ほのぼのと味わい深いビワ。日本の伝統的な果物の一種ですが、そんなビワの花をあなたは見たことがありますか?
今回はビワについて詳しくお話します。
ビワの特徴
ビワはバラ科の常緑高木です。
原産は中国南西部で日本では四国、九州に自生し、多くは果樹として栽培されています。
樹高は10ほどで、葉は濃い緑色で大きく、長い楕円形をしていて表面には艶があり裏には産毛があります。
ビワの実は大きな葉の裏になり、黄橙色に熟します。
名前は尾田の葉の形や実の形が楽器の琵琶に似ているところからついたと言われています。
日本には古代持ち込まれ、主に本州南部や四国、九州に分布しています。
インドなどにも分布し、インドではビワを用いた様々な両方が生まれ、中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広まり、トルコやレバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南、アフリカ北部などでも栽培されています。
枝葉は春、夏、秋と年に3度伸長し、若枝は淡褐色の細かい毛におおわれています。
葉は互生し、葉柄は短く、葉の形は20㎝前後の長楕円形で厚くて硬く、表面が凸凹していて葉脈ごとに波打ちます。
縁には波上の鋸歯があり、葉の表面には初めは毛がありますが、生育するにつれて毛がなくなり光沢が出来るようになります。
葉の裏面は淡褐色の毛におおわれたままで、花芽は主に春枝の先端に付きます。
ビワの花の季節と旬
ビワの花は11~2月にかけての冬に咲きます。枝先にやや黄色みを帯びた白い五弁の小花を群がって咲かせ、目立たない花ではありますがかぐわしい香りを放ちます。
葯には毛がびっしりと生え、自家受粉が可能です。
枇杷の花、花枇杷、枇杷咲くなどは立秋から体節までの季語になっています。
ビワは3月頃から市場に出回りますが、一番の旬は6月です。
ビワの品種と産地
ビワは江戸時代末期に日本に導入され、明治時代から茂木や田中などの品種がいくつか存在しています。
現在は他にも大房、瑞穂、クイーン長崎、白茂木、麗月、陽玉、涼風邪など多くの品種があります。
2006年には種なしビワである希房が品種登録されています。
古代に渡来して野生化した自生木は、種が大きく果実が薄いので果樹としての価値はほとんどありません。
日本でビワの生産量が多いのは長崎県、千葉県、和歌山県、香川県、愛媛県、鹿児島県などの温暖な気候の土地です。
特に長崎県は全国の1/3の生産量をほこる日本一の産地になっています。
ビワの利用
ビワの果肉は甘く、生殖される他にも缶詰などに加工されます。種子が大きく、廃棄率が30%以上もあるので生食する場合の可食率は65~70%で、バナナとほぼ同等です。
ゼリーなどの歌詞、ジャム等にも加工され果実は咳、嘔吐、喉の渇きなどに対して効能を発揮します。
葉は琵琶葉、種子は琵琶核と呼ばれる生薬で、民間療法薬としても親しまれています。
葉には収れん作用で知られるタンニン、鎮咳作用のあるアミグダリン等が多く含まれていて、乾燥させてビワ茶とされているほか、直接患部に貼るなど生薬として用いられます。また、お灸用の葉としても使われることもあります。
琵琶葉は9月上旬ごろに採取して葉の裏側の毛をブラシで取り除き、日干ししたものです。
種子は5個ほど砕いたものを400CCの水で煎じて複葉すると咳、嘔吐、鼻血などに効果があるとされています。
果実酒は氷砂糖とホワイトリカーだけでも作れますが、ビワの酸味が少ない為レモンの輪切りなどと一緒に漬け込むと美味しく飲むことができます。
ビワ種は食欲増進、疲労回復に効果があると言われています。
木材は乾燥させると非常に硬い上に粘りが強く、昔から杖の材料として利用されていました。
現在でも上記の薬用効果にあやかり、乾燥させて磨いたものを縁起物の長寿杖と称して利用されています。
激しく打ち合わせても折れることがないことから剣道、剣術用の高級な木刀として利用されています。
(ライター ナオ)