古今東西、多くの人々を魅了し続けてきた「薔薇」。
このバラという漢字にもなんともいえない華やかさやエロスを感じさせる魅力があると思いませんか。
古代ギリシャ・ローマ時代からずっと文学や絵画、そして音楽のモチーフにはなくてはならない花であり、国家の紋章となり政治的なシンボルとして使われることもありました。
バラはお花の世界の女王様といってもいいでしょう。
現在でもお祝いに贈る花として大変な人気を持ち続けていますし、バラが咲き誇るローズガーデンをつくることはあこがれです。
バラを贈るときにはどんなバラがいいか、人気があるバラはどれかなどを調べてみましょう。
バラの歴史
バラは、数千年前にヒマラヤ山脈の麓あたりで発生したといわれています。
古代ローマ人はとってもバラを愛していました。
皇帝ネロは、大規模なバラ園、バラのお風呂をつくり、バラの香油を体に塗らせ、部屋をバラで飾り、さらにバラの酒やデザートまでつくらせたといいます。
絶世の美女として名高いクレオパトラもバラをこよなく愛したひとりです。バラの花びらを床に敷き詰め、バラの切り花で宴会を豪華に飾りました。
皇帝ナポレオンと結婚したジョセフィーヌは、たいへんな浪費家で贅を極めた暮らしをしていました。
なかでもバラに対する情熱は相当なもので、ナポレオンの遠征先の国から苗を収集したと伝えられています。
世界中から集められたバラは宮殿の庭に植えられ、おかかえの園芸師によって品種改良が進められ今日の四季咲きバラ、モダンローズの誕生に貢献しました。
バラの花言葉
歴史が深いバラの花言葉には、いろいろなものがあります。
本数や色、花の種類、組み合わせなどによって異なっています。
【本数】
- 1本~あなたしかいない、ひとめぼれ
- 2本~この世界は二人だけ
- 3本~愛しています
- 99本~永遠の愛、ずっと一緒にいよう
- 100本~100%の愛
- 108本~結婚してください
【色】
- 赤~情熱、愛情、あなたを愛しています、熱烈な恋
- ピンク~しとやか、あたたかい心、上品、恋の誓い、感謝
- 黄色~友情、献身、さわやか、平和、励まし
- オレンジ~愛嬌、無邪気、信頼、絆、さわやか、健やか
- 白~尊敬、純潔、清純、素朴、相思相愛、約束を守る
- 青~神の祝福、奇跡、喝采、夢かなう、不可能を成し遂げる
- 紫~誇り、気品、尊敬、上品
【種類】
- 八重咲き~私をばかにしないで、誇り
- 一重咲き~純潔な愛、敬意
- 野バラ~優しい心
- 【組み合わせ】
- 赤いバラのなかに白いバラ~調和、あたたかい心、結婚してください
- 黄色いバラのなかに赤いバラ~あなたがどんなに不誠実でも
- 3つの蕾に1本のバラ~あのことは永遠に秘密
ネガティブな花言葉も
バラには、恋愛成就につながる前向きな花言葉が多いのですが、相反する別の意味の花言葉をもつものや、ネガティブな花言葉をもつものもあるので注意しましょう。
- 黄色~別れよう、薄らぐ愛、恋に飽きた
- 黄色中輪~あなたには誠意がない
- 黒赤色~憎悪、恨み
- ピンク~一時の感銘
- 白いバラの蕾~心にもない恋
バラの種類
バラにはなんと4万種もの品種があるそうです。
四季咲き・一季咲き、木立性・つる性、品種改良の歴史などによってさまざまに分類されますが、ここでは大きく4つの系統に分類してみましょう。
①ワイルドローズ(原種・原種系交雑種)
バラの原種は北半球に自生していた被子植物。
ほとんどが半つる性かつる性のバラで、春にのみ開花する一季咲きがほとんど。飾りをそぎおとしたシンプルな美しさが魅力です。
②オールドローズ
名前通り古くからある歴史的な品種群。
18世紀~20世紀初頭にかけて改良されてきたつる性の品種です。
すばらしい芳香をもつものが多く、古いほど一季咲きで枝はしなやかで誘引しやすいのが特徴です。
③つるバラ
つるバラにも3系統あります。
- クライミング:もっともつるバラらしい系統。一季咲きが多いが、近年は返り咲きするものもあり。
- ランブラー:小輪、房咲き。春のみ開花で伸長力が強く、枝がしなやかで花づきがよい。
- シュラブ:どの系統にも属さないつる性の品種。イングリッシュローズもこの系統。
④四季咲きバラ
四季咲き性、木立性の品種群。中国に自生していた四季咲き性原種を改良したもの。
姿形が多様で、色も豊富。ハイブリッドティーローズ、フロリバンダがこの系統。
人気のあるバラは?
ひとつひとつどのバラも誇り高く美しいのですが、ここでは4つの系統ごとに人気の品種を挙げてみましょう。
①ワイルドローズ
- さくらいばら:カイドウバラともいわれ、白地にほんのりとピンクの覆輪が入る、かわいらしい品種。江戸時代の書物にも記載が見られる歴史のあるバラ。
- 黄木香ばら 八重:トゲがなく病害虫の被害も少ないので育てやすい原種。春早くから咲き独特の上品な香りが魅力。
- ロサ キネンシス アルバ:早咲きで、咲き始めはほんのりピンクが強くでます。蕾には紅が差し花との対比が美しいバラ。
②オールドローズ
- カーディナル・ド・リシュリュー:花つき抜群、小スペース植栽に最も向いた品種。
- ヴィヴィッド:比較的返り咲きが多く、あでやかな色彩、芳香をもつ。トゲも少ない。
- ブラッシュ・ダマスク:アーチ推奨品種。淡いピンクが美しい小輪房咲きつるバラ。返り咲き性が強い。
③つるバラ
- レイニー・ブルー:枝が描く線がきれいで、ブルーがかった花色とのバランスがよい。
- ジャスミーナ:小さめの緑に輝く葉のなかに、大房にしだれて咲く花がかわいらしい。
- ペレニアル・ブルー:やわらなか枝の先に紫の小花があいらしく、庭で使いやすい。
④四季咲きバラ
- ノヴァーリス:紫系では最強の耐病性。さわやかな香りの四季咲きのバラ。
- 桃香:甘い芳香をもつバラ。大輪でピンク色が美しい。
- ボレロ:中心にほんのりと淡いピンク色を抱いたロゼット咲き(花弁が密集)の純白のバラ。トロピカルフルーツのような香りが人気。
- 杏奈:アプリコットとサーモンピンク色の光沢がある花びらが魅力。花付きもよく、とても明るい印象のバラ。
- ブラックゴールド:表面はビロードのようなダークブラウン、裏がゴールドというとてもゴージャスなバイカラーの個性的なバラ。
まとめ
バラは病虫害に弱い品種が多く育てるのはなかなか簡単にはいかないのですが、品種改良が進み育てやすいものもでています。
ぜひローズガーデンを目指して頑張りましょう。
また、バラの花を贈るのは照れ臭いという方も多いと思いますが、ぜひ、大切な方に花言葉を添えて贈ってみましょう。
きっと喜ばれるはずです。
(ライター sensyu-k)