食虫植物の代表ともいえるウツボカズラ。
見るからにグロテスクな風貌の植物なのですが、やっていることも結構グロイわけで・・・・・
ウツボカズラについて
ウツボカズラは東南アジアに広く分布しているウツボカズラ属の植物です。
マレー半島やボルネオ島、シンガポールやスマトラ島などに分布しており、特にマレー半島とボルネオ島では雑草のように一般的な植物でもあります。
現在まで100種類ほどが発見されていて、それらは大陸移動説やレムリア大陸説で説明が可能な特殊な分布をしています。
熱帯の植物としてのイメージの強いウツボカズラですが、実は3000m級の高山に自生するものもあり、それらの種類は日本でも冷房下で管理しなければ育てられません。
日本で一般に観賞用として販売されているものは、標高1500m級の山に自生する種類で、その中でもネペンテス・ラフレシアナが「ウツボカズラ」の名前で一般的です。
ネペンテス・ラフレシアナは茎に白い綿毛が密生していて、その傾向は若い茎ほど見られます。
茎の長さは4~15mほどで、ツルの上下部分で捕虫袋の形が違うのも特徴的です。
ウツボカズラの名前の由来
和名のウツボカズラは矢を入れるウツボのような形をしているところから名づけられたと言われています。
ウツボカズラの食虫のメカニズム
ウツボカズラの捕虫袋の内部には密腺があり、そこから甘い香りのする消化液を含んだ液体を出すことによって昆虫たちをおびき寄せます。
匂いに誘われた昆虫たちは捕虫袋に近づき、液体で滑ることによって、袋の中に落ちたり、自ら袋の中に飛び込んで行ったりします。
袋の内側には薄い鱗片のようなものがあり、一度入ってしまうと昇って逃げようとしても鱗片が剥がれ落ちるので、滑って抜け出すことが出来ないというわけ。
しかも、縁のエリの内側には下向きの棘もついていて、これが脱出をさらに不可能にしているのだそうです。
こうして、あとは消化液の含まれた液体で個体を徐々に消化し、自らの栄養分にしていくのです。
ウツボカズラと人間の関係
日本では観賞用として一般的なウツボカズラですが、現地では様々な形で利用されているようです。
ツルは蔓細工の材料として使われます。
路店では極普通にウツボカズラの捕虫袋が売られていて、中に肉や米を入れて持ち歩くのに使われたり、米を入れてそのまま飯盒炊飯のようにご飯を炊くのに使われたりします。
袋の内部には適度な抗酸化作用があるので、中のものが腐りにくく重宝するのだとか。
また、野生下に自生している、まだ開ききっていないウツボカズラの袋の中の液体は、飲み水代わりとして飲むこともあるようです。
一度花が開いてしまったウツボカズラの液体は強酸性の液体として昆虫たちを溶かしてしまいますが、開く前までは人間の喉を潤してくれる、ちょうどよい水分になるのだとか。
ウツボカズラの種類と特徴
100種類ほどもあるウツボカズラの中には捕虫袋がラグビーボールほどの大きさになるものもあります。
しかし、必ずしも巨大だからと言って捕食能力に優れているわけでもないようで、中には消化液が少なかったり、捕まえるのが上手でない種類もあるのだそう。
捕食するどころか、逆にハエや蛾、アリやコウモリなどと共生する種類も存在しているのだそうです。
ウツボカズラがネズミを捕食!!??
そんな中、ネズミを捕食したウツボカズラの衝撃の映像が!!!
ウツボカズラの甘い匂いに誘われて思わずダイブしたネズミ。
そのネズミが袋から出てくることは無かったそうです。
後日袋を解体してみると、骨などがドロドロに分解されたネズミのような物体があったのだとか・・・。
ウツボカズラのまとめ
ウツボカズラは東南アジアに比較的多く分布している植物。
100種類ほどあり、日本ではが一般的に「ウツボカズラ」として知られている。
花の内側に密腺があり、そこから甘い香りと消化酵素を含む液体を出して昆虫を捕食する。
中にはハエや蟻、コウモリなどと共生しているウツボカズラもある。
(ライター ナオ)