野イチゴのような可愛らしい実をつけるナワシロイチゴを知っていますか?
今回は寄せ植えなどにしてもとても可愛らしいナワシロイチゴについて詳しくお話します。
ナワシロイチゴの特徴
ナワシロイチゴはバラ科キイチゴ属に分類される植物の一種で、別名をアシクダシやサツキイチゴ、ワセイチゴ、サオトメイチゴ、ウシイチゴなどと呼ばれます。
日本、朝鮮半島、中国に分布し、畑地や道路脇などに自生している雑草的低木です。
茎は木質化しますが、立ち上がらずに他の草の上に覆いかぶさるようにして育ちます。
茎から出る枝は短く立ち上がり、茎には棘があります。
葉は3出複葉で、時には5枚や繋がって3裂することもあります。
小さい葉の葉先は丸く、荒い二重の鋸歯があります。
葉の表面は明るい黄緑色で、葉脈が窪むのでシワがあるように見えます。
葉裏は白い綿毛を密生し、葉は落葉性です。
ナワシロイチゴの花
ナワシロイチゴの花は短く立ち上がり、枝の先に散房状につきます。
花は径が1㎝前後の紅紫色で5枚の花弁がありますが、反り返った蕚の中心に円錐形なって咲き、花弁は開かないので、あまり目立ちません。
苗代の頃に赤い実が熟すので、この名前がついたと言われています。
花の時期は5~6月で、日当たりの良い所に生え、雑草並みに生育します。
ナワシロイチゴの利用
イチゴの名前は江戸時代まではキイチゴの仲間を指していたようです。
江戸時代まではナワシロイチゴやモミジイチゴ、ニガイチゴやカジイチゴなどは区別していなかったと考えられています。
花の後の実は食用になり、生食も出来ますが、砂糖を加えてジャムなどにするとおいしく食べられます。
ナワシロイチゴの近縁種
ナワシロイチゴと似た植物にモミジイチゴやニガイチゴなどがあります。
モミジイチゴは茎を斜め上に伸ばし、高さが2mほどになる種類です。
花の色は白色ですが、絵だから下垂させることで他の植物と区別できます。
葉はモミジのように5中裂しているのが特徴。
ニガイチゴは花が上向きについて、花色は白色ですが、花径が2㎝程と小さく、何よりも通常は花びらが細いことで他と区別ができます。
カジイチゴの花は径が3㎝ほどの白色で、上向きに咲きます。
クサイチゴにやや形が似ていますが、葉が他とは大きく異なり、葉は径が12㎝ほどの掌状で大きく3~7中裂します。
ナワシロイチゴの栽培
ナワシロイチゴは雑草のように丈夫な植物なので、栽培はとても簡単です。
管理は日当たりの良い場所で行います。特に土質を選ぶわけでもなく、病害虫の心配もありません。
栽培には挿し木を購入して、根を生やさせそこから増やしていくのがオススメです。
挿し苗を土に挿したら、根が春まで土が乾燥しすぎないように一日一回の水やりは忘れずに行います。
管理は半日陰がおすすめ。
根付いてしまえば、あとはどんどん増えていきますので安心です。
ナワシロイチゴのジャムのレシピ
よく洗ったナワシロイチゴに同量の白砂糖をかけ、よく混ぜておきます。
しばらく置いておくとイチゴから水分が出てくるので、その水分で煮詰めていきます。
あまり水分が出ない場合は少し水を加えても大丈夫です。
程よいプルプル感が出てくるまで煮詰めたら、最後はざるなどで種を濾します。
種が気にならない人はこのまま完成で良いのですが、ナワシロイチゴの場合は結構な種が含まれてしまいます。
煮沸消毒した瓶に出来上がったジャムを詰めて出来上がりです。
適度な酸味がとても美味しい、他にはないジャムになりますので、興味のある方はぜひお試しください。
また、沢山ナワシロイチゴの実が手に入った場合は、果実酒などもおすすめです。
(ライター ナオ)