ヒイラギの葉はクリスマスを象徴するアイテムのひとつ。
日本でもクリスマスリースやツリーには必ずと言っていいほどヒイラギの葉が飾られています。
ヒイラギの名前は葉のトゲに触るとヒリヒリと痛むところからきていると言われています。
今回はそんなヒイラギに関するお話です。
セイヨウヒイラギの特徴
クリスマスツリーに使われるセイヨウヒイラギはトゲのある葉が特徴のモチノキ科の常緑小高木です。
ヨーロッパ西部・南部、アフリカ北西部、アジア南西部の原産で、葉は長さ5~12㎝、幅2~6㎝で和解枝や下の枝では葉の縁が数か所鋭く鈍りますが、古い枝や上の枝では刺の数が少なく、葉先のみ尖ります。
縁はしばしば全縁となり、葉は互生します。
雌雄異株で、花は虫媒花、小型で花びらは白くて4枚あります。
9~11月に芳香のある小さな花を咲かせ、冬に赤い実をつけます。
果実は径が6~10㎜の核果で赤く熟し、4個の種子を含んでいます。
晩秋に熟しますが、非常に苦いので、冬の間も鳥に食べられることはありません。
北欧におけるヒイラギの意味
北欧ではヒイラギは最も高貴な木とされています。
トゲのある葉とか赤い実にはそれぞれに意味があり、赤い実は太陽の炎とキリストが十字架にかけられた時に流した赤い血の色、トゲのある緑の葉はイエス・キリストが十字架にかけられた時にかぶせられたイバラの冠を象徴しています。
クリスマスリースを玄関に飾ると、魔除けとして邪気の侵入を防ぐと信じられており、1月5日の夜には取って焼き払うのが習わしと言われています。
また、ヒイラギの白い花はミルクのように白いので、キリストの西端と結びつき、樹皮は苦いのでキリストの受難を表すとされています。
セイヨウヒイラギの種類と利用
セイヨウヒイラギは園芸用にも人気があり、黄色い実やとげのない葉など多数の品種が育成されています。
ヨーロッパ以外でもアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで栽培されたものが野生化していて、材は白く硬いので、細工物、中でもチェスの白駒に使われます。
類似種にはアメリカ原産のアメリカヒイラギモチ、中国産のヒイラギモチがあり、これらも園芸、装飾用に用いられます。
日本では特にヒイラギモチを用いることが多いようです。
セイヨウヒイラギの育て方
セイヨウヒイラギは半日陰を好みますが、実の付きを良くするのなら、日当たりのよい所が適しています。
西日にも耐えますが、乾燥する場所は嫌います。
湿り気のある腐植質の多い土や砂質を多く含む土や深くまで根を張れる土地を好みます。
庭植えはよほど乾く以外は水やりは必要ありませんが、鉢植えは夏の水切れに注意が必要です。
寒肥として堆肥と油粕などを混合したものを広がっている枝先の下あたり数か所に穴を掘って施します。
病気は黒紋病と斑点病、すす病などが発生することがあり、吸汁性昆虫の排泄ぶつによるすす病も発生します。
カイガラムシ類、ハダニ類等カイガラムシ類は枝や幹に、ハダニ類は葉裏に発生し、いずれも樹液を吸って被害を与えるので注意が必要です。
鉢植えは2~3年に1回植え替え、用土の通気性を改善します。
増やすときは挿し木で増やします。
3~5月に挿し木をする場合は前年に伸びた枝を使い、6~7月、9月に挿し木をする場合は当年枝を用います。
長さ10㎝くらいに切って、数時間水揚げをしてから赤玉土や鹿沼土に挿して根を出させます。
発根促進剤を使用したり、さし床をビニールフィルムで覆って密閉ざしにするのも発根を良くする効果があります。
剪定も1年に1度は必要です。生け垣の場合は年に2回程、3~4月と9月頃に刈り込みをして美しく保つようにしましょう。
(ライター ナオ)