どこか儚げで可憐なイメージのある撫子。
撫子の種類には実は日本の固有種も存在しています。
純愛や貞節といった花言葉がぴったりな撫子についてお話します。
撫子の特徴
ナデシコはナデシコ科ナデシコ属の植物で一般的にはカワラナデシコの事を言います。
カワラナデシコは多年草で秋の七草のひとつでもあります。
日本では本州以西の四国、九州に広く分布し、沖縄諸島にも少数が自生しています。
日本国外では朝鮮、中国、台湾に分布していて、主に日当たりの良い草原や河原に生育しますが、路傍や山地の斜面、海岸の砂浜等でも生育します。
高さは30~50㎝程になり、茎は根から叢生していて節が膨らんでいます。
葉は対生し線形や線形の披針形をしています。葉の長さは4~7㎝程、先端が鋭く尖っていて基部は茎を抱き込みます。
葉に毛はなく、粉白色で葉柄はありません。
撫子の種類
撫子にはカワラナデシコ、エゾカワラナデシコ、タカネナデシコ、ヒメハマナデシコ、ハマナデシコ、シナノナデシコがあります。
このうち、ヒメハマナデシコとシナノナデシコは日本の固有種になります。
エゾナデシコは北海道、本州中部以北、ユーラシア中部以北に分布している多年草です。苞が3~4対あり、がく片が3~4㎝と長いのが特徴です。
タカネナデシコはカワラナデシコの高山型の種です。
茎は直立して高さは15~40㎝で、長さは3~7㎝、幅は2~5㎜の葉が対生します。
ユーラシア大陸北部、日本の北海道、中部地方以北の高山帯の岩礁地や草地に分布します。
日本の固有種、ヒメハマナデシコは和歌山県、愛媛県、福岡圏以外の九州、及び軟性諸島に分布しています。
陽当たりの良い海岸の砂浜や岩場に生息しています。
葉は株状で直立して根茎は木質で地面を這っていって斜上します。
ハマナデシコは切り花や花壇尿にベニナデシコなどの名称で栽培されています。
海岸の下毛や砂地に生育して本州から沖縄、中国に分布しています。
葉は株状の無毛で下部は木質化して高さは15~50㎝にもなります。
葉は対生で厚く光沢があり、両面とも毛はありませんが、縁に毛があります。
根出葉はロゼット状です。
シナノナデシコは別名をミヤマナデシコともいい、本州中部に分布しています。
産地の河原や荒れ地、磯地などに生育し、高さは20~40㎝になります。
茎の断面は四角状でふくれた節をもって広線形の葉は対生し長さが4~7㎝になります。
葉の基部は赤味を帯びて基部が茎を抱きます。
撫子の花の季節
カワラナデシコの花の時期は6~9月です。
花は茎の頂端について直径4~5㎝程。がく片は3~4㎝です。苞は3~4対あり、花弁は5枚あります。
先が糸状に細裂していて雄しべは10本、めしべは花柱が2本あります。
淡紅色が最も一般的ですが、白色になるものも多く見られ、淡紅色と白色が混ざっている個体もあります。
栽培していると白色のものが淡紅色に変化したりもします。
エゾカワラナデシコの花の時期もカワラナデシコと同じ6~9月で、先が尾状になる苞が対あります。
タカネナデシコの花は茎の先に直径4~5㎝の紅紫色の花を1~3個つけます。開花時期は7~9月で、花弁は5個。先端が細かく裂け、おしべは10個です。
ヒメハマナデシコの花が咲く時期は4~9月です。
花は集散花序で、茎の頂端に1~6個ついて花弁は5枚ほど。苞の先が短い針状になり、色は紅紫色です。
ハマナデシコの開花時期は6~11月。茎の頂上に密について花弁は紅紫色で6~7㎜の倒3角形です。
シナノナデシコの花は紅紫色で、茎頂に多数つき、直径は2㎝ほどです。苞は2対で、花弁は5個、花弁は広倒卵状で先端はあまり細くは裂けません。花の時期は亜7~8月です。
撫子の花の時期についてのまとめ
撫子は種類によって各地で色々な時期に裂いているということがわかります。遅いものでは11月頃まで見られるハマナデシコのような種類もあるということ。
今年の夏はどこかで咲いてる撫子に目を向けてみて下さいね。
(ライター ナオ)