皆さんはヤブランという花をしっていますか?

綺麗にお庭を飾っていてお宅にはどこかにひっそりと咲いているかもしれない、ヤブランについて詳しくお話します。

ヤブランの特徴

ヤブランはキジカクシ科ヤブラン属に分類される多年草です。

別名をリリオペ、サマームスカリ、ヤマスゲ、といい、日本や中国、台湾など東アジアに分布しています。

山野の薄暗い藪の中などに群生していることが多く、丈夫な性質で日陰でも良く育ちます。

幅1㎝くらいの細長く長さが30~50㎝程になる葉を地際から沢山茂らせます。

 

園芸品種は葉に斑入りのものがあり、庭の焦げで栽培されたり、花期以外にも葉を観賞します。

古くは根につく豆粒上の塊を滋養強壮や解熱に効く、「麦門冬」という漢方薬として利用されていました。

ヤブランの花

開花期は夏から秋、7~10月頃で、花茎をのばして小さな紫色の花を穂状に咲かせます。

よく見るととても可愛らしい上品な花で、稀に白色やピンクの花をつける株もあります。

 

ランという名前がついていますが、ランの中まではありません。

花の姿が同じキジカクシ科のムスカリに似ていることから、サマームスカリの別名がついています。

ヤブランの育て方

ヤブランは毎年春になると新しい葉が出て、前年の葉は傷んできたなくなってしまっています。

新芽が出る前に根元からバッサリと刈り取って、毎年新しい葉の更新を行うと綺麗な姿をキープすることが出来ます。

 

日陰にも良く耐えます。軒下や塀や壁の陰でも良く育ちますが、あまりに暗い場所だと花付きが悪くなり、葉を観賞する分には良いのですが、可愛らしい花は楽しめなくなります。

 

逆に日当たりのよい場所だと品種によっては強光線に弱い性質があるので、葉が焼けて茶色くなってしまうことがあります。

耐寒性が強く、関東以西の平地では冬に特に防寒対策は必要ありません。

 

乾燥には良く耐えますが、植え付け直後や春から秋にかけての生育期は水切れさせないように、土の表面が乾いているようならたっぷりと水を与えます。

地植えで雨の当たるような場所なら、一度根付いてしまえば後は水やり無しでも大丈夫ですが、鉢植えやコンテナの場合は1年を通して土の表面が乾いたら水を与えるようにします。

 

土は有機質のたっぷり入った土を好みます。

生長して株が込み合ってきたら、株分けを兼ねて植え替えをしてあげるのが良いでしょう。

 

あまりに株が大きくなりすぎると、生育が衰えます。

2~3年を目安に植え替えるのがベスト。

 

植え替えの時期は3月中旬から4月中旬、秋の9~10月頃です。

増やしたい時は株分けして増やすのが最適で、植え替えのついでに行うのが良いでしょう。

 

一株が3~5株になるようにざっくりと分けます。

あまり細かく分けると生育が遅れてしまったり、枯れてしまったりしますので注意してください。

 

病害虫はほとんど発生しませんが、ハモグリバエにだけ注意が必要です。

ハモグリバエは葉を根元から切り取ってしまうので、葉が黄色くさびたようになってきたら、その葉を根元から切り取って取り除くようにします。

ヤブランの品種やアレンジ

ヤブランは葉に斑入りの品種の他に、白や桃色等変わった花色が流通しています。通信販売などで手に

寄せ植えなどではほとんど用いられることがありませんが、庭のシェードガーデンとして最適です。

 

和風の庭でも洋風の庭でも違和感なく、溶け込みます。

根じめとして利用するのがより自然で美しく見えます。

ヤブランの花言葉

ヤブランの花言葉は「謙虚」「隠された心」「忍耐」などで、「謙虚」は樹木の下や草陰にひっそりと群生する姿に由来します。

また、「隠された心」は長い葉っぱを密集させて、その中に隠れるようにして花をつけることにちなんでいます。

薄暗い場所で丈夫に育つ様子は「忍耐」という花言葉に繋がっていると考えられます。

(ライター ナオ)