日本の夏を彩る紫陽花。

じめじめとした日本の夏を風流なものにしてくれる花でもあります。

今回はそんな紫陽花についてのお話です。

紫陽花の特徴

紫陽花はアジサイ科アジサイ属の落葉低木の一種で、原種は日本のガクアジサイで原産地も日本。

ヨーロッパに渡り品種改良されたものはセイヨウアジサイと呼ばれます。

樹高は1~2mで葉は光沢のある淡緑色、葉脈ははっきりとした卵形で周囲は鋸歯状になっています。

紫陽花の花の季節と色

紫陽花の花は5~7月で赤紫から青紫色の花を咲かせます。

手毬状をなした花は観賞用として庭園や公園などに植栽されてきた歴史があり、初夏や梅雨時期の風物詩となっています。

 

一般的に花と言われている部分は装飾花で、中央にある極小の多数の両性花には退化した雄しべ10本と雌しべ3~4本があります。花びらに見えているのは蕚でガクアジサイでは密集した両性花の周囲にいくつかの装飾花が見られる程度ですが、アジサイやセイヨウアジサイの場合はほとんどが装飾花で覆われています。

花の色はアントシアニンという色素によるもので、紫陽花にはその一種のデルフィニジンが含まれています。

これに補助色素とアルミニウムのイオンが加わると赤色の花となります。

紫陽花の花の色は土壌の酸性度によって変わってきます。

一般的に酸性ならば青色に、アルカリ性ならば赤色になると言われ、アルミニウムが根から球種されやすいイオンの形になるかどうかに酸性度が影響するからだと言われています。

 

つまり、土壌がより酸性に傾いているとアルミニウムがイオンとなって土の中に溶けだして紫陽花に吸収され、花のアントシアニンと結合して青色を呈し、逆に土壌が中性やアルカリ性であればアルミニウムは溶けださずに紫陽花に吸収されないので花の色は赤色になるというわけです。

花は開花から徐々に色を変え変化します。

 

最初は花に含まれる葉緑素のため薄い黄緑色を帯びていますが、それが分解されていくと共にアントシアニンや補助色素が生合成されて赤や青に色づいていきます。

更に日数が立つと有機酸が蓄積されていくので、青色の花も赤味を帯びるようになってきますがこれは花自体の老化によるもので、土壌の変化とは関係なく起こります。

花を咲かせるときに自分のイメージした色にしたい馬場愛、花を大色にしたい場合は酸性の肥料やアルミニウムを含むミョウバンを与えると良いでしょう。

紫陽花の種類

ガクアジサイは房総半島、三浦半島、伊豆半島、伊豆諸島、北硫黄島などの海岸に自生し、ハマアジサイとも呼ばれれています。

高さは2m程度ですが4mに達することもあり、花序は多数の両性花を中心として装飾花が周りをふちどります。

 

花序の直径は12~18㎝、装飾花は直径3~6㎝で色は白、青、淡青緑色、または淡赤紫色で両性花は濃紫色です。

紫陽花の品種にはマダム・E・ムイエルやニンフという白花の園芸品種やアミ・バスキエと言われる赤花種、ミセスヘプバーンやエンジアンダムと言われる青花種、ウズアジサイと言われる花弁が丸みを帯びている品種等があります。

紫陽花の育て方

紫陽花は黒土を主体にして堆肥などの有機質を加え、通気性と保湿を得るために鹿沼土などを混ぜて用います。

耐陰性もありますが、花付きを良くするためには日当たりの良い場所が適切で、やや湿り気のある肥沃な土壌を好みます。

 

庭植え、鉢植えに限らず水切れには注意し、土が乾きすぎるようだと生育や花つきが悪くなります。

うどんこ病やモザイク病、斑点病、炭そ病などの病気になりやすく、うどんこ病を予防するには混んだ枝葉を剪定して通風を良くするようにします。

また害虫のオオミノガ、カイガラムシ、アブラムシなど春から夏にかけて発生することがあるので注意が必要です。

(ライター ナオ)