独特の香りが何とも爽やかな柚子。
疲れた時にかぐ柚子の香りは気分転換やリフレッシュにもなります。
今回はそんな柚子について詳しくお話します。
柚子の特徴
柚子はミカン属の常緑小高木でかんきつ類のひとつです。
ホンユズとも呼ばれていて、日本は消費量も生産量も世界最大。
原産地は中華人民共和国中央と西域で、揚子江上流の原産であると言われています。
日本の歴史書に飛鳥時代、奈良時代に栽培していたという記載があります。
日本では東北地方以南で広く栽培されています。
直立して大木になり、果実は比較的大きく、果皮の表面は凸凹しています。
種子の多いものが多く、酸味は強く香りもあります。
ミカン属の中で最も耐寒性が強く、年平均気温12~15度の涼しい気候を適地とします。
生長が遅い事でもしられ、桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年と言われることもあるほど。
柚子の産地
柚子の産地として有名なのは高知県の馬路村や北川村など高知県東部地方の山間部。
他にも京都市左京区嵯峨水尾、山梨県富士川町、徳島県木頭村、埼玉県毛呂山町、埼玉県越生町、栃木県茂木町等があります。
海外でも韓国最南部や中華人民共和国の一部の地域で栽培されています。
高知県では昭和40年代頃から本格的な栽培が開始されました。それ以前は埼玉が最も生産量が多かったのですが、昭和45年以降になると高知県、徳島県が柚子の主要な山地になり、大幅に収穫量が伸びています。
柚子の種類
現在、日本で栽培されている柚子には3つの系統があります。
本柚子と言われる木頭系は大きな実をつける柚子です。
早期結実品種として山根系は
種のない多田錦は木頭系と比べて果実が小さく、果汁が多いので商品としては栽培しやすいとされています。
柚子の花の季節
柚子の花の季節は5月から6月の上旬にかけてです。
花は茎の先端に一つ咲き、白色や淡紫色を帯びていてとても綺麗です。
雄しべは22本内外で、雌しべは雄しべと同じかやや短い長さです。
種から植えた場合は、花が咲くまで10年ほどかかります。
柚子の育て方
柚子の植え付けは3月下旬から4月中旬に行います。
鉢植えの場合の植え替えを行うのもこの時期です。
柑橘系の場合細根が多くので2年に1回は必要になります。
植えつけは水はけと水もちの良い場所に植えることが重要で、土の質はあまり選びませんが市販の用土を用いる場合は赤玉小粒:腐葉土を7:3くらいの割合で使うと良いでしょう。
陽当たりの良い場所に植え、表面の土が白く乾いてきたらたっぷりの水を与えます。庭植えの場合、幼木の間は夏に水やりをして夏枝を身長させることが大切です。
剪定は種覚悟の3月上旬から4月上旬にかけて行います。樹形は一般の果樹と同様に開心自然系としてゆったりとして樹幹の内部まで日がよく当たる樹形を作ります。
毎年コンスタントに結実されるには果実を収穫した後である果柄枝と春枝などが程よく交じり合っているような木にすることが大切です。
生長が遅いとされる柚子はカラタチの台木に接ぎ木をするのが一般的です。3月中旬から5月上旬がつぎ木の時期です。
柚子の利用
柚子の果汁は日本料理や調味料として用いられます。
また、皮の部分が七味唐辛子に加えられるなど香辛料や薬味としても使用されます。
いずれも青い状態や蒸れた状態の両方とも使われ、九州地方では柚子胡椒という調味料としても使われています。
柚子は酸味が強いので普通は直接食用とすることはなく、保存食として柚餅子などにする他、柚子茶や皮ごと薄く輪切りにした砂糖漬けやハチミツに漬け込む方法があります。
柚子の果汁を砂糖と炭酸水などで割ったレモネードなども美味しく、果汁はチューハイなどにも使われます。
柚子の果実の果肉をくりぬいて器にした柚子釜なども使われます。
近年はフランス料理や西洋料理でも柚子が使われ始めています。
(ライター ナオ)