フウセントウワタという植物をしっていますか?

名前から想像するとどんな花でしょう?

今回はフウセントウワタについて詳しくお話します。

フウセントウワタの特徴

フウセントウワタはガガイモ科に分類され、南アフリカ原産のハリセンボンのような棘のある果実がユニークな観賞用の唐綿です。

日本には今から70年程前に渡来しました。

毎年花を咲かせる多年草で、葉は柳のように細長く、草丈は1~2mほどになります。

果実は表面がうす緑色、先端は少し尖っていて、風船のように膨らんでいます。

 

ハリセンボンのような棘は柔らかく、果実の表面には何本もの葉脈が走っています。

成熟すると果実は縦に咲けて、シルクのような毛のついた種が飛散します。

 

茎に傷をつけると乳白色の液が出ますが、これには毒性あるので注意が必要です。

切り花にして楽しむ場合にはこの液をしっかりと洗い流してから出ないと、水の吸い上げが悪くなります。

フウセントウワタの花

フウセントウワタの開花時期は初夏です。

枝の先から近い位置にある葉の付け根から、花茎をのばして小さな乳白色の10個程度の花がぶら下がるように下向きに咲きます。

 

花冠は白く、5つに分かれ、蕚は緑色で同じく5つに分かれています。

真ん中の副花冠は淡い紫色で5片からなり、独特な花の色と形が特徴的です。

副花冠には蜜があり、アリが寄ってきます。

フウセントウワタの毒

フウセントウワタの乳白色の液体は時に角膜炎を引き起こし問題になっています。

トウワタの樹液には強心配糖体が含まれていて、この物質が角膜に影響を与えているという報告があります。

 

また、フウセントウワタと同じガガイモ属の植物においても同じような報告がある地域も存在します。

液体を触った手で目を擦ってしまったりしないように、フウセントウワタを扱うときには手袋をはめることをオススメします。

フウセントウワタの育て方

フウセントウワタは日当たりが良く、水はけの良い肥沃な土壌を好みます。

水はけの悪い土壌では根腐れを引き起こしやすく、腐葉土などの有機物やパーライトなどを加えたり、盛り土をして水はけを良くする必要があります。

鉢植えでも庭植えでも土が乾いたときにはたっぷりの水を与えます。

 

元妃は緩効性の化学肥料で、追肥は鉢植えの場合だけ窒素分の少ない液体肥料化緩効性の化学肥料を5~9月の間、定期的に与えます。

多肥にすると花の付きが悪くなったり、草姿が暴れて綺麗にまとまらなかったりするので、適度な量を与えるのがポイントです。

 

病気にはほとんどかかりませんが、アブラムシが蕾や葉などに群生して汁を吸い、生育を阻害することがあります。

風通しが悪いと発生を助長し、見つけ次第適用のある殺虫剤で駆除します。

 

気温の高くなる5~7月上旬にポット苗を植え付け、株張りが良いので、植え付け間隔は30~50㎝程にしましょう。

種を蒔く場合は25℃以上ないと発芽しません。ポットに種を蒔き、1㎝程の覆土をすれば2~3週間ほどで発芽します。

 

冬越しさせた株は春から伸びた枝を切って、挿し木にすることが出来ます。

果実が成熟したら、割れて散る前に採取し、種を取り出して保存します。

果実のついた切り枝を水に挿しておいても、種は採取できます。

フウセントウワタの花言葉

フウセントウワタの花言葉は「楽しい生活」「隠された能力」「いっぱいの夢」です。

「楽しい生活」はおそらくユニークな形の実をつけるところから、「隠された能力」は下向きについた花でも蜜を持ち、昆虫を引き寄せる能力があることから、そして「いっぱいの夢」は中に羽根のついた種がぎっしり詰まっていて、熟すと風邪に乗って大きく飛散することから付けられたと考えられます。

(ライター ナオ)