネルのようです。
多いのはフェンネルの基本種であるスィート・フェンネルではないかと思われます。
フローレンス・フェンネルは最も根株が発達する種であり、フィノッキオと呼ばれイタリアなどでは食用になります。
日本国内でも、宮城県などでは栽培されているようですね。
フェンネルの栽培
フェンネルは鉢植えでも庭に植えてもいいようです。
鉢植えの場合、フェンネルは根を地中深くはる植物の為、30cmくらいは深さがある鉢に植えます。
日当たりが良く水はけのよい土壌を好みます。土に直接種を蒔く、直蒔きです。お水はたっぷりあげます。
肥料
フェンネルの年間スケジュールは種蒔きが3月下旬から5月、苗から植え付ける場合は3、4月頃にします。
フェンネルは発芽させるのが容易なので、種子から生育した方が良さそうですね。
開花は7月から9月くらいまでです。
小ぶりで黄色の可愛い花が咲きます。
背丈は最大で2mにもなるようです。
どんどん成長するようですが、茎が柔らかいので背が高くなると倒れやすくなります。
伸びすぎるようであれば、枝先を少し切るか、支柱をつけます。
葉が密集しすぎた場合、少々葉を間引いて日当たりを良くします。
フェンネル栽培の注意点など
肥料は特に必要がないくらいです。
あまりに栄養をあげ過ぎると、フェンネルは育ちすぎてしまう傾向があります。
一般的に大きくなりやすいので、他の植物と寄せ植えにすると全てがフェンネルに覆われてしまう事もあります。
特に同じセリ科のディルとは寄せ植えしない方が良いようです。
フェンネルは根っこのみの姿で越冬します。
見た目が枯れたようでも、気温が上がればまた盛り返します。
枯らしてしまった、と早とちりしないように気をつけましょう。
フェンネルは地中の株の部分がびっくりするほど大きくなる植物です。
フローレンス・フェンネルを育ててこの根株を収穫したい場合は、根株の周りを土で覆います。
そこから出ている茎の部分まで土で覆い、日が当たらないようにします。
つきやすい害虫はカメムシやアブラムシなどです。夏の時期にやってくるので、対策を講じましょう。
フェンネルの採取
フェンネルの葉は、冬季を除いてほぼ一年中摘む事ができます。
よく見かけるフェンネルシードは、花が終わった時期に採取します。
フェンネルシードはアイボリーに茶色い縞模様のような感じのものですね。
クミンシードによく似ています。
収穫のタイミングは花の黄色い部分が終り、下の基部といわれる部分に筋が入ってきたかな、というくらいの頃合いです。
上から袋をかぶせて花こと取ります。
塩水で洗うと汚れが取れて良いようです。
一週間ほど乾燥させ、茎から種子を取りそれを使用します。
種子といいますが、花のあとに取れるものなので実際は果実です。
フェンネルの効能
フェンネルは胃腸を整える効能がある事からお茶や料理に使われます。
粉状の胃腸薬にも配合されている場合があります。
フェンネルは好きな人は好きだろうな、というような独特の風味があります。
多くの場合、魚のホイル焼きなどに使われますが、クッキーなど普通の焼き菓子に入れても美味しいです。
割と甘みが強いレシピと合う気がします。
サラダなどにフェンネルシードを入れる場合は、空煎りしてから入れます。
フェンネルシードも含めて、全草をハーブティーにする事もできます。
フェンネルは比較的強い作用があるので、妊婦さんは飲用を避けましょう。
フェンネルシードをそのまま噛むと消化促進効果があるとされています。
他、二日酔いにも効果があるそうですよ。
フェンネル
花も綺麗なハーブですね。
フェンネルは花の部分の茎が短く、放射状に細かい花をつけますが、傘形花序というそうです。
散形花序ともいい、ヒガンバナやサクラソウなどと似た花の付け方です。
フェンネルの花言葉は「称賛」だそうです。
(ライター:おもち)