ヒスイランという花をご存知でしょうか?

栽培は難しいのですが、とても美しい花を咲かせる植物で、今回はそんなヒスイランについて詳しくお話していきます。

ヒスイランの特徴

ヒスイランはバンダ・コレルレアともいい、洋ランの1種でラン科ヒスイラン属に分類される常緑多年草の総称です。

東南アジアを中心にインドやオーストラリアなどの温かい地域に生息し、バンダは樹高5~10mの高い樹に自生し、空気中に出した気根と言われる根をたくさん出す性質があります。

 

根は常に空気と触れ合いながら生長していくために高い湿度と気温を好みます。

太い一本の茎と左右交互につく葉を持ち、草丈が20㎝以上になると2~4月と8~10月頃に5~10㎝の網目状の花びらをいくつか咲かせます。

 

葉は茎にそって2列し、左右に広がります。葉は細長く、厚くて革質状で硬いのが特徴です。

花茎は茎の先の葉の付け根から出て、単独か多数の花を総状に着けます。

花は平らに開いて咲き、副弁が大きく発達し、全体的に丸っこい花形となるのが特徴です。

ヒスイランの育て方

ヒスイランは土を必要としないので鉢やバスケットの中にそのまま入れたり、天井から吊るしたり、根をむき出しのまま育てることが大切です。

根が常に空気と触れ合っていないと根腐れを起こしたりしてしまいます。

 

根が空気中に出ている状態で霧吹きで吹きかけて水分を吸収させたり、ジョウロで水をかけたり、鉢植えの場合は水をためた場月に5分ほどつけ置きします。

肥料は薄めた液体肥料を霧吹きで吹きかけるか、バケツの水に液体肥料を混ぜてつけ置きしておきます。

6~10月の間は生長が速いので3日に1回は肥料をあげるようにします。

 

年間を通して高い湿度と気温を保つことが栽培の条件ですが、直射日光は嫌いますし、逆に日当たりが極端に悪い環境だと花の付きが悪くなり、花の色も冴えなくなるので、カーテン越しの窓際などの樹木の下など、快適な環境を確保することが重要です。

5~8月頃、20℃以上の気温のある時に植え付けや植え替えをします。

ヒスイランの株がすっぽりと収まる木枠のバスケットにそのまま置くか、素焼き鉢に株をそのまま入れ、株がぐらつくときはバークチップで安定させます。

 

置き場所はカーテン越しの窓辺や直射日光の当たらない屋外がベスト。

最低気温は12~15℃は必要なので、秋から春にかけては室内に取り込む必要があります。

子株をつけることがあるので、その場合は親株からナイフやハサミで切り離し、バスケットに植えます。

 

その後、20℃以上が保てる場所で管理すると、5年以上たってから花が咲きます。

水の与えすぎは軟腐病や灰色カビ病の原因になるので、葉と葉の間には水がたまらないように水やりに気を付けて、傷んだり腐った根や葉を見つけたらすぐに取り除くことが必要です。

 

最後に殺菌剤を巻いて広がりを防ぎます。

乾燥したときはハダニに寄生されやすくなるので、定期的に葉裏に葉水をして乾燥を防ぐと安心です。

ヒスイランの花言葉

ヒスイランは園芸種も多く、原種の青紫色を基にした青系の品種や、アウコセンロタム属と言われる属間の交配によって紅やピンク、黄、白などの花色が多彩になっています。

花言葉は「上品な美しさ」で、花弁に独特の網目模様が入っていて、星を散りばめたような濃い青紫色の気品ある雰囲気から付けられたと言われています、

 

また、「身軽」という花言葉は樹上に根で着生していることから、「個性的」には他のランにはない美しいブルーの花色と花びらの中央の唇弁が小さい所からきていると言われています。

他にも「華やかな恋」や「エレガント」、「願いを込めて」などの花言葉があります。

(ライター ナオ)