日本の美しい景色の1つでもある藤棚。

春の紫色のカーテンは季節を感じる風物詩でもあります。

 

そんな藤の花の季節をはっきりとご存知でしょうか?

今回は万葉の昔から日本人にも馴染みの深い藤について詳しくお話します。

藤の特徴

藤はマメ科フジ属のつる性落葉木本です。

一般的に右巻きと左巻きの2種類があり、右まきのフジの標準和名をフジやノダフジといい、左巻きのフジをヤマフジやノフジと言います。

日本産のフジは固有種で、海外のフジはフジ属に分類される別の品種。

本州、四国、九州の温帯から暖帯に分布し、低い山地、平地の林に生息しています。

 

ツルが木に巻き付いて登り、樹冠に広がります。

直射日光の指す場所を好み、好日性植物で花序は長くしたたれて20~80㎝に達します。

藤の花の季節

フジの花は薄い紫色をしていて藤色は藤の花からきています。

藤の花の季節は4月の上旬から5月の下旬までで、蝶のような形をした紫色の小花を房状にぶら下げます。

大きな棚から一面に垂れ下がる藤の様子は日本のあちこちで開花の時期に合わせてライトアップされ、世界的にも有名な観光スポットなどにもなっています。

特に東京のあしかがフラワーパークや北九州の河内藤園のライトアップは有名で、咲き誇る藤のカーテンは圧巻です。

 

あしかがフラワーパークは毎年、「大藤まつり」が開催され、22種類350本もの藤を堪能できます。

夜に合わせたライトアップは湖面に写り幻想的な景色を醸し出します。

藤の花言葉

藤の花言葉は優しさ、決して離れない、恋に酔うなどの女性的な言葉や歓迎、佳客という意味もあります。

決して離れないという花言葉はツルの太いヤマフジの巻き付く力がとても強い様子からきていると言われています。

丈夫なツルは20mもの長さになることもあり、女性が男性を想う様子を連想させる花言葉でもあります。

藤の育て方

藤を栽培する時には棚を作る必要があり、それだけの充分なスペースを確保できる場所で行います。

植えつけは冬の落葉期であればいつでも可能です。

 

植える場所にはあらかじめ退避や腐葉土を混ぜ込んでおき、鉢植えのものを地植えする場合には出来るだけ根を切らずに先端まで丁寧に掘り上げ、長い根が沢山ついている状態にします。

 

藤は太い根を切られると弱ってしまいます。出来るだけ長い根を残し、掘り上げるようにします。

鉢植えの場合はあまり植え替えをしない方が花付きが良くなります。

土は粘土質でやや重く、湿潤なものを好みます。

 

陽当たりは半日陰の環境がベスト。北海道南部より南の地域で植栽が可能です。

地植えは適地に植え付けていれば特に水を与える必要はありませんが、鉢植えのものは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。

 

肥料は2月頃に骨粉や油粕などの有機質肥料を根元にばらまき、また花後に化成肥料を少量施します。

肥料の窒素分が多いと花付きが悪くなるので気をつけましょう。

 

花の時期が終わったら実がなりますが、実をそのままにしておくと栄養が実にとられ、木の成長が弱くなるので、狩れた花房や豆鞘は細目に摂るようにしましょう。

剪定は夏と冬の2回程行いますが冬の剪定はあまり早くにし過ぎず、落葉を待ってから行いましょう。

 

かかりやすい病害虫としては根頭がん腫病やこぶ病、ハマキムシ、コガネムシなどで、特に根頭がん腫病にかかると徐々に生育が衰え、治療法がなくなってしまうので、病気になった株は早めに抜き取り処分するようにします。また、梅雨時期には夏にかけて枝や幹にこぶ病ができやすくなります。

 

コブの部分を削り取り、切り口に細菌の侵入を防ぐような薬剤を塗ります。

ハマキムシやコガネムシは見つけ次第駆除するのがおすすめです。

(ライタ)