海苔巻きでおなじみのかんぴょう巻き。どこかほっとする味わいのかんぴょうですが、その原料が冬瓜だということは子供たちはあまり知らないものです。

今回はそんな冬瓜について詳しくお話します。

冬瓜の特徴

冬瓜はウリ科のつる性一年草で雌雄同株の植物で、果実を食用する夏野菜。

原産はインド、東南アジアで7~9月に収穫し、実は大きいもので短径30㎝、蝶形80㎝程度にもなります。

完熟後皮が固くなり、貯蔵性に優れています。

冬瓜の品種

栽培品種は丸みのある球型のマル冬瓜と長さや俵のような長楕円系の長冬瓜に大別されます。

大きさは10kgを超える巨大果から2~3kgの手ごろなミニサイズまであります。

 

大丸冬瓜は丸みのある球型の実で熟すと表面に白粉を帯びます。本州で古くから生産されている品種。

長冬瓜は長くのびる細やかさがあるものや俵のような長楕円形の実で熟すと表面に白粉を帯びています。

 

沖縄冬瓜は俵のような長楕円形の実。熟しても白粉はつかず果皮の緑色が視覚的に確認が容易です。九州南部以南が主な生産地域でしたが1972年のお欣和変更以降、多くの地域で品種改良や生産が活性化しています。

冬瓜の利用

冬瓜の成分は95%以上が水分で栄養価は低いですが100gあたり16㎉と低カロリーでダイエットに最適です。

類似の夕顔よりやや果肉は硬めで味は控えめで癖がないので煮汁、汁物、漬物、酢の物、あえ物、あんかけ、等様々な具に用います。

広東料理では大きいまま、中をくりぬいて刻んだ魚介類、中国ハム、シイタケなどの具とスープを入れ、全体を蒸しました。

台湾では果実に砂糖を加えた水で煮込んだものを茶の一種として飲みます。

料理以外でも砂糖漬けやシロップで煮た後砂糖をからめて菓子にもなります。

 

果実以外では果皮を夕顔の代用食材としてかんぴょうに用います。

若葉や柔らかいツルは炒め物などに用いることができます。種子は乾燥させ生薬として漢方薬で用い、利尿や排膿の作用があります。

保存するには冷暗所で、カットしたものはラップで包んでから冷蔵庫で保存します。

冬瓜の旬の季節

冬瓜の旬は6~9月。ただし貯蔵性が高いので寒い時期にも流通しています。

ただし、冬瓜の良さは薄味でさっぱりした食感になります。

冬瓜の主な産地

冬瓜は日本でも古くから栽培されていますが、熱帯アジアやジャワ島が原産とされています。

冬瓜生産量が最も多いのは沖縄県で、ついで愛知県、そして岡山県となっています。

冬瓜の栄養成分と調理方法

冬瓜にはビタミンCが豊富に含まれています。

ビタミンCは体内の物質の代謝やコラ^源生精製と保持等の働きをし、体の抵抗力を高めるので風邪の予防や治療にも役立ちます。

また、ナトリウムの排出を促進し、高血圧やむくみの予防に効果があるカリウムも含まれています。

 

冬瓜自体は淡泊な味なので、薄味の煮物やスープ、炒め物がおすすめです。

臭みや悪を取り除くために下ゆでしてから調理するようにしましょう。

 

夏に黄緑色が鮮やかな冬瓜を楓の形に切ったり、笹の形に切ったりしてさりげなくソーメンなどの盛り付けにしてもおしゃれです。

冬瓜を色よく茹でるためには茹でる前に塩:重曹を3:1の割合で混ぜ、これを冬瓜の皮目に良く刷り込み、20分置きます。その後、熱湯でゆでて火を通し、茹で上がったら冷水に落として冷やし、色止めをして冬瓜の下茹での完了です。

冬瓜の名前の由来

冬瓜の旬の時期は夏、なのにも関わらず冬瓜に冬の文字が含まれるのには、瓜の中では唯一冬まで保存がきくという理由。

また、冬瓜が熟した時には皮の表面に白い粉がついて、それがまるで雪のように見えることから冬の瓜という字がついたともいわれています。

上手に保存すると2~3ヵ月はそのままの状態で保存ができ、農家などの冬の保存食として利用することが可能だったのが冬瓜です。

(ライター ナオ)