野菜が高騰しているこの冬。大根一本300円という値段はせっかく大根の美味しい時期にたっぷりの煮物やおでんが食べられないという悲しい現実に直面しています。

そんな冬の代表野菜である大根について詳しくお話します。

大根の特徴

大根はアブラナ科ダイコン属の越年草で野菜として広く栽培されています。

主に肥大した根を食用とする他種子から油を採ることもあります。

原産地は確定されていませんが、地中海地方や中東。

根出葉は羽状複葉で頂小葉が大きく、太い主根は主軸が肥大して食用となります。

 

収穫せず春を迎えればアブラナ属と似た淡紅色を帯びた白花をややまばらにつけます。

果実の種子数はアブラナ属より少なく、茎は葉の付け根の低い三角錐部分で食用にはされません。

大根の種類と旬の季節

大根は今や国内で栽培されたものが1年中出回るようになり、旬の時期がないような状態です。

春から夏にかけて出荷される大根葉一般的には辛みが強いのが特徴で、秋から冬の寒い時期のものはみずみずしく甘みが増しています。

一般的に煮物やサラダ、漬物などに向いている甘みのあるみずみずしい大根本来の旬は晩秋から冬と言っても良いでしょう。

冬に出荷される主な大根の種類と旬の季節は次のようになっています。

私たちの良く知る青首大根は最も出荷時期の長い大根で11月~2月。

 

三浦大根は白首系の大根は長さが60㎝程度で、重さは3~7kgほど。中太り型で首の部分がきゅっと細く締まっていて真ん中はふっくらとしていて先端はまた細くなっているのが特徴です。肉質は全体的に緻密、歯ごたえがあり下から先にかけては水分が多く柔らかい食感がします。

旬の時期は1月下旬~2月中旬まで。

 

聖護院大根は丸い大根で肉質が柔らかいのに煮崩れしないのが特徴です。

甘みがあり、田楽や煮物、風呂吹き大根など煮て美味しい大根です。ポトフなどにも向いている品種です。

 

桜島大根は平均で10k前後と言われ、大きいものは20k以上になります。

根塊の形は偏球形で数本の浅い溝が出来るものが多いようです。

 

白く肌もすべすべしていて、中も白で肉質はきめ細かく一般的な大根に比べて繊維質が少なくかぶに近い大根です。

聖護院大根と桜島大根ともに旬の時期は12~1月

 

源助大根は肉質が緻密で柔らかく、生で食べるとシャキッとした歯触りが心地よくほんのりと甘みが口に広がります。

おでんに最適と言われていて、旬の時期は11~12月です。

大根栽培の歴史

紀元前2200年の古代エジプトで今のはつか大根に近い物がピラミッド建設労働者の食料とされていたのが最古の栽培記録とされ、その後ユーラシアの各地に伝わりました。

日本には弥生時代には伝わっていたと考えられ、現在のカイワレ大根のようなハマダイコンやノダイコンも栽培されていました。

江戸時代には関東の江戸近郊である板橋、練馬、浦和、三浦半島辺りが特産地となっていて、その中で練馬大根は特に有名になりました。

 

現在でも大根の栽培は盛んで、品種、調理方法ともにとても豊富で、世界一大きくて重い桜島大根、世界一長い森口大根などの種類があり、日本人の食卓には欠かすことの出来ない野菜になっています。

 

春大根、夏大根、秋冬大根という区別があり、秋冬大根が全体の7割ほどを占める生産量になっています。

収穫量として多いのは千葉県、北海道、青森県、宮崎県、鹿児島県、神奈川県で全国生産量の半分を占めています。

大根の栄養素

葉はビタミンAを多く含み、青汁の原料として使われ、汁はビタミンCやジアスターゼを多く含んでいます。

他にも鉄分、リン、カルシウムを含みますが、カロリーは低く、消化を助ける効能もあるのでダイエットフードとしても注目されています。

(ライター ナオ)