シクラメンはホームセンターやスーパーのちょっとした生花コーナーなどでも手に入る、とても身近な植物です。
一度は育てたことがある、という人も多いのではないでしょうか。
シーズンになると、店先にズラッとカラフルなシクラメンが並べてあるのもよく目にしますね。
さて、それではシクラメンの季節とは一体いつなのでしょうか?
なんだか見慣れすぎていて、一年中あるような気さえしてきますね…。
店先にズラッと並ぶ光景は思い出せても、それがいつの季節だったかよくわからなくなってしまいました。
そこで今回は、シクラメンの季節や生態について、詳しく見ていきたいと思います。
シクラメンってどんな花?
シクラメンを語る上でまず着目したいのは、「名前」です。
シクラメンという名前はギリシア語の「キクロス(螺旋)」から来ています。
これはシクラメンの花茎がらせん状に変化する性質からきているのだそう。
しかし問題は和名…!
和名ではなんと「ブタノマンジュウ」と呼ばれているのです。
ああ、なんて酷いネーミング…。
あんなにきれいな花なのに、なぜこんな酷い名前が付いてしまったのでしょうか。
じつはイタリアでは、シクラメンのことを「SowBread(豚のパン)」と呼ぶのだそうです。
これはイノシシがシクラメンの球根を好んで食べることに由来しているんだとか。
それを日本語に訳した時、「日本人にとってパンは馴染みがない」ということで、パンから饅頭へと変えられたらしいのですが…。
パンのほうがまだマシだったような気がしますね。
花の色は赤・ピンク・白などが定番で、特に赤色は篝火のように見えることから、かつては「カガリビバナ」とも呼ばれていました。
品種改良によって黄色や紫などのシクラメンも登場し、またロココ咲きや八重咲き、香り付きのものなどたくさんの品種があります。
地植えや切り花としてはあまり使われませんが、鉢植えとしては定番の植物となっていますね。
ただし、お見舞いにもっていく花としては「シ(死)ク(苦)」という語呂がよろしくないことや、赤い花が血の色に似ていることから、タブーとされているので注意。
シクラメンの季節っていつ頃?
シクラメンは元々、地中海沿岸の植物です。
地中海と言えば暖かいというイメージがあるので、もしかすると春や夏の花?
いえいえ、シクラメンは「冬」の花なんです!
基本的に園芸用のシクラメンの開花時期は、10月~3月頃。
初冬から初春にかけて長く楽しむことができるんです。
冬にあれだけ綺麗に花が咲く植物は少ないですから、貴重な冬の花として重宝されるのも納得ですね。
ただし!ちょっと面倒くさいのが、冬の花のくせに「寒さには弱い」ということです。
やはりそこは地中海の植物…日本の厳しい寒さには対応していないということなのでしょうかね…。
目安としては、最低気温が10度以下になるようなら室内に取り込む必要があります。
しかし逆に暑いのも苦手で、気温が20度以上になると、それはそれで株が弱る原因となるのです…。
なので室内で栽培するにしても、できるだけ暖房の当たらない場所に置く必要があるということですね。
このように気温によって室内に取り込んだりする必要があることから、地植えよりも鉢植えで楽しむというのが一般的となったようです。
シクラメンについてのまとめ
暑さにも寒さにも弱いと聞くと、育てるのが難しそうに感じてしまいますが…温度にさえ気を付ければ、後は簡単です。
まぁそれなりに日当たりの良い窓辺にでも置いておけば、まず温度で失敗するということもないでしょう。
あとは適度な水やりをするだけで、冬の間中楽しむことができますよ。
また、うまく夏越しできれば、次の年もまた花を咲かせてくれます。
何か植物を育ててみたいなと思っている人には、ぜひシクラメンがおすすめです。
(ライター もんぷち)