子供達も大好きなぶどう。一房一房吸い取るように食べる子供たちの姿は可愛らしいものです。
加工品やワイン、お菓子などにも使われるぶどうですが、ブドウの旬は一体いつ頃なのでしょう。
今回はぶどうについて詳しくお話します。
ぶどうの特徴
ぶどうはブドウ科のつる性落葉低木です。
葉は両側に切れ込みのある15~20㎝程の大きさで、栽培ブドウは一つの花に雄しべと雌しべがあり自家受粉し、他の木がなくとも一本で実をつけます。
果実は緑、または濃むら咲で内部は淡緑で房状に生えます。
食用部分は主に熟した果実で、食用となる部分は死亡が肥大化した部分、いわゆる真果です。
ぶどうの花の季節と旬
ぶどうの開花時期は5~6月です。
その後2ヶ月程かけて実が熟していきます。ぶどうの旬は品種ごとによって大分違い、6月頃から店頭に並び始めますが、多くの品種が美味しく食べられるのは8~10月初旬にかけてです。
ぶどうの種類
ぶどうは数十種類あると言われ、北米、東アジアに最も多く、インド、中東、南アフリカにも自生種があります。
日本の山野にもヤマブドウやエビヅル、サンカクヅルというぶどうが分布しています。
現在ワイン用、干しブドウ用または生食用に栽培されているブドウはペルシアやカフカスが原産のヴィニフェラ種、北アメリカ原産のファブルスカ種で、食用はテーブルグレープ、ワイン用はワイングレープと呼ばれます。
食用のぶどうは巨峰やデラウェア、ピオーネ、キャンベルアーリー、ナイアガラ、マスカット・ベリーA、スチューベン、甲州、社員マスカット、赤嶺等々他にもたくさんの品種があります。
ぶどう栽培の歴史
ぶどうの栽培の歴史は紀元前3000年頃に始まりました。
原産地はコーカサス地方やカスピ海沿岸ですが既にヨーロッパぶどうの栽培が開始されていました。
ワインの酒造は早くに始まり、メソポタミア文明屋古代エジプトにおいてもワインは珍重されていて、メソポタミアでは気候や土壌的にぶどうの栽培が困難なため消費されていたワインの多くは輸入されたものでした。
古代ギリシャではワインの為のブドウ栽培が大々的に行われ、ギリシア人が植民した地域でもぶどう園が各地に開設されるようになり、ローマ帝国の時代にはワインは帝国中に広まり、帝国各地でブドウ栽培がおこんわれていました。
11世紀から13世紀になるとイングランドのような北方地域でもぶどう栽培が盛んになり、現ベルギーのルーヴァンなどでも輸出用のワインを作るためのぶどう栽培なども行われていました。
大航海時代、ヨーロッパ移民は各地でブドウの栽培を始め、ワインを醸造する為に入植先にぶどうを植えていくようになります。
南アフリカ共和国のケープ州やチリなどこの時期に持ち込まれたぶどう栽培が生億してワインの名産地となった地域も多く、北アメリカ大陸にもヨーロッパぶどうが持ち込まれましたが、ここでの栽培は当初はあまり成功しませんでした。
日本で古くから栽培されている甲州種は中国から輸入された東アジア系ヨーロッパぶどうが自生かしたものが鎌倉時代の初期に栽培が始められたと言われ、明治時代以前は現在の甲府市一帯のみの特産品として扱われてきました。
江戸時代になると甲府盆地の中の勝沼町が中心となり、その後関西やヤマガタでも栽培が行われるようになり、江戸時代の末期には全国で3000haにまで栽培面積が拡大していました。
明治時代に入ると欧米から新品種が次々と導入されるようになり、当初はワイン醸造を目的としてヨーロッパぶどうの導入が盛んに行われましたが、乾燥を好むヨーロッパぶどうのほとんどは日本での栽培に失敗し、かえってアメリカぶどうが日本の気候に合って定着するようになりましたが、ワイン用としてはにおいがきつく、好まれなかったので生食用果実の栽培が中心になっていきました。
中でも特に普及したのがデラウェアとキャンベル・アーリーで戦前はこの2品種が主要品種となっていました。
(ライター ナオ)