とても良い香りのする沈丁花。春先にどこかで沈丁花の香りを嗅いだことがありますか?
まるでスパイスのクローブのような花をつける木ということでつけられた沈丁花の名前についてお話します。
沈丁花の特徴
沈丁花はジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木で、チンチョウゲとも言われています。
原産地は中国南部で日本には室町時代頃にはすでに栽培されていたという記録があります。
日本にある木は雄株が多く、メス株はほとんど見られませんが、メス株には赤くて丸い有毒の果実をつけます。
沈丁花の花の季節
沈丁花の花が咲くのは2月の末から3月にかけてです。
春の季語としてはよく使われる花で、蕾は濃紅色ですが、開いた花は淡赤色でおしべは黄色、強い芳香を放ちます。
枝の先に20個ほどの小さな花が手毬状に固まってついています。
花を囲むように葉が放射状に付くのも特徴です。
開花後はおよそ1週間程度咲き続けます。
沈丁花の花の香
沈丁花の花の香りは三大香木と言われ、金木犀、クチナシと並び日本で良い香りのする花として知られています。
その中でも沈丁花の香りは遠くまで香り、春の訪れを告げる花でもあります。
沈丁花の花の香りの成分は120~150種類ともいわれ、その成分の多さが長い時間香りが続き、遠くまで届く理由であるとされています。
中でもリナロールという香りの成分が有名で、気持ちを落ち着かせる効果があり、この成分が香水や化粧品などにも利用されています。
沈丁花の品種
シロバナジンチョウゲ
シロバナジンチョウゲは花の外側が紅紫色にならず、真っ白な花をつける種類です。
庭木などで主にサイビアされ、花冠は筒状で4裂します。
フクリンジンチョウゲ
フクリンジンチョウゲは葉の周りが黄色く縁どられていることからフクリン(覆輪)の名前がついています。
沈丁花の花の手入れ
沈丁花は地植えしてしまえば植え替えをしなくて良いのでとてもラクチンです。
鉢植えの場合は大きさに合わせて植え替えを行わなければなりません。植え替えの適期は4~6月頃で、根が柔らかく、傷がふさがりにくい性質なので丁寧に扱う必要があります。
若い木は根付きやすいのですが、大株は扱いにくく、根付かずに枯れてしまうことがあるので、しっかりと苗木を選ぶことも重要です。
極端に日陰にならず、強烈な西日が当たらないような場所を選んで植えるのがおすすめ。また耐寒性はありますが、霜や風で苗木が傷むことはあるのでその辺りも注意が必要です。
地植え後の水やりはほとんど必要がなく、鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたら行います。
剪定は花が咲き終わった頃が適切で、次の花芽がつく6~7月頃に手をかけるのは避けましょう。
沈丁花の香水
沈丁花の香りはどこか心にしみてくるような沈丁花の香りは色々な商品になっています。
舞子さんの練り香水
舞子さんが使う香水は金木犀が有名ですが、白いうさぎケースに入った沈丁花の香水もまた魅力的です。
春の香りがダイレクトに伝わります。「舞子さんの練り香水「うさぎ饅頭」沈丁花」で販売されていますので、沈丁花の香りが好きな人にはおすすめです。
オードトワレ
オードトワレは長い歴史を持つフレグランスの老舗です。
高木や線香などを販売していて、オードトワレシリーズ9種類の中に沈丁花も含まれています。
ピーナパルファン
ピーナパルファンの沈丁花の香りは長時間香りが漂うタイプの香水です。
シンプルだけどおしゃれな瓶も魅力的で、疲れた時や気持ちをリセットしたい時におすすめ。
はじめはシトラスの香りがして、その後にゆっくりと沈丁花の香りが漂います。
オールシーズン楽しめる香りなのでぜひおすすめです。
(ライター ナオ)