美しい見た目で人々を癒してくれる植物。
しかし中には、「これどう見ても植物じゃない」という恐ろしい見た目の植物も存在します。
今回紹介するのは「ヒドノラ・アフリカーナ」。
名前からして意味は分からないけどなんだか恐ろし気ですね…。
そんなヒドノラ・アフリカーナの生態などについて詳しくまとめてみたいと思います。
ヒドノラ・アフリカーナってどんな植物?
ヒドノラ・アフリカーナは、その名の通りアフリカに自生している植物です。
でこぼことした丸いボールのようなものに、パックリと開いた口。
その見た目はまるでエイリアンや、某ゲームに出てくるパックンフラワーそのもの。
とても植物には見えませんね。
何か生命が宿っていそうです。
じつはヒドノラ・アフリカーナのエイリアンのような部分、「花」なんです。
えっ、どう見たって花じゃなくて何かの頭だろう…というツッコミを入れたくなりますが、れっきとした花ですよ。
花の大きさは約8㎝ほど。
ヒドノラ・アフリカーナはトウダイグサ科の植物の根に寄生し、その養分を宿主から奪って育つため、光合成をするための葉はありません。
地中で宿主に寄生したまま成長し、花だけが地中に姿を現すのです。
パックンフラワーのように見えている状態は、まだ花が開きかけの姿。
完全にパカッと開いてしまえば、花のように見えないことも無い…と思います。
花が開くとまるで肉が腐ったような悪臭を放ち、それにおびき寄せられたフンコロガシなどを花粉の媒介者にするそうです。
そしてヒドノラ・アフリカーナのもう一つの特徴は、花の悪臭が嘘のような、とても美味しい果実をつけるということ。
果実は地中にでき、ジャガイモのような味。
果実がなる頻度は2年に一回ととても少ないですが、火であぶって食べると美味しいらしい…ちょっと興味が湧いてきますね。。
大量の種(なんと20,000個!)がありますが、種ごと食べられます。
食用以外にも、ニキビ対策、日焼け対策などにも使われるそうです。
ヒドノラ・アフリカーナは栽培できる?
ヒドノラ・アフリカーナは家でも栽培できるようです。
ただし、栽培用植物としてはかなりマイナーなので、育て方や購入方法などについては謎。
寄生型の植物なので、まずは寄生主となる植物を育てることから始めないといけません。
花が咲くまでに何年もかかるらしく、その間はヒドノラ・アフリカーナを育てるというよりも、寄生主の植物を育てているようなもんですね。
それに例え無事に花が咲いたとしても、強烈な悪臭がするのであまりおすすめはできません…。
かなりマニアックな上級者向け植物といったところでしょうか。
他にもある?寄生型植物
宿主の根から養分も水分も吸い取って生きていく寄生型植物。
あまり馴染みがないと思われるかもしれませんが、ヒドノラ・アフリカーナ以外にもたくさん存在します。
例えば、最も有名な寄生型植物は「ラフレシア」。
ポケモンにもいるので、名前や花の形状を知っている人も多いのではないでしょうか。
ラフレアシアもヒドノラ・アフリカーナと同じく全寄生型の植物で、世界最大の花であるとともに、かなりの悪臭がするということで有名ですね。
「便所の臭い」と例えられるほどの悪臭らしいですが、実際にどんなにおいなのか興味があります。
ヒドノラ・アフリカーナについてのまとめ
もし「ヒドノラ・アフリカーナは食虫植物です」と言われたら、「あー、やっぱりね」と納得してしまう見た目です。
花の割れ目に指を突っ込んだら、食いちぎられてしまいそう。
他の植物に寄生して養分をもらっているので、虫やましてや人を食べることなんかは絶対にないんですけどね。
勝手に養分を吸い取ってしまうので、宿主にとっては迷惑な話ですが…。
(ライター もんぷち)