クリスマスになると多くの園芸店や花屋さんで見かけるポインセチア。
赤い葉の色が特徴的です。
今回はそんなポインセチアについて詳しくお話します。
ポインセチアの特徴
ポインセチアはキントラノオ目トウダイグサ科トウダイグサ属に分類される常緑性の低木です。
正式な名前はショウジョウボクで、ポインセチアは通名です。
日本ではクリスマスの頃に出回ることからクリスマスフラワーともいわれ、仲冬の季語ともされています。
原産はメキシコと中央アメリカで、メキシコではノーチェ・ブエナと呼ばれ聖夜の意味があります。
日本へは明治時代に渡ってきて、ショウジョウボクの名前が付きましが、これは大酒の実の赤い顔が特徴の伝説上の動物、猩々からきています。
葉は薄く、楕円形をしており、花の下に着く葉の形の苞葉が赤く染まり、観賞の対象になります。
全草に有毒成分のホルボールエステル類と言われるものが含まれていて、皮膚炎や水疱などを引き起こし、ハワイでは1919年に子供がポインセチアを食べて死亡した例も報告されています。
また、ホルボールエステルには発がんポロモーション作用があることも知られています。
ポインセチアの花
ポインセチアの花は赤い葉の中心部分にある薄緑色のものです。
粒粒状をしており、花弁はありません。
開花時期は11月~1月にかけてですが、あまりに目立ちません。
ポインセチアの種類
ホワイトシングルと言われる種類は赤い苞にはっきりとしたクリーム色の斑が散りばめられたように入る園芸種。
ウインターローズは葉や苞が丸く萎縮したようになり、その姿がバラのようにも見える品種で、赤だけでなく、白やピンク、斑の入ったものもあります。
アイスパンチは赤い苞の真ん中にピンク色の斑が入った人気の園芸種で、個体によって入る斑の程度が違うのが魅力の一つです。
V10と言われる品種は分岐性がよく、落葉しにくい園芸品種で、かつては沢山生産されていました。
ポインセチアの栽培
ポインセチアは日当たりのよい場所で管理します。
日当たりが悪いと下葉がすべて落ちてしまい、短日処理をする時期以外はよく日に当てるようにします。
短日処理とは葉を綺麗に赤く染まらせるための処理で、火のあたる時間を12時間以下にして花が咲かないように調節することを言います。
基本的に9月以降は光の当たる時間を調節し、40日間は毎日欠かさず17時から翌朝8時まで段ボールなどをかぶせて夜の人口証明が当たらないようにし、日中のよく日に当てるようにします。
完全に葉が色づくまでは40日を超える場合もあるので、根気よく粘り強く管理することが必要です。
水やりは4~10月の生育期間は土の表面が乾いた時にたっぷりと与えるようにします。
冬になると生育も鈍るので、土の表面が乾いてもすぐには水を与える必要はなく、3~5日くらい間を開けてから控えめに与えるのが無難です。
冬は室内で管理するので、暖房が直接当たる場所などは控えます。
肥料は4~10月までの生育期は月に1回化成肥料を与えます。
開花後は液体肥料を月に3回程与え、基本的に2~3月は与えません。
4月中旬ころになったら株を植え替えます。
古い土を半分くらい落としてから新しい土で一回り大きな鉢に植えます。
株を増やしたい時は挿し木で増やすのが一般的です。
6月頃に新芽を7㎝くらいの長さに切り取り、葉を2~4枚残して下の葉を取り除きます。
切り口から出てくる乳白色の液体を洗い流して、ピートモスを入れた鉢などに挿しておくと、1か月くらいで根が出てくるので、4~5号鉢に植え替えて育てます。
8月頃には一度切り戻しを行い、わき目を生長させるようにすると良いでしょう。
オンシツコナジラミとカイガラムシの発生に注意が必要です。
(ライター ナオ)